端数の経済

旅をしていて、支払いの際にお釣りをもらう際に、現金がないからもっと少額紙幣で払えと散々云われた。こうして考えてみると、日本では市中に出回る現金の量が多く遍く広がっているため、電子マネーの普及が遅れたと言われていることにも、肌感覚で納得がいく。一方で、利子や為替などの影響で小数点以下の金額が発生する。こうしたマイクロマネーは個人レベルの記帳の際などには表示されないし、全体の分母からすると大した金額ではないので、意識の外に置かれ、実態としてどうなっているか分かりづらい。こうした事が問題として顕現したのは、あらゆる人が銀行口座やそれに伴う決済サービスを手にし、小さな金額の送金にかかる手数料が送った金額を上回るような事態が一つある。そもそも,銀行に限らず、人材紹介やパートナー探し、物品の販売に至っても、マッチングを経たあらゆる仲介にそれなりの金額が上乗せされている。これは、一人ひとりから定期的に少額をとるサブスクリプションにも、ある特定の人たちが全体を支えているフリーミアムにも言えることである。しかし、誰もが小学校で夢想したように、全国民から0.1円を受け取ったらという発想は、クラッカーたちよってなされている。攻殻機動隊のstand alone complexでも同じような手口で軍資金を集めていた。しかし、コンピュータの性質上、小数点以下の桁数には限界があり、何処かで丸め上げ(?)がなされる。投げ銭やクラウドファンディング、賽銭もそうだが、こうした個人の小口の口座から送られる小さなお金に注目する、端数の経済ってのがあったりしてもいいかもしれな

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