下らない旅

世界放浪に行くというと、「なんで行くの?」と云う手合いがいる。こうしたひとになんで生きているかと聞くと閉口する。いやべつに生きることは旅だ!とか箴言めいたことを云いたいのではなく、生きることに大した意味がないように、世界放浪にも大した意味がないのだ。どこに行って何をするでもなく、ただ巡りたい。無理に人と関わらず、外出したくない日は部屋に籠り、いい経験をしなくてはいけないというハッピーな圧力をはねのけて、自分が楽しいと思える範囲で、のらりくらりと流浪したい。そんな旅になるといいだろうな、という自分の期待すらも、斥けて。今だと、下らない旅って呼ばれてるやつだろうね。

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