(()...)

「今日やったことを書き留めろ」
「はい、今日は授業の手伝いと、その前に机を拭きました。ゴミを片付けて、箒もかけておきました」
「ああ、いい。細かい細かい。これは日報なんだから、適当に書き留めればいいんだよ」
「そうはいきません。あと、トイレの掃除もしました。黒板を拭き、黒板クリーナーを叩き、クリーナーのカスを拭っておきました。」
「終わったか?」
「あとは、そうですね、日報を書きましたので、日報を書いたと日報に書いておきます。ああ、日報を書いたと日報に書いたことも日報に書いておきましょう。あれ、これは、一体どこで終わりにすればよろしいのでしょうか?」
「なあ、お前」
「はい」
「早くここから逃げろ」
「は?」
「お前のようなやつはここでは生きていけない」
「いえ、私はピンピンしてますけど」
「そうじゃない、世界が、社会が、お前みたいなやつを許さないんだよ」
「では私はどこにいけば」
「ここじゃなければ、比較的どこでも」
「どこでも、とはどこですか?」
「はあ、お前、家来るか」
「行って何をすればいいんですか?」
「お前の好きなことだよ」
「好きなこと、私は何がすきなんでしょうね」
「それを探せばいいんだよ」
「そうですか、ではそうします」
「え、本当に来るの?」
「はい、家には僕しかいませんので、後腐れなく引っ越せますので」
「世界がお前を許してくれるといいな」
「そんなこと知ったことではありませんが、まあ、先生も世界の一部なのであれば、もう許していただいたのでは?」
「はは、それもそうかな」
「はい、そうですとも」
「じゃあ、教室閉めて、飯にするか。何が食いたい?」
「なに、と言われましても今日は7/24なのでいつもであればさばの味噌煮定食ですね」
「毎年同じなの?」
「はい、5つの頃から」
「はあ、今日は焼き肉にするぞ」
「わかりました」
「食べ放題にするか」
「いえ、あれは絶対に損をするので嫌です」
「だろうな、だから食べ放題にする」
「わかりましたよ」

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