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ウワノソラ

うぜーな、と思っていたはずの男子のことを、気付いたら目で追うようになって、目が合った日は何故か浮かれていた中2のある日、
TOKYOFMを流すラジカセからその声は聴こえてきた。

「大好きと 大嫌い の間で のたうち回ってる」

「馬鹿みたいだな っていうか馬鹿だな」

ほんと馬鹿みたいだなぁ、と思いながら、歌詞で検索をかける。

クリープハイプ。ウワノソラ。

作詞作曲、尾崎世界観。

へぇ〜…

ふーん…

衝動が抑えられない金欠の私は即TSUTAYAへ向かい、ウワノソラが入ったアルバムを探して借りようと思った。

無かった。

ショックだったけど、違うアルバムならあった。

「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ 信じていたのに嘘だったんだ」

…はぁ。
こないだ別れた男と一緒に住んでた家から、その最寄りの駅までの道程を思い出してしまった。最悪だ。そこの角左、そのあとの角右。真っ直ぐ行っても、愛は行き止まりだった。さようなら。私は、新しい街に来たけど、元気だよ。今ならまだやり直せるって思ったりもしたけど、その気持ちも桜と一緒に風に舞ってったよ。元気でね。嘘だよ。幸せにならないでね。ごめんね。

さて、何の話をしようとしていたんだっけ。

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