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「特撮」堂々巡り その2

時は21世紀、人々は手元の機械で世界の隅々の人と交流し、またたわいのない話もおこなわれるという時代になった。

そんな時代のメディアであるSNSで「仮面ライダーしかみてないのに特撮ファンを名乗るな」という意見があり、特撮ものを全部見なければあかんのかという反論が多く。
更には特撮ものってなんなの、まで話が行った。
なんてぐだぐだな話だ。

とりあえず、特撮もの、特撮ドラマ、特撮作品をあえて述べるならば、実写のSFかファンタジーのドラマだ、という話になる。
実際には、先に挙げたように、戦争ものやスポーツものも特撮作品であるが、そういうものと関係ないところで煩雑になっているようだ。
しかしながら、昔は特撮もののイメージは統一されていた気がする。

昔、とりあえず私が生まれた1970年代を例にしよう。
手元の「70年代特撮ヒーロー全集」(朝日ソノラマ)によるとTVシリーズは89作品。
「がんばれ!!ロボコン」に二分の一ページしか割かないぞこの本クソ…いや…あれ?「オズの魔法使い」が載ってない。
ケイブンシャの方には載ってたのに。

まず、載ってない作品のリストアップからやってみる。

「空中都市008」
これはNHKの人形劇で、未来都市描写に普通に特撮が使われていて、例外的にと思ったけれど、1969年開始だから除外した。

とりあえずだが、以下がそうだ。

「チビラくん」
「ウルトラファイト」
「おれは透明人間!」
「ジャングルプリンス」
「魔女はホットなお年頃」
「江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎」(1970)
「ジキルとハイド」
「隠密剣士」
「隠密剣士突っ走れ!」(1973)
「レインボーアタックエース」
「行け!牛若小太郎」
「オズの魔法使い」(1974)
「日曜恐怖シリーズ」(1978)

こんなものか。
おれは透明人間!とオズの魔法使いはケイブンシャの全怪獣怪人大百科には載っていたのだが。
大体ミラーファイトを掲載してウルトラファイトがないとか。
というか「1970年の作品が丸々掲載されてない」。
ジキルとハイドや日曜恐怖シリーズは大人向けの枠で、レインボーアタックエースは平成後半以後増えるご当地、地方局ヒーローだから除外は仕方ないとして、仮面ライダーの前番組だったのに、忘れ去られた魔女はホットなお年頃の扱いが。
隠密剣士二作品は、まあこのシリーズの扱いの不遇さがちょっと…、まああとで。。
13作品追加して、102作品。

待って、まだあるよ。
NHKの「少年ドラマシリーズ」。
1971年の「タイムトラベラー」からスタートしたシリーズで、SFファンタジー作品のみをカウントしたら16作品。
更に必殺シリーズ…以前から思っていたけど、特撮だよね。
実のところ特撮扱いされていない…が時代劇の中でも必殺は必殺というもの…みたいな扱いなのだが、時代劇における松竹の1960年代以後の劇画的表現を特撮を用いて試みるのが結実したのが必殺だという。
1972年の「必殺仕掛人」から始まる、報酬を得て復讐を果たす仕事人のシリーズで、仕置きで殺害する場面に特撮表現が用いられ…なんて話しはファンには釈迦に説法という話で。
実際、「少年ドラマシリーズ」と「必殺シリーズ」は特撮ファンの別腹だったりするわけで。
必殺シリーズは70年代は15作品。
更に「おしどり右京捕物車」(1974)という必殺シリーズの派生作も、この作品の武器は武装車椅子です。
102+16+15+1で134作品。
1970年代は134作品です。

とここまでつっこんでおいてなんですが、必殺シリーズ+1の16作品はとりあえず外しておきます。

118作品です。
では、うち大人向けの作品は
先程「江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎」に「ジキルとハイド」と「日曜恐怖シリーズ」を足しましたが 
、他には。

「恐怖劇場アンバランス」(1973)
「日本沈没」(1974)
「西遊記」(1978)
「西遊記Ⅱ」(1979)

僅か7作品。
必殺シリーズは時代劇という受容であり、例外とします。

8割以上が1970年代には子供向け(正確にはファミリー層向け)に放送していた訳ですが、平成以後この数が増えます。

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