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乳と卵の感想

短い小説だけれど、難しかった。
文章の書き方が止まらなく、点の箇所が多くて一文が長かった。

豊胸手術を受けることに取り憑かれている巻子と、言葉を発することを拒否する娘の緑子が、東京の巻子の妹の家を訪ねる。

クライマックスの緑子が卵をめちゃくちゃに割りながら「お母さん」と叫ぶシーンが印象的だった。
言葉にならない声を発している感じがした。
緑子は初経を迎え、日記のなかで卵子について考えるが、生きることについて疑問を持っているように思える。
生きること、女性としての体の変化、子どもを産むことについて繊細で多感な感性で一生懸命に考えて、厭だなと思ったり戸惑ったり。
緑子はそのもやもやとなんかおかしいお母さん(豊胸手術に取り憑かれていたり、咳止め薬をたくさん飲んだり)の狭間で戦っているように見えた。

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