真・女神転生Vについて

結論から言うと、ボリューム不足である。
寄り道して、レベル上げしてストーリーボス以外に挑むと言うことであればまあまあだが、ストーリーだけで見るとぶっちゃけ貧弱。真・女神転生4や4Finalのほうが、なんなら真・女神転生3のほうがよかったかもしれない。
ただ、これからメガテンを始めてやるという人にはちょうどいいかも。さほど理不尽な難易度ではない(歴代シリーズはなかなかに理不尽が多かった)し、普通にやっていればクリアできるし。ただほとんど一本道で探索するものも少ないので面白みに欠けるところはあるからそこは諦めてもらうしかない。
残念なところは多いけど(個人の感想です)、褒められる箇所も多いのでその辺をさらっと紹介していきたい。

楽しみは何と言っても戦闘だろう。プレスターンバトルという仕組みで、相手の弱点をうまくつく、あるいはクリティカルを当てることでことでこちらが有利になり(行動回数が増える)、逆に攻撃を外したり攻撃を無効化されると不利になる(行動回数が減る)。4のころに比べるとだいぶマイルドになったのでありがたい限りだが、難易度ノーマルでも敵に先制されると問答無用で死ねる場合があるので注意は必要。主人公や仲魔のレベルが低いとなかなかに厳しい戦闘になるのがまたちょっと楽しい。
特にボス戦はこの辺をよく理解していないとかなり厳しい。うまく相手の弱点をついて行動回数を増やし、味方のバフ、敵へのデバフを重ねがけすることで戦闘を有利に進めなければ勝つのは難しい。まあレベルを上げれば全て解決してしまうのだが、そうさせてくれないようにうまくバランス調整されている(DLC導入で完全にぶち壊れるが)。
また、ボスに挑み、やられたら何が足りなかったかを検証して仲魔を用意するという計画を練るのもまた楽しみの一つなので、ちまちましたプレイが好きな人にはちょうどいい。

次に、まあここは個人の趣味の範囲なのであるが、今作からいくつかの神が悪魔として追加された。そのデザインがとてもいい感じなのだ。
中でも北欧神話に出てくる「イズン」がダントツで可愛い。ドイツの(一部の地域の)民族衣装であるティアンドルっぽい服に赤い頭巾をかぶっている姿はそこはかとなく赤ずきんちゃんを連想させる。というか間違いなくモチーフに使っているだろう。回復と補助の能力が優秀なのだが如何せんMPに難があるのでその点を重点的に育てれば物語後半でも使えるかもしれない。唯一気に食わないのは妙に早いリズムで縦に揺れ動いてるところか。
また、真・女神転生4(Finalかな?)から追加されたマーメイドも非常に良い。可愛い。一部人間には残念に感じられるであろう「ぺったん娘」なのだが、まあエロ可愛いのですよ、本当に。可愛いは正義。物語序盤に登場する悪魔なのでぶっちゃけ弱い。弱点も多いので後半も育てて使いたいというのであれば相当根気が必要。二週目以降にやるべきか。
加えて、ギリシャ神話のエロの権化ともいうべきゼウスも追加された。正妻以外に多数の女神および人間の女性と関係があり(正妻は姉のヘラだが別の姉であるデメテルとの間にも子供アリ)、とにかく女好きでアレな神であるが、まあいい感じのデザインで表されてるので是非見てほしい。
なお、個人的にはオーディンを推したい。今までモブ悪魔(物語に影響せず能力もあまりパッとしないのでもっぱら合体材料になる悪魔のことをそう呼んでる)だったオーディンが真・女神転生4Final以降、かっこいい姿になって再登場した。今作でも物語に関わる悪魔として出てきてかっこいい姿が拝める。相手の防御属性貫通効果のあるグングニルは極めて優秀なのだが、デバフ効果持ちの全体攻撃が使えるゼウスのほうが圧倒的に優秀なので霞んで見えてしまうのが残念なところか。どっちも雷使いなのアレ。
こういったオキニの仲魔を集中して育てることもできるので、そういう楽しみ方に絞って遊ぶのも楽しいかもしれない。前作に比べて技の引き継ぎも容易になったし、レベル上げも簡単になったから、クリアした後はオキニ悪魔オンリーで攻略を試したいところだ。

続いて音楽であるが、正直微妙。あ、これはいいかも! と感じる曲はなかった。メガテンシリーズはだいたい1作につき何曲かはノる曲があったんだが……この辺は感性の問題なのでなんとも言えないかな。ただ、邪教の館のパイプオルガンをつかったすげー何かこう「ちょっと悪いことをしている感」と威厳のある音楽がなくなってしまったこと(+ミドーが出てこないところ)は残念に思う。メガテンシリーズの代名詞とも言える邪教の館の音楽(およびホテル業魔殿)の音楽はほんとーにかっこいいから是非一度聴いていただきたいところ。6では復活することを期待しております。

とりあえずさっと流してプレイしたいです! って人はDLCを導入すればいいと思う。金増えやすいDLCと仲魔のレベル上げ強化DLC、主人公レベル上げ強化DLCが出てる(それぞれ450円だったと思う)ので、主人公レベル上げ強化を使えば難なくクリアできるはず。
エンドコンテンツとしては課金なしだとシヴァ、課金ありだと人修羅(3の主人公)がいるので究極の戦闘を楽しみたい方はどうぞ。なお、シヴァは行動パターンが単調なのであまり強さを感じられないかもしれない。
真・女神転生4Finalでは上限レベル引き上げとより高い難易度や追加のストーリー? っぽいものとかもDLCで追加されたので、そういったものが出ればボリューム不足問題も解消されるかもしれない。
シリーズファンならマストバイ、そうでない人なら選択肢に入れて損はない作品だと思うので、年末年始休暇に暇を持て余した際にはどうぞ。

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