セヴン#ス、そしてSHHisについて

シャニマスのオタクたち、樋口円香のマイコレ引いた?自分は天井でした。

なおこの間の限定雛菜も天井だったんだが?
ああ〜この女最高に顔がいい

普段は樋口円香の女やっているけど、今回は満を辞してやってきたSHHisのイベント、セヴン#スについての感想文です。特に考察とかではない、感情を書き留めただけのものです。ツイッターで他の人がもう百億回くらい同じようなこと言ってるかもしれないけど許してほしい。
当然だけどネタバレしかないので、未読の人はこんなところにいないで早く読んできな。

さあ、SHHisをはじめよう

SHHisシナリオは、毎回祈るような気持ちで読んでいた。新しいシナリオを読むたびに自分の無力さを噛み締めて、どうしたらにちかは、美琴は、幸せになれるんだろう、そもそもアイドルでいることは彼女達の幸せに繋がるのだろうか。
世界はままならないことばかりで、嫌というほど現実に根付いていて、だんだんと見え方が歪んでいく。そもそも、アイドルとはなんなのか。他のアイドルやユニットの前では信頼できる敏腕プロデューサーで、時に魔法使いのようですらあったシャニPも、必死に答えを探して足掻き、彷徨っている。はづきさんも、シャニPも、見守る側も本当に苦しい。それでも、今回シャニPが絶対にちかの手を離さないと言ってくれて、本当によかったと心から思った。
セヴン#ス、あの劇的なラストに胸を撃ち抜かれたのはもちろんだけど、心に刺さって抜けないのはシャニPとはづきさんの会話だ。ただ手を添えることができたら、という言葉。それはもう愛じゃん。

「家」の話

SHHisおよびその関連イベは、明るい部屋からそうだが、「家」や「家族」がキーワードの一つになっていて、意図的に他ユニアイドルよりもかなり踏み込んで書いている節がある。にちかと美琴の環境は対照的で(父親は早くに亡くなり中学から台所に立ち働いている姉と家事を分担し生活しているにちかと、両親から愛され子供時代はピアノを習い上京してアイドルを目指すというやりたいことを好きにやらせてもらえる環境の美琴。特に金銭感覚の違いは、残酷なほどに顕著。)それぞれ家族に思うところがありそうだけど、283事務所が2人のもう一つの家になっていくということなのかな。セヴン#スの内容とは離れるけど、にちかのシャニPへの八つ当たりするような態度について、いくらまだ高校生の子どもだとしても仕事のパートナーへの対応じゃないところはずっと気にかかっていた部分だったんだけど、(バイトやってたにちかは同年代の子に比べてもしっかりしているし、シャニP以外の仕事関係者には概ね自分の立場を弁えた振る舞いをしている)これまさに反抗期の娘が父親へ取る距離感だと考えるとしっくりくるんだよなぁ。健全かどうかは置いておいて。セヴン#スを経てここからまた、にちかとプロデューサーの関係も変わっていくのかもしれない。

ルカのマネージャーは労働基準法を遵守しろ

にちかとルカが意図的に似た描写(家族との記憶?)を重ねているの、美琴が両者ともを選ぶことはできないから辛い。にちかが自分以上にアイドルとしての八雲なみを「見ている」ことに気がついた美琴は、にちかに振りを「見てほしい」と頼んで、その2人を目撃したルカは、美琴はもう自分の相方ではないという現実をやっと「見た」。にちかが真っ直ぐに「見ようとしていない」ことは既にカウンセリングで指摘されていたことだけど、線たちの12月の灯織との描写を踏まえるに、ルカもまた現実を「見ようとしていない」。ルカもまた、まずは現状を正確に認識するところから始めないと、先に進むことができないキャラクターなので、やっとここでスタートラインに立てたのだと思う。ルカが最後に、ママと美琴の次にマネージャーを読んだことが、美琴の中でマネージャーが心の拠り所になっている証左だけど、そのマネージャーは恐らく来月末で退職予定。その時に、ルカが果たしてどうなってしまうのか。線たちの12月でルカの本来の性格は、卑怯や理不尽が嫌いで身内に優しく面倒見もいいことが描かれている以上、シャニのシナリオはここでルカの手も離さないだろうと信頼しているが……。扉の向こうに閉じこもった相手にそれぞれ向かう、シャニPとルカのマネージャー。自らの無力さに喘ぐところからも、ルカのマネージャーはシャニPのIFであるところは意識されているはず。これまでの描写やずっと美琴のとこも気にかけていた様子からも、マネージャーがルカ達を単なる担当アイドルとして以上に大切に思っていることが伝わってくる。とはいえ、あの不安定な状態のルカを担当し続けるのは、心労がすごいよ。なんとか、なんとかこのマネージャーも報われてほしいと願ってしまう。マネージャー共々、ルカもルカ自身の落とし所を見つけられるって信じたいよ。これは全くもって余談だけど、年間で5日間の年休取得は労働基準法で定められているからマネージャーはちゃんと年休取りな!!!!!!!!義務!!!!(フラッシュバックする副業)!!!!休め休め休め休め!!!!!シャニPもマネージャーもみんなワーカーホリックだけど、法定基準を守って働け!!!!!!!!!

「見る」

美琴さんが八雲なみの手のふりをずっと気にしているの、八雲なみとしての振りの正しさを追い求めているのはもちろんだけど、ずっと美琴が引っかかっていた『自分を出す』ことの答えをこの八雲なみのアドリブを通して探していたからと、自分は解釈した。そして八雲なみらしさを始めから(無意識に)感じ取っていたにちかと同じ、「手をぎゅっとする」振りにたどり着くのが……うううう〜〜〜〜。
やっと美琴さんがにちかに「目を向けよう」としている。メンタルクリニックでのカウンセリング無駄じゃなかったよ、ちゃんと意味があったよシャニP。美琴さん「が」にちか「を」「見る」ことによってやっと、ずっと美琴さん「を」にちか「が」『アイドル』として「見て」いたことに気がつく。
自分なんかSHHisじゃないと否定するにちかを挟んでから、ビールケースの上で歌うにちかのもとに戻ってくる美琴さんあああ〜〜〜〜カタルシスカタルシスカタルシス。本当はずっと、にちかはアイドルだったけど、にちか自身がにちかのことをアイドルとして見れなくなっていた。(カウンセリングでも「真っ直ぐ見つめようとしていない」ことが指摘されていた。)ビールケース(にちかにとっての1番初めのステージ)に美琴さんがあがってにちかの手をとった時、にちかはにちかのことを「見て」いる美琴さんを見る。そこでやっと、にちかはにちか自身のことをアイドルと再度認識できるようになる。構造が、構造が上手い!!!!!

ソシャゲのシナリオ特性を活かしたバフ

ソーシャルゲームの強みの一つである現実時間とのリンクを、SHHisは最大限に生かしたシナリオだったなと。
にちかと美琴のwingから始まりここから連なってきたSHHisの物語は、やっとスタート地点にたどり着いた。というか、極論を言ってしまうと、ここまでたどり着いたからこそこれまでの2人の苦しい軌跡が意味のあるものになった。SHHis登場から約2年。は???2年!?!?!?2年間もかかったのSHHis始まるのに!?!?!?!?!?
SHHisのシナリオを一気に読んでももちろん多大なカタルシスを得ることは出来るだろうが、約2年もの間リアルタイムで2人が足掻いて苦しんでそれでもアイドルを手放せない姿を祈るような気持ちで見てきたプロデューサーは、今回のシナリオはより一層刺さったはずだ。それだけの時間をかけて、5thライブを前にしたこのタイミングでやっとここにたどり着いた、ということそのものが物語の『バフ』となる。他ユニが基本的にイベントシナリオは1イベントのなかでしっかり落とし所を示すところに、SHHisイベだけ毎度毎度にちかや美琴がすっきりしない状態のまま次への伏線を貼って終わるというのは賛否両論あったところだけど(実際度重なるクリフハンガーに辟易している人もそれなりに見かけた)、最後にユーザーを納得させるだけのものを出せるというシナリオへの相応の自信がないとできないと思うので、その、胆力がすごいなシャニマス。きよしこの夜なんて2019年だよ。そこからずっと種を蒔き続けていたの正気かよ。

現実に追いついたSHHis

自分語りオタクで恐縮だが、自分がSHHisというユニットに惹かれたきっかけは、4thライブのパフォーマンスだ。高いヒールを履き、素人目に見ても難易度の高いダンスを颯爽と踊る紫月さんと山根さん。強い歌詞に後押しされるように、トップギアとなる2人の歌声。あの日の演出、楽曲、歌唱、ダンス、その全てが合わさって、ただひたすらにSHHisに圧倒されたのだ。あの時のSHHisは自分にとって、まさに「歌とかダンスとかパフォーマンスで感動を与えるアイドル」だった。その一方で、その後ゲームに実装された2人のシナリオを読んで感じたのは、ゲーム内のSHHisはFly and Flyを歌える段階ではないのではないかという疑念だ。それはシナリオが進むにつれて色濃くなっていく。だって「着飾ること」をやめられてなんていないし、「ありのままの私じゃないと私じゃないわ」と言える状態では到底ない。感謝祭やモノラル・ダイアローグス時点のSHHisでは、Fly and Flyのパフォーマンスは出来ないし、ましてやfashionableで手と手を重ね合わせられないだろう。楽曲の方が、ゲーム世界のSHHisよりも先に進んでしまっている。
この違和感を自分は、ライブでの紫月さん・山根さんのパフォーマンスは未来のSHHisだと、いつかSHHisがたどり着く場所なのだと受け取っていたけど、やっとセヴン#スでSHHisの2人は、現実に追いつくことができたと感じた。次の5thライブでのSHHisが、いまから待ち遠しい。
(余談だが、似た事例としてsideMのLegendersの楽曲「Symphonic Brave」を連想した。この曲も、モバエムでのイベント「タイムプリディクション ~時空の監視者~」を経て、やっと3人が楽曲に追いついたと感じたので)

待たされた分に相応しい、(というかこれだけの時間をかけたからこそよりいっそう心揺さぶれてしまうという運営の手のひらの上で癪な部分もあるけど)、5thライブの前にセヴン#スを読めて心から良かったと思えるシナリオだった。
2人は手と手を重ね合わせた。これまでとは明らかに雰囲気をガラリと変えた5thライブの告知。セヴン#スでのシャニPの提案内容はまだ明かされていないが、この5thから何かを始めようとしていることをひしひしと感じる。
SHHisが始まる。新しいキャンバスに何が描かれるのか、彼女達から目を離せない。

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