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地域包括ケアは大規模多機能連携サービスで完成させる

小規模多機能は良いけれど・・

こんにちは。介護経営コンサルタントの糠谷です。小規模多機能型居宅介護というサービスがあります。「通い(デイサービス)」を中心として要介護者の状態に応じて、随時「訪問(訪問介護)」や「泊まり(ショートステイ)」のサービスを、組み合わせて利用できる、とても良い仕組みです。

静岡に住む私の99才の祖母も利用していて、とても助かっています。ほほ寝たきりだった祖母は、いまは車いすで1日生活しています。デイ、ショートを柔軟に組み合わせることができた恩恵です。

しかし、小規模多機能のコンサルティングを何度もしてきましたが、運営するのはとても大変な事業です。ケアプランを居宅から施設に移さなければいけないから、居宅のケアマネさんからは、なかなか紹介してくれません。

また“小規模”のデメリットとして、スタッフ1人1人への負担が大きくなることもあります。ある北海道の法人を訪問したとき、そこではスタッフの1人が急に体調不良になって長期休みになってしまい、施設長が4日連続で夜勤をしていました。日勤もあるため、ほぼ家に帰っていないということでした。(あってはならないことですが)

それに、すでにデイサービス、ショートステイ、訪問介護で暮らしが成り立っている方を、わざわざ小規模多機能に移す必要があるのかというと疑問でもあります。いま、それで慣れているのだったら、そのまま継続してもらった方が良いでしょう。

これらが「地域包括ケアシステムの中心的サービス」と長年言われながら、あまり定着していない理由だと思います。

すでにある社会資源を活用しよう!

そうはいえ、小規模多機能自体は、とても優れたサービスです。一度使って見たら、その価値がわかるでしょう。もっともっと必要です。

しかし、視点を少し変えてはどうでしょう?デイサービス、ショートステイは、全国津々浦に山ほどあります。訪問介護が過剰なエリアもあるでしょう。

そこでですが「大規模多機能連携サービス」というのを考えてはどうでしょうか?同じ法人で「居宅介護支援事業所」「デイサービス」「ショートステイ」「訪問介護」を運営している場合には、それらを組み合わせて使う利用者に限定して包括報酬で算定できることにするのです。

これなら、同じ法人内のスタッフが情報を共有しながらケアできますから、利用者も家族も安心です。いままでは、訪問介護は短時間ケア、随時対応ができませんでしたが、それをこの仕組みで許可してもらえれば、ニーズへの対応力は高まります。

それに、すでにある社会資源を活用しますから、ムダもなくなるはず。最後は特養や老健のショートで看取りまでしてしまえば良いのです。

大規模多機能サービスの課題

これを進めるにあたって、問題点がいくつか考えられます。

まず、包括報酬のサービスを事業者が使いやすくすることによって、無駄に儲ける事業者が出現する可能性です。たとえば、要介護3でデイ、ショート、訪問で月間15万円(実際はもっといくとおもいますが)しか使っていない方が、小規模多機能の単価で包括報酬で使うようになったら22万とれるようになります。そうなれば、当然、事業者としては包括報酬への移行を促すでしょう。

これには、歯止めが必要かもしれませんが、もしそうなったら、同じサービスを使っていても自己負担が上がることになりますから、判断力が低下した利用者でもない限り、その心配はないかもしれません。(ケアマネの倫理観にも期待したいところです)

もう1つの問題は、訪問介護サービスをやっていない法人が多いことです。この点は、大規模多機能サービスをする場合に限定して、人員基準を緩和してはどうでしょうか。たとえば常勤2.5人ではなく管理者1人で良いとか。で、実際にはデイ、ショートの介護スタッフが訪問するようにすれば、家庭生活を維持することもできます。

この考え方、ちょっと先進的すぎますか?


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