2020.09.27 とさでん交通②
天気は相変わらず快晴のまま昼を迎えた。伊野線側はそこそこ見て回れたので、東部の後免線に向かうことにした。南国高知の日差しは元気である。
まず向かったのは中心部のはりまや橋からの来た列車のおよそ半数が折り返す文珠通駅。駅近くの歩道橋でカメラを構えた。折り返し駅といっても、設備は片渡り線が1つあるだけ。そこそこ高頻度で来る列車の折返しをこれでさばいているだけあって、折返し待ち列車、はりまや橋方面に行く列車、後続の後免行列車とが入り交じる時間もある。ラッシュ時の失敗した荒川線のような雰囲気を感じた。
一応後免線の終点後免駅までは行ってみた。街道沿いにずっと線路もあるような構造だった。せっかく来たので末端区間のカーブで1枚パシャリ。もう半段絞ってもよかったかな。とはいえ夏らしいカットにはなった。秋だけど。
次いで川沿いを走る船戸駅周辺に戻ってきた。路地のごちゃごちゃとはまた違う表情を見せてくれる区間だと思う。カーブを曲がり駅に到着するシーンと、川の堤防から、シンプルな望遠ストレートとで切り取ってみた。
きょう3回目の朝倉駅である。今度の狙いは離合。朝倉〜伊野間は通票閉塞のため、係員が通票の受け渡しをしている。駅でカメラを構え待っていると、伊野行きの列車が来ると同時に駅員さんが登場。タブレットのような通票を手にして、はりまや橋方面に向かう列車に手渡した。通票をもらった列車の背中を望遠で切り取る。こちらもごちゃごちゃした路地らしい風景が広がっていた。
夕方になっても空はピーカンのままだった。夜勤明けからろくすっぽ寝ていない身には堪える時間だが、晴れているのに寝過ごすのは愚の骨頂。再び伊野駅に向かいながら、国道沿いのカーブに目をつけた。旧型車の宝庫とはいえ、いつ塗装が変更されてもおかしくないとさでん。運転手のマスクで時代がわかるような気がしつつ、様々なカットを抑えておいて悪いことはないだろう。
日も完全に傾いた午後5時すぎ。伊野駅周辺の線路には見事に西日がさしていた。本当は旧来の塗装車を狙いたかったが来ず、テンション高めな広告塗装車を被写体とした。絵に描いたような夏の夕暮れ。路地に佇む終着駅は独特の雰囲気を醸し出していた。通りがかった原付きバイクが、画竜点睛となった気がした。
スーパー銭湯で一日の疲れを癒やした夜。三脚は持ってきていないので一脚でできる範囲のバルブ撮影を試みた。場所はこちらも多くの列車が折り返す鏡川橋駅。カーブが本当に「ちょうどいい」構造である。数本待ったものの、こちらも原色塗装は来ず。まあ昼間にあれだけ撮れたのだから文句は言うまい。
この伊野線末端区間も、コロナ禍のため本数が半減するダイヤ改正が実施されたという。いつ撮れなくなるかわかったものではない。行っておいてよかったと心から思うところである。