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2021.04.02 養老鉄道

ひとりで誰とも接しない旅行というのはどうもマイノリティらしい。人と人との接触が感染を広げていることは理解できるが、移動を十把一絡げに悪と定義し、人と接しない旅行まで制限されるのは少し腑に落ちないところはある。とはいえ、連休にどこにも行かないというのは体がウズウズしてしまう。一応線引きの正当性を維持すべく、この時期に緊急事態宣言&まん延防止等重点措置が発せられていなかった愛知県・中部空港に飛ぶことにした。

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2021.04.02 下野代〜多度
Nikon D750 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II
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2021.04.02 下野代〜多度
Nikon D750 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

狙ったのは多度山から望む、長島河口の近鉄&関西線。しかし春先は抜けが悪く、とても見通すことは叶わない。とはいえ車で20分近く山道を登ってきただけに戦果ゼロでは下るなんてナンセンス。そこで目をつけたのが眼下の養老鉄道だった。近鉄のゴミ箱と言われたこの路線も、近年は東急のゴミ箱にもなりつつあるという。つまり、今撮る価値があるということである。さっそく置き換え対象の元近鉄600系/620系が首尾よくやってきてくれた。


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2021.04.02 多度〜美濃松山
Nikon D750 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II
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2021.04.02 多度〜美濃松山
Nikon D750 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

山を下りて多度駅近くの小川にやってきた。満開は1〜2日過ぎたかもしれないが、河原の桜はベストシーズン。北海道民からすれば早すぎる春の景色に映る。1本目はフォーカスを桜に合わせてパシャリ。2本目は列車通過と同時に風が吹いてまさに桜吹雪の状態。狙いではない元東急車ではあるが、画としては満足行く結果となってよかった。


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2021.04.02 美濃山崎〜駒野
Nikon D750 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II
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2021.04.02 美濃山崎〜駒野
Nikon D750 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

次は月見の森というハイキングコースに目をつけた。ここも抜けが良ければ名古屋市街のビル群を背景に撮影できるスポット。この日も1枚目右奥にギリギリ見える程度の抜けではあったが、なによりも手前の桜の木が今しか撮れないものである。まずは桜を入れて広めで。すぐにズームリングを回して、詰めたサイズで車両を強調。のどかな風景はまるで箱庭のようである。


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2021.04.02 美濃山崎〜駒野
Nikon D750 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II
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2021.04.02 美濃山崎〜駒野
Nikon D750 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

少し雲が出てきて露出が下がってきた。名古屋に戻りがてら名鉄でも……と考えていると、川沿いの桜並木と菜の花が目に入った。これは撮らないわけにはいかない。川はほとんど水無川になっていて、階段で下に降りることもできた。菜の花を強調させつつ、桜もいただく欲張り構図。赤い車両はかつての京急1000形を思い起こさせ、ラッピング車も地方私鉄感が出る良い被写体となった。