Case4
これは人に話していい話なのか。
5月末、埼玉県某所。
ダンスパブという存在を初めて知った。
まさかお見合いでこんなところに来るなんて。
リードで踊るということを覚えたてホヤホヤの私。知らない足型ができちゃうのが楽しくて楽しくてたまらなかった。
柔らかいリードで勝手に踊らせてもらえてる。
楽しい。とても楽しい。
物腰も柔らかくて、絶対に上から指摘してこない。
この人と練習したい。
初めてはっきり自分の感情がわかった。
でも、手応えが全然なくて……
ダンスパブ主催のグループレッスンに毎週通った。
パートナー陣は全員マダム、リーダー陣は全員ダンスバイター。その中にひとりJD。
通っても通っても手応えはなく。
ふと冷静になったときにこの異様な状況に嫌気がさした。
わたし、なにやってるんだろう。
柔らかいリードも、物腰柔らかな対応も、営業なんだろうなぁと。
お金をはらってここにきてるから優しくされてたのかな。
わたしは諦めた。
それから約1年半、わたしの成長ぶりを見せてやろうと意気込んで踊ってもらったのにベーシックばっかりで当時と同じ対応されて涙を飲んだのはまた別の話……。
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