Case2

5月某日。

新宿某カフェ。

「こんにちは。はじめまして」

学生同士の私たちはそういって学生証を提示しあった。

踊る前にフィーリングが合うか確かめたいと言われ、こんなカフェなんかでお見合いをしている。

「前のパートナーとは仲が悪くて続かなかったのは今度は(恋愛として)お付き合いすることも視野に入れてパートナーを探したい」

今考えるととてもクズ。

でも、当時の私はまだまだカップルというものに夢を見ていて、妙に納得してしまった。


そして迎えた練習日。

年も近く、歴もさして変わらない。

滞りなく練習できた。


この人となら上手くやれそう。


直感的にそう思った。

そして試しにサークル戦に出てみる運びに。

練習を重ねた。楽しかった。


そんな日が続くある晩だった。

部活時代の同期でリーダーの後輩にあたる女の子から一通のメッセージ。

「辞めてからもダンス頑張ってるの応援してたのに私のこと馬鹿にするようなことしてるみたいで軽蔑しました」

全く心当たりがない。馬鹿にするどころか顔を思い出すことも話題に出すこともしてない。

なんとなく彼女との共通のともだちに聞いてみると、リーダーとその彼女の間に痴情のもつれがあったとか。

めんどくさい。

ああめんどくさい。

はい。さようなら。



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