冬の色
一度暖かい日が続いて
2月の景色とは思えない、雪のない道路と
温かな陽射しは
なんなら少し怖かった
そんなわけはない
2月は一番寒くて雪も多くて
あと少しで春が来るからとみんなどうにか気をつけながら乗り越える季節
それなのに14℃
そんなわけがない
それでも、もう雪を捨てる場所がなくなったり
寒くて、刺繍の手が冷たくてなんだか調子が良くなかったりしたので
これはこれで有り難くもあって
にわか春めいたことに、恐る恐る喜んだりもした
けれどやっぱり冬は冬
ですよね、って頷いてしまうほどしっかりと冬
−7℃の日が続いていて
今日は作業部屋が2℃
せっかく寒くなるならと
大きめのたらいにふたつ、氷を作っておきました
ほんとはまだまだ冬の外遊びしたいことはいろいろあるのだけど
出来上がった氷は想像を超えて美しく楽しかった
中は空洞になっていて
縁取りのところや厚みのあるところには
自然が作ったさまざまな模様が
これはまるで遠くに見える雪山のよう
薄い層が幾重にも重なっていたり
光のスピードをストップモーションのように閉じ込めたみたいに見えたり
指が動かなくなりそうに寒い中
あんまりきれいでカメラを手にしばらくここにしゃがんでいました
きっとすぐにかたちを変える
きっといつか消えて行く
中でも
いつまでも眺めて
動画を撮ってみたのがこの氷
ひび割れみたいに見えて裏側に手を入れてみたら
これは厚みのある中にできた煙のような模様
ゆらゆらと花びらのよう
風に揺れるスカートのよう
うっすらと流れる夜空の雲のよう
氷の中にこんな宇宙があるなんて知らなかった
眠っていた一晩の間にこの中で何があったのだろう
同じ水をふたつの入れ物に入れて並べておいたのに片方だけこんなふうに煙の模様
昨日は冷えていたけど晴れていて
今日はすっかり雪景色
冬はまだしばらく続きそう
寒いのはほんとに辛いけど
せっかくの冬の楽しみを味わいつつ
春を待ちたいと思います
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