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ドラゴンクエストウォーク現時点の感想

リリース以降ドラゴンクエストウォークを継続して遊んでいる。現時点でこのゲームについて感じていることを書いてみたい。

正直に言ってオールドゲーマーである私はガチャシステムのあるゲームはあまり好きでなく、このゲームについてもドラクエという過去のブランドを食い潰すゲームではないかと疑っていた。

しかし実際に遊んでみると、これは杞憂であり、実に良くできたゲームになっていると思う。まずは具体的に良いところをいくつか挙げよう。

〇良いところ

・ドラクエらしさが大事にされている
技・魔法のエフェクト、モンスターのモーション、音楽などドラクエらしさが大事に作られており非常に好印象。

攻略し甲斐がある
推奨レベル程度で進めると、時折苦戦するポイントが置かれており、歯ごたえが丁度よく感じた。バフ・デバフや状態異常の活用が重要で、力押しだけで進めるのは難しい。

課金と無課金のバランス
課金しないと入手が難しいレア装備は確かに強く、課金プレイヤーに優越感を与える一方で、無課金でもモンスターの心を集めることである程度戦力の底上げが可能となっており、うまくバランスを取っている。

運営のフットワークが軽い
位置情報ゲームとしては後発の強みを活かした運営がなされている。歩きスマホ対策としてリリース時点でウォークモード実装、台風接近時には警戒を呼びかける一方で、自宅で楽しめるイベントを実施など、叩かれそうなポイントに先回りするように打てる手を打っている。

〇ゲームのターゲット層

個人的に興味深いなと感じているのは、ゲームのターゲット層。ゲーム内で一番最初の大きなイベントは、初代ドラゴンクエストのシナリオをモチーフとしたもので、マップが当時の荒い画面を再現したものになったり、オリジナルのセリフが使われるなど、原作を知る人に訴えるイベントになっていた。明らかに少年・青年期にドラクエにハマったおじさんたちをメインターゲットのひとつとして想定している。
30~40代のおじさんたちは、運動不足の人も多く、楽しんで運動できるニーズは見込めるし、自由に使えるお金も多いのでマネタイズにも有利。また、海外ではドラゴンクエストのブランド力は弱いので基本的には国内向けのサービス展開になっている。このあたりは、女性・子供にも人気で、世界的なコンテンツであるポケモンとドラクエの違いをよく分析した、練られた戦略だなと思う。これは数字にも現れており、1ダウンロード当たりの売り上げがPokemon GO 12ドルに対してドラゴンクエストウォークが51ドルと、大きく上回っている。
(※https://sensortower.com/blog/dragon-quest-walk-first-month)
広く薄くの課金が適したポケモンと狭く厚くの課金が適したドラクエの対比は面白い。

〇気になること

最後に気になることも少しだけ挙げておく。

重課金への歯止め
ガチャというシステムでレアアイテムを当てられる確率はとても低い(ピン狙いだと1回の試行で0.5%程度)。課金して試行回数を増やせば入手できる確率は上がるが、それでも運が悪ければ延々と当たらないことも十分に起こり得る。実際にネット上では十万単位の課金の話も目にした。子供に対しては課金に制限があるので、大人は自己責任と言ってしまえばそれまでだが、射幸心を煽るシステムに歯止めが全くなくていいのだろうかとは思う。(厳密には、ある試行回数ごとに最高レア確定のシステムがあるが、最高レアのなかにも良し悪しがあり、欲しいものが出るとは限らない)

プレイ圧力
課金しないとゲームを楽しむことが難しいことを課金圧力が高いと表現することがある。前項で課金の歯止めについて述べたが、このゲームは課金圧力が高いとはそれほど感じていない。しかしながら、このゲームのコンテンツ供給スピードはかなりのやり込みプレイヤーに合わせられているため、それなりにしっかりプレイしていかないと供給されるコンテンツを十分に消化することは難しい(プレイ圧力が高い)。もちろん全てのプレイヤーが供給されるコンテンツをすべて消化していく必要はないのであるが、イベントの半分も終わらないうちに期間が終了してしまえば、やはり惜しいと思ってしまうのが人情というもの。実際に、私が読んでいるゲームブログでも上級コンテンツに歯が立たないまま期間が終了してモチベーションが下がったというコメントがされていた。懸念される展開として、プレイ圧力の高さによってライト層が少しずつ離れていき、プレイヤー総数が減ると優越感を感じることも難しくなるため、残ったコアゲーマーもまた別のゲームに移ることで、衰退していくというものが考えられる。

〇最後に

気になることも長々と書いてしまったが、基本的にこのゲームの現状に対してはかなりポジティブな印象を持っている。コアゲーマーとライトゲーマーのバランスを取りながら運営していくのは、二律背反の課題ではあると思うが、うまくかじ取りしてサービス展開してもらえることを期待したい。

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