見出し画像

文化フォーラム春日井で観た個展

 こんにちは。今日まで雨が続くと聞いていましたが、すっきりと晴れました。

 昨日は文化フォーラム春日井・ギャラリーで行われている「山田雅哉 エチカ」を見に行きました。

 ギャラリートークがある日でしたが、バッチリ遅刻してしまったので冒頭のお話は聞けず。お話がとても上手な方だと感心して聞いていたらば、教師(高校かな、中学かな)をやられていた時期もあるそうです。ギャラリートークの後に色々な方からの質問を真摯に答えられていたのですが、その端々からも人間性が出ておられました。
 墨流し(マーブリング)の技法を使って「音」を表現した作品や今個展のために二十四節気を題材として一年かけて描かれた作品などが展示されていました。哲学にも造詣が深いようです。
 「(絵を描くという行為のために)音を利用している」「職業が絵描きであるから」「全てのものと同じ距離を置きたい」といった言葉がつらつら出てくるのは、日々絵というものに向き合っているからなのでしょう。芸術家であり職人でした。

表面がざらざらしている

 作品の端切れで作るマグネット・缶バッチのワークショップも行われていました。ギャラリートークでは「重たい絵の具は早く沈殿して、軽い絵の具は浮いてくる」と作家がおっしゃっていました。実際に触ってみると細かい物がよく染み込んで大きいものがざらざらと残っています。こういうのをみると絵画も染め物の知識と繋がっているとわかります。

 ワークショップをやっているときに、山田さんが近くにおられたので聞きたかった内容をふたつだけ質問させていただきました。
 ひとつ目は「好きな色」。作品は全体に青いものが多いですが、やはりお好きな色は青だそうです。絵の具のことは詳しくないですが、使用している道具などの展示にもラピスラズリが飾られていたので青金石というやつでしょうか。
 ふたつ目は「絵を描くときに考えていないこと」。わたしは良い絵描きというものの最後の要素は自分の心にいかに誠実に作品を作るかにあると考えています。大体の作家は艶めかしいものがあるのですが、山田さんの作品からは全くそれを感じなかったのです。なので、拝見しておる時から、(この人はどうやらやましい心がないのだな)と気になってしまい。失礼ながらご本人にも確認させていただきました。やはり、ないそうです。そういったいい意味での爽やかさが夕方のニュースの美術に選出された要素なのかもな。

 5/21までの開催です。

作家の公式サイト

今日おすすめの街角芸術

 今日おすすめのパブリックアートはコルネリス・ジットマンの「カリブの女」です。

 山田さんの作品に性的なものを感じない、の真逆で、わたしは今の今までこの作品より”いい女”を野外彫刻で見たことがありません。性と生の調和が取れた実に美しい女性像でした。

 それではみなさま、よい1日をお過ごしください。

いただいたご支援は全てパブリックアート収集・美術館訪問に使わせていただきます。