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倉吉市のパブリックアートを巡りました

こんばんは。すぐお目にかかりますと申し上げてから随分と時間が経ってしまいました。
今回は倉吉市のパブリックアート巡りをしてきたお話です。

倉吉市

わたしが説明するまでもないですが、倉吉市は鳥取県の中部にある街です。
最近だと2025年開館予定の鳥取県美術館がウォーホルの作品を高額で購入したとかでちょっと話題になってしましたね。
ご意見いろいろありますが、いち美術ファンとしてはまず第一に議論されることが大切なで喜ばしいことと感じます。そしてウォーホルの作品を中心に倉吉市にはぜひアートの街として盛り上がって欲しいと願っております。
倉吉はとても良い場所でしたから。

美術館が完成したらわたしももう一度行きたい。

なぜ倉吉市だったのか

さて、わたしがなぜ倉吉市に訪問するに至ったのかその理由をお伝えしておきましょう。

ひとつめは山本眞輔先生の存在です。
山本眞輔は現在の西尾市出身の作家で、愛知県を中心に数々の作品が野外に展示されています。
わたしはパブリックアートに興味を持ち始めた早い段階で山本眞輔作品と出会い、図書館の画集で場所を確認してはほうぼうを訪問してきました。
前述の通り愛知県を中心としているのでほとんどの訪問は小旅行気分で完結するのですが、新幹線の距離の作品もいくつかありました。
そのひとつが倉吉にある琴桜関の銅像です。
山本眞輔作品をいくつか見ていると、女性を題材にした作品が非常に多いとすぐに気が付きます。それも小柄で八頭身以上の非常に美しい妖精のような女性です。
その先生が手掛ける横綱です。男性の中でも、力士。それは異質も異質の作品です。
恐らく先生自身、男性像は率先して作りたいものではないのでしょう。画集で拝見した写真はの力士は決してご自身が切望して作られた作品ではなさそうでした。こいつぁ後回しだな。そう考えていました。
そんなおり、ふたつめの理由が飛び出しました。

前回の記事でもご紹介差し上げた友人のE.P.さんが倉吉で作品を展示することになりました。ミニカー写真の展示です。
実はわたし、E.P.さんと友人歴が浅いことにかこつけてイベントや展示にまだお邪魔できておらず、写真とはいつも画面と手元にある写真集しか拝見していなかったので大きなパネルで見てみたいと思っていました。
そこに、山本作品のある倉吉での展示です。
これは天命である。折よく連休を手に入れたことも相まり倉吉への訪問となりました。

先にE.P.さんの展覧会を紹介します

「E.P.さんの展示」「E.P.さんの展示」と申し上げておりますが、正確に言うと森永卓郎さんのミニカーコレクション展示の上部にE.P.さんのお写真が飾られている状態でした。メインの展示ではないため、公式サイトからはなかなかその存在を確認することは難しいです。

※会期はすでに終了しています。

悔しいので、わたしが展示があったのだとnoteに刻むことにします。

このようにミニカーの写真が飾られていました。
これですべてではありません!見応えのある枚数でした。

E.P.さんのミニカーの写真がたくさん拝見できるtwitterアカウントはこちらです。ぜひご高覧ください。

ガイドマップを手に入れましょう

前置きが長くなりましたが、いよいよパブリックアートを探す旅に出かけます。
倉吉市のパブリックアートを巡る際は、ぜひ博物館で無料配布しているガイドマップを手に入れましょう。

博物館とガイドマップ

市内の40弱の作品が紹介されています。
ただ、このガイドマップは不完全です。元々からの誤字に加えて、現在は場所が移動した作品もあります。信じすぎると混乱しますが、間違い探しだと思って楽しんでみてください。

※2023.2.28まで博物館は休館を予定しています。ガイドブックがどこかで手に入るかは不明です。

作品紹介

それではようやく作品紹介です。

ひとまちいぬ

薮内佐斗司「ひとまちいぬ」

E.P.さんにぜひ見てきてほしい!と言われていた作品です。
小さな小屋に収まっている割に窮屈なことよりも待つことを不快と感じているような犬でした。
素材はブロンズのとのことですが、よく知っている緑色になるブロンズではないようで、鉄錆のような色です。その色も相まって年の初めに見た「でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード」という映画を思い出しました。

子犬がでかくなってニューヨークが軽くパニックになる映画です。わたしはあまり犬が好きではないので「なるほど」くらいでしたが、犬好きの人にはかなり楽しい映画でしょう。
ちなみに鑑賞券はE.P.さんからいただきました。だから思い出したのかもしれません。

火伏せ童子と家守

薮内佐斗司「火伏せ童子と家守」

こちらも薮内佐斗司さんの作品です。

写真では全く伝わらないのですが、奥にいる家守が人面やもりでとても可愛らしいです。背中が特に愛らしかった。
八百万の神をそのあるべき場所に配置する、とても素敵な作品です。

薮内佐斗司さんは当時ムーブを巻き起こしたせんと君の作者の方です。知ったいま、どこからどう見ても同じ作者なのですが、作品を見ただけではピンと来なかった自分が恥ずかしいです。精進します。

異・空間 92−2

内田晴之「異・空間 92−2」

当日は小雨で光もぼんやりしていたせいか緑の中に突然現れた赤の強烈なコントラストが目に痛いほどでした。
帰ってきてから知ったのですが、作者の内田晴之さんは磁力を使ったアート作品で有名な方で、この作品も実は赤の部分とシルバーの部分は互いに磁力で絶妙なバランスを保っているそうです。触ってみるとちょっと揺れたりするんだとか。
雨のせいにして近づかなかったことを深く後悔しました。

風景の中の風景

向井良吉「風景の中の風景」

コンクリートかと思ったら素材はアルミニウムなんだとか!触ったら剥がれ落ちてしまうのではないかと不安になるくらい薄いところもありました。
作品の儚さからか、長く見つめているとまるで悪夢を見ているかのような作品でした。

倉吉DNA碑

毛利武士郎「倉吉DNA碑」
飛び出てくる部分のアップ

町の鉄工所に生まれた自分としてはかなり面白い作品でした。旋盤とフライスで荒削りされた丸棒が刺さっているんですからね!
ものづくりの原点みたいな意味合いを含んだ作品なんだろうと推測しましたが、で、あれば荒削りの状態で止まっているのは面白い。作者にどういう意図で作られたか聞くのは無粋であるとは承知しているのですが、この作品は機会があればその意図をお伺いしてみたいです。

帽子を被ったら歩いてみよう

黒川晃彦「帽子を被ったら歩いてみよう」

全裸サックスおじさんで有名な黒川晃彦さんの全裸サックスおじさんも倉吉にいました。
倉吉大橋の上で気持ちよさそうにサックスを吹いています。

月から舞い降りた兎

加藤昭男「月から舞い降りた兎」

加藤昭男さんの力強すぎる銅像を見ていたら、草刈り作業をしていらっしゃったご夫婦に話しかけられました。
こういう野外彫刻を見て回るのが趣味なんです、と言ったら薮内佐斗司さんの作品を紹介していただき。倉吉はいいところで、本当に来てよかったと思いました。

山本眞輔「横綱琴櫻関」

最後に今回の旅の目的でもある山本先生の作品をご紹介します。
近くに記念館もあるようですが時間がなかったので訪問できませんでした。残念。

やはり近くで拝見しても、山本スピリットを感じづらい作品でした。力強さはあるのですが、こう、躍動感がないんですよね。確認できてよかった。

最後に

倉吉は本当によいところでした。なによりもご飯が美味しい。素材がしっかりしている感じでした。

今回は有料記事としておまけを用意いたします。大したことは書かないので買わなくてもよいですが倉吉を訪れる際のお店選びにぜひお役立てください。
それでは、また近くお目にかかります。

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