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202401の文化的活動5/5

 2024年の1月に行った文化的活動について。今回は5回目です。
 1回目〜4回目も読んでね。(リンクが増えすぎたので文末に移動させました)


砂漠の泉

 『砂漠の泉』を知ったのはつい先日のこと。白鳥公園周辺のパブリックアートを散策していた時です。
 決められた日にだけ公開される作品で、次回公開日がパネルで表示されているのを通りがかりに見つけました。
 見に行くにあたり、このアートについて少し調べておくことにしました。が、作品そのものの情報もかなり少ない。そもそも訪問した当日が公開日である情報すらインターネット上で見つける事はできませんでした。この日であることは記憶と自らが取ったメモのみ。不安を抱きながらの訪問となりました。

 当日の話の前に、事前に仕入れた情報を少し書きます。
 『砂漠の泉』はデザイン博の翌年に開催された『第2回名古屋国際ビエンナーレ・アーテック’91』のグランプリ作品です。作者はアメリカ人のウェン・イン・ツァイで、ニューヨークを中心に活動し、キネティックな作品を創出したことで知られています。日本には『砂漠の泉』の他に、神奈川県と東京都(もしくは和歌山県の白浜)に作品があるようですが、こちらも情報不足でよくわかりませんでした。
 日本には鑑賞できるところが少ないこともあってか、広く知られているアーティストではなさそうです。
 当作品は購入金額やその後の取り扱いなどさまざまな問題に取り囲まれ、市民オンブズマンに提言を受けていました。詳細は下記リンクからご確認ください。

 さて、肝心の作品です。
 名古屋国際会議場1号館2階の奥にひっそりとあります。窓の外には幻のスフォルツァ騎馬像、右手のテーブル近くにはアニメのキャラクターと思しき等身大パネルが設置されています。この外観は前回訪問時と特に変わりません。差異といえば、入り口に公開日を知らせる立て看板がなく、滔々と流れているクラシックが漏れ聴こえていることくらいでしょうか。

 真っ黒のカーテンの隙間から暗室の中に入るとすぐに放射線状に広がった光る針金のようなものが蠢いています。こちらが作品『DESERT MOON』です。右手側に目をやるとそれを半分にしたような作品『SPHINX』があります。

『DESERT MOON』月というにはあまりに禍々しい

 入ってすぐ一瞬だけ白い姿になるのですが、その後はいくら待っても真っ赤に光り続けるだけ。
 入り口の案内には「音に反応して動きが変わる」とあるので拍手をしてみたり、同行人と言葉を交わしてみたりしたのですが変化はなし。ただただひたすら赤いです。
 現代アートとはいえ、流石に訳がわからなすぎる上、説明から察する変化も再現できないので、出入りを繰り返しました。

 3度目くらいで、ようやく「入り口付近に人がいるとストロボ照射が行われ、白く照らされるらしい」ということがわかりました。が、説明文の再現には至りません。
 センサーが壊れているか展示の方法が間違っているのでしょうか。正解わからぬまま、その場を離れることになりました。

『DESERT MOON』ストロボ照射中
『SPHINX』ストロボ照射中

 全部で4体あるはずの作品が2体しか展示されていないこと。その説明がないこと。観覧者がわたしたちグループ以外に現れなかったこと。様々な要素からのノイズが多く、作品を十分に楽しめたとは言い難い状況となってしまいました。

 今年の春くらいに撤去が決まっているようなので、気になる方はお早めに。開催日は現地でしかわからないようです。

名古屋国際会議場にて
2024年1月29日に展示されていました

2024年1月の記録はこれにて終了です。2月も読んでね。

↓1月の文化活動まとめリンク



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