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虎に翼 第2話

ああ、なるほどね。トラコのお見合い相手・横山(藤森慎吾)が怒って席を立ったのは、トラコがしゃべり過ぎたからではない。
「結婚相手とは様々な話題を共に語り合いたい」と言いつつ、トラコが自分よりも広く深い知識を持ち、かつ「太一郎さんはいかがお考えですか?」と意見を求め、己の意見を述べることが気に入らなかったのだ。
語り合う気なんてハナからない、あくまでも自分の発する言葉を太一郎さん、すごい!と、ご見識を賜る姿勢の女性でなければならないのだ。

「分をわきまえたまえ」「女のくせに生意気な」

お見合いの席で本音をぶちまけてくれて、トラコにとってはよかったではないか。共に語り合いたいという建前を早々にかなぐり捨てる相手で幸いだ。

女賢くて牛売り損なう?上等だ。見る目のない相手に買ってもらわずとも、よい。

兄・直道(上川周作)と同級生・花江ちゃん(森田望智)の婚約、両家とお仲人うち揃っての食事会。花江ちゃんが貞淑な妻となるよう仕込みはもう始まっている。ここまでの段取りを全てしながらも、手柄を夫たちに譲ってスン、スーンと黙って笑顔でいる両家の母たち。
「私、あの顔苦手だわぁ」
そんなこと言うもんじゃないよと窘めず、トラコの疑問と本音を聞いてくれる優三(仲野太賀)。良妻賢母たれという婦女子教育が当たり前であった時代に、若い女の子のこうした言葉を打ち消さずにいてくれるだけでも、ありがたい。彼の存在は貴重だ。

優三は、トラコが法律と出会うきっかけを作るんだね。テンポがよい。法律の学校に松山ケンイチと小林薫!明日が楽しみだ。

(つづく)


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