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虎に翼 第1話

「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分、又は門地により、政治的、経済的、又は社会的関係において差別されない」
尾野真千子の静かな声によって、日本国憲法第14条が読み上げられる。

2024年前期のNHK朝ドラ『虎に翼』はこうして始まった。

少女時代の猪爪寅子(伊藤沙莉)の、期待通りの伊藤沙莉といった早口台詞とテンポよく進む物語にも、米津玄師の歌う軽やかな主題歌と共に流れ出した鮮やかなOPアニメーションにも、朝ドラ第1話ならではの期待が高まった。が、なによりも惹きつけられたのは、この尾野真千子のナレーションと、戦いの爪痕が激しく残る町の河原で憲法公布の新聞に涙を落とす寅子の、見えない表情である。

この憲法を彼女が目にするまで、そして「でかした」と誰かの字の下に貼られたスクラップ記事の場面まで、どれだけの物語がこれから積み重なるのか。
心震えるオープニングだ。

トラコちゃん、どうぞよろしくね。あなたのこと、ずっと待っていました。

(つづく)

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