電波ソング百物語(電波ソング100曲MIXコメンタリー) 1~10
「電波ソング100曲MIX」コメンタリー始めます
平成の終わりに「20190418 さよなら平成、よろしく電波。電波ソング100曲MIX。」というタイトルで平成の電波ソング100曲MIXをmixcloudに投稿しました。ありがたい事に再生数1000回を突破しまして、少しでも電波ソングが世に広まってくれたのならばと嬉しく思います。当MIXがどういうコンセプトのものかはmixcloudのページに書いてあるのですが、一曲ごとのひとことコメントみたいなのをやりたいなと思っていたので今日から始めます。
1.王蟲との交流 / 久石譲
いきなりで申し訳ないのですが、この曲は昭和です。平成の電波ソングMIXなのに。うpしてから気付いたので完全にうっかりです。さて、電波ソングの定義はまちまちですが「やたら耳に残る奇妙奇天烈なフレーズ」という要素は一つの類型的特徴と言えるでしょう。そして心をざわつかせる絶妙に不安定な音程の歌唱。これが電波ソングで無ければ何だというのか。これが「私が」電波を感じた曲である、という当MIXの象徴的一曲です。昭和だけど……。
2.空耳ケーキ / Oranges&Lemons
伊藤真澄と上野洋子の音楽ユニットによる「あずまんが大王」OP。同ユニットfeat.栗コーダーポップスオーケストラによる「Tribute to あずまんが大王」は超名盤です。奇妙なコード感に伊藤真澄らしいツボを押さえた編曲の管弦、畑亜貴によるシュールな夢のような歌詞とユニット両者の美しいヴォーカルが織りなす本当に不思議な音楽。空耳ケーキが何なのかは誰にも分からない。ちよ父なら或いは。この曲と苺ましまろから上野洋子を知り、ザバダックを知りました。
3.はじめて♡しましょ / 釘宮理恵
「りぜるまいん」OP。釘宮病を現代に再発させるには十二分なキュートボイスと甘い歌詞。楽曲は何とマンボ歌謡!私は東京パノラママンボボーイズや昭和マンボ歌謡コンピ「南国の夜」でマンボに親しんで来たのですが、楽曲アレンジで言えばそれらに収録されても全くおかしくない完全なるマンボ歌謡。日本ではニッチな海外の音楽ジャンルを自己流に昇華した渋谷系を思い出すならば、私はこのような楽曲にこそ「アキシブ系」を感じるのです。
4.Daydream café / Petit Rabbit's
皆大好きごちうさ一期OP。「こころぴょんぴょん」のイントロ一発でミームを作り出してしまったその衝撃たるや。こちらも畑亜貴作詞……というか当MIXだけで何曲あるんだ。オケトラックにおける上物は本編BGM(川田瑠夏によるサントラもとても良い)と同様に華やかな管弦が鳴っていると思いきや、ビートは重くないものの結構アグレッシブにドコスコ鳴っている。5人が短い掛け合いを次々にリレーする歌パートも含めて、曲の構造がとても特異に感じます。あとひたすら可愛い。萌え日常系アニメ主題歌不動の金字塔。
5.あ・え・い・う・え・お・あお!! / 劇団ひととせ
「ひなこのーと」OP。いきなりの変拍子に始まりそのあとに変拍子、オペラ?パートを経てサビに入るプログレッシブポップミュージック。このアニメED曲もやたらテクい展開するんですよね……劇団ひととせってプログレバンドなのかな……。本編のキャラ設定を活かしたオペラパートの台詞掛け合いが可愛らしい。イントロで噛んでいた早口言葉が一番の終わりできちんと言える、という演出は主人公ひなこの成長を描いたアニメ本編とのリンクが感じられて心憎い。
6.夢路らびりんす / らびりんず
「うらら迷路帖」OP。「うらうら りゃりゃりゃりゃ とてちて とんしゃん (ひー ふー みー よー いつ むー ぢゃんぢゃん)」のループが最高にキマる一曲。バウンス感が気持ち良く、永遠にループしたくなるキラーフレーズです。この曲もキャラ同士の歌と台詞の掛け合いが楽しいですね。名曲。
7.すぱそにっ♥ / すーぱーそに子
「そにあに」OP。普段はロックバンド・第一宇宙速度でGt/Voを担当されているすーぱーそに子さんのソロ曲。最近はVtuberとしても活動していました(V活動は休止)。普段のバンドサウンドとは違うエレクトロで疾走感のある萌えポップが新鮮に感じます。こういう曲だと声の可愛さが際立ちますね。余談ですが、イメージの世界(いわゆる二次元)から確固たる人格を持って語り掛けてきたそに子さんという存在、そして第一宇宙速度のデビュー曲「SUPERORBITAL」(及びシングル盤1トラック目の語り掛け)はVtuber全盛の今こそ聴き直されるべき音源であると感じます。またVの話をしてしまった。
8.PUNCH☆MIND☆HAPPINESS / Happy Clover
ぱん!ぱん!ぱんちまいん!ぱんぱんぱんぱんぱんちまいん!のリフレインが一生耳に残るこれぞ電波ソング。ラスサビ前にもこのフレーズが繰り返されまくるパートがあり完全に洗脳されます。あと、多分変なコード進行なんだろうなというすごい違和感を演出する箇所があるのですが、その辺をちゃんと語れる教養が無いのでなんか雰囲気でそんな感じだった事だけお伝えします。勉強しないと駄目だ……。ヤケクソ気味に前向きな歌詞も生きるパワーに満ちており大変良きです。
9.SUPER LOVE / こいこい7
「こいこい7」OP。すみません。アニメ本編の事を全く知りません。これも「メガロ☆メガラヴ」の連呼が耳に残るタイプの電波ソング。2005年の発売ですが、萌えアニメ声優ユニットのメンバー全員に見せ場を作る為の合理的形式である「複数人のキャラで順番にフレーズを回していく」が既にこの頃には存在していたことが分かります。多分もっと前からあると思う。誰か教えて下さい。萌え概念がオタクの武器になり始めた頃の素朴な萌えを感じる一曲。
10.メイドのココロ / 川澄綾子
メイドアニメのクラシックである「まほろまてぃっく」のまほろさんキャラソン。電波っぽくないと言えばそうなんですが、コミカルで表情豊かなトラックにまほろさんの台詞と愛らしい歌声が乗るキャラクターソングの完成形。その可愛らしさに脳をヤられる一曲なので電波ソングとの相性は問題なしと判断します。同じく川澄綾子さんの歌うOP「かえりみち」や挿入歌「まあるいお月さま」も名曲なので、比較的入手の容易な音源として「まほろまてぃっく for 川澄綾子」をオススメしておきます。
今回はここまで。電波ソングはいいぞ。そう言えばホロライブ/イノナカミュージック所属のAZKiさんが先日MOSAIC.WAV公認、本家のオケを使用した電波ソング歌枠を配信されていたので未試聴の方はぜひご覧下さい。
令和は電波ソングが来る。
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