ジェミニ杯から考察するゴールドシップの弱点 ~答えは92年の有馬にあった~

ジェミニ杯は推しのライスちゃんが活躍した天皇賞春ということで、頑張って作ったAライスちゃんを連れて、猛者の跋扈するグレードリーグへ進めました。
そこで起きた面白い話と最近証明された戦法の紹介、ジェミニ杯から見えてきたとあるウマ娘の性質と弱点に関して考察したいと思います。

その時、不思議なことが起こった

ゴールドシップは中盤からの追い上げが恐いウマ娘です。
抜錨の発動後、終盤開始時には先行と並んで走っていることもザラです。

しかし、この試合では自分含め3人のゴールドシップはペースを上げてきません。
そのまま、3人のゴールドシップたちは従来の追込みのような動きを見せ、そのまま試合は終わりました。

状況分析

お相手ゴルシはそうそうたるステータス。さすがに中盤でのスタミナ切れには見えません。

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ちなみにうちのライスちゃん。評価点は10000とちょっとのB+寄りのA。

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自分のゴールドシップが前に出すぎたため抜錨が発動しておらず、それのせいかと疑いました。
ただ、それなら自分以外のゴールドシップ(抜錨の発動はしているように見える)が上がってくるはずなので、そうとも考えられません。
1人のゴルシの抜錨が発動しなければ、他も発動しないバグ?とも考えましたが、抜錨しても上がってこないパターンがこの試合以外でいくつもありました。

ゴールドシップが上がってこない試合に共通点は何か。
何レースか確認した所確認できたのは、逃げが2人以上いるハイペースレースという事でした。

逃げ2戦法(パーマーヘリオス戦法)

以前から存在は確認されていましたが、ジェミニ杯で大分解明が進んだ作戦、それが逃げ2戦法です。

逃げが2人以上いると競合いが発生し、ハイテンポに走ります。

従来のチームレースで逃げが弱いと言われていたのは、ネームドウマ娘に逃げが少なく1人で走らないといけない、またはモブウマしかいないため競合いにならないことが原因です。
この不利を克服するために生み出されたのが、自前でライバルを用意するという逃げ2戦法となり、メジロパーマー、ダイタクヘリオスのモデル馬が有馬記念で競り合って逃げ切ったことから、パーマーヘリオス戦法と呼ばれたりしています(92年の有馬記念すごく好き)

動画でも述べられているように、ハイペースレースは追込が不利になるため、ジェミニ杯ではメタの一角として回っております。

しかし冒頭で述べたゴールドシップが中盤から順位を上げてこない理由としては若干弱いと感じました。

そして、なぜハイペースレースではゴールドシップが中盤から順位を上げないか、それはゴールドシップが一番、競合いの恩恵を大きく受けているという考察に行きつきました。

ゴールドシップの特性に対する考察

逃げで競合いが発生し、抜いた抜かれたを行っているということは、他の作戦のウマ娘たちも同様の事が起きていると言えます。
ゴールドシップは固有スキル発動後に一定間隔で速度をあげるため、常時追い抜き判定が発生し、スパート開始時には順位を差し~先行のポジションまで上げてきます。チームレースでは追い抜きに使える大量のモブウマ娘がいることも好材料でしょう。
(おそらく、常時加速状態のため相当のスタミナを消費している気がします)

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ゴールドシップは、その固有スキルゆえに
「追込の速度補正を持った先行ウマ娘 ※要 追い抜きスタミナ確保
と言えるのではないでしょうか。

他の方の育成を見ていても、本来追い込みに必要なパワーを削ったSSCCC構成でグレードリーグを勝ち進めたという方もちらほら見ます。

数々の小手先戦法をつぶしてきたウマ娘が最強の小手先使いだったとは…。


ゴールドシップの弱点

『不沈艦、抜錨ォッ!』はウマ娘で1番発動条件が緩い固有スキルです(レースが半分まで来たとき、自分の順位が半分より下で確定発動)

この固有スキルの発動自体を止めることは、よほどでなければ不可能です。
追込ならばほぼ確定で発動、そのままうまくいけばスパート開始時に先行位置まで到達。
とても扱いやすく強いウマ娘です。

でも、発動したスキルがうまくかみ合わなかったら…?
列が縦に伸びて、餌となるモブウマ娘もおらず、ゴールドシップが前に出ることを放棄したら…?

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ゴールドシップはただの、スタミナ消費が多いだけのスキル無し追込ウマ娘になってしまいます。

タイシンは『迫る影』と『Nemesis』がありますが、ゴールドシップには特に何もありません。
それどころか、パワーを疎かにした場合、もはや出遅れた先行と呼ぶべき代物です。

人数の少ないハイペース試合では、100%強さを発揮出来ない。

これが、今回ジェミニ杯で見えてきたゴールドシップの弱点じゃないかと思います。

前に相手が並んでいたらワープして前に出るが、やる気がないときは絶対に前に出ない。モデル馬のゴールドシップの走り方を固有スキル一つで表現しきるサイゲームスに、畏怖の念を感じます。


というか、前回あれだけゴルシを推して、ゴルシゲーとまで言わせみんなに育てさせ、そのあとに出してきたウマ娘が、

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賢さ逃げ型のセイウンスカイなんですけど、これ狙ってやってますよね?ピックアップもスズカだったし…。

セイウンスカイを引いて、うまく勝たせたい人が逃げ2人戦法にたどり着き、その戦法に引っかかった幾人かのゴールドシップトレーナーが涙する。うーん、悪質。

それでも勝つゴールドシップの条件

あくまでも、パワーをおざなりにしたゴルシはハイペース試合に弱いというだけです。
前回記事でも述べたように、追込みに大事になってくるのは追込み補正込みでの最大速度を生かす加速力です。
タイシンのような、従来の追込育成に倣ってパワーを多めに振っておけば、固有スキルの効果が薄くとも勝ち上がることは可能でしょう。
実際SSACC~SSSCCのゴールドシップには、スピードA程度ならいとも簡単にちぎられています。(スピードSの逃げ先行にはこれでも負けるかもしれないですが)

ただし、SSACCあたりから、すごく上手い練習配分か、課金パワー(SSR完凸1~2枚以上)に頼らざるを得ません。
SSCCCのような先行型ゴールドシップはサポカパワーが低くとも、URA因子に頼ればまだ作りやすい構成のため、低課金でも勝てる手法として確立したのだと思います。

そもそも、ゴールドシップを勝たせる必要はありません。
ゴールドシップの弱点が相手の逃げ2枚体制なのだとしたら、その逃げ+先行を捌ききれる賢さパワーをもった先行をチームに入れておけばいいのです。
ハイペースレースにはパワー賢さ型先行、そうでないならゴールドシップ、ここにメタを読んでのデバフ係をいれるetc。各ウマ娘に明確な役割を与えることで、勝率は上げられるのではないでしょうか?

終わりに

前回のタウラス杯から、ゴールドシップ最強と言われ続け、ひたすらゴールドシップを育成する人が多数見受けられました。

しかし、それは1番人気に単勝で賭け続ける行為に近いです。

なぜゴールドシップが強いと言われるのか、レースを眺め弱点を探し、それを補うスキル構成やチーム構成を工夫して、初めて彼女達で勝利を手にすることができるのだと思います。

強いウマ娘を作ったのに格下に負けたら、「垂れウマに引っかかったからに違いない」、「所詮運ゲー」と吐き捨てる前に、相手の作戦に引っかかっていないかを見極めていく必要があります。

実際の競馬もそうですが、データと同じくらい、走っている姿が大事になってきます。そういう意味で、このゲームはまだまだ奥が深いと感じました。
この記事を読んで、たまにはスキップボタンを押すのをやめて、じっくりとレースを見ようかなと思う方が増えてくだされば幸いです。

おまけ:今回のチャンピオンズミーティングで逃げ2戦法がめちゃくちゃハマった図(クリークは逃げ)

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ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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