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自主大会準優勝アルセウスギラティナVSTARの備忘録

 3月18日(土)に開催された自主大会「第11回 ばすらお杯」(38人規模)に出場させていただき、運よく(本当に運よく)準優勝することができました。第9回ばすらお杯優勝、2月に行なわれたミニばすらお杯優勝に続いての決勝進出で、自分でも本当にビックリしています。決勝は拙いプレイングであと一歩及ばずでしたが、いい勉強になりました。
 今回も、あくまでも自分のための備忘録として、構築の経緯と意図を記しておきます。

第11回ばすらお杯(38人)戦績

使用:アルセウスVSTAR/ギラティナVSTAR

予選(スイスドロー)
1.サーナイトex 先6-2勝ち
2.ロストギラティナVSTAR  先6-2勝ち
3.ミライドンexレジエレキVMAX 先4-6負け
4.こくばバドレックスVMAX  先6-0勝ち

予選7位通過

決勝トーナメント
1.ロストギラティナVSTAR  先6-2勝ち
2.ロストVバレット 先6-5勝ち
3.ロストギラティナVSTAR 先4-6負け

2位🥈

デッキ選択の経緯

 アルセウスVSTARを使いたい、というのがまずコンセプトにありました。しばらくロストツールボックス(リザードン型)を使い込んでいて、アルセウスの安定性と耐久性の高さには幾度となく苦しめられた経験があるので、逆に使ってみたいなと。また、ロストツールボックスをいつも一緒に研究している方の壁として、自分がよくアルセウス系統を使ってロスト対面を練習していたため、ある程度の経験値が見込めるという理由もありました。
 環境を見渡すと、明確にアルセウス系統を意識してメタを張ってくるデッキはさほど多くない。ルギアVSTARデッキのイシヘンジンやれんげきウーラオスVMAXなど弱点を突いてくる相手は少なからずいますが、ノコッチを置ければ少なくとも弱点込みでのアルセウス喪失は防げます。そこが強みだと考えました。

 じつは大会前日まではアルセウスジュラルドンを使うつもりで、ずっと調整を続けていました。

弱いとわかっていても冒険家の発見は抜けなかった

 明確なメタ対象は、いわずもがなルギアVSTARですね。予選で一度は当たるだろうと思っていて、パワフルかつサイド1の押しつけもできるのは脅威だと感じていました。
 ジュラルドンVMAXさえ立てばイージーな完封も狙える相手ではありますが、それでもブン回ったルギアには普通に負けるだろうと思っていました。裏に控えるジュラルドンVは特性ハードコートを持たないドラゴンタイプなので、延々と呼ばれ続けてストームダイブで盤面崩壊、2-2-2と取られるルートがあり得る。
 玄人好みのなかなかクセが強いデッキで、私の腕前では安定してくれず、サイド落ち事故があった場合にマスタードでリカバリするプランも練習してはいたものの再現性に難があり、最後の最後まで保険として冒険家の発見を抜くことができませんでした。世のテンプレ構築は最大出力を目指すためにギリギリのリソースで回している印象で、習熟していないと管理が大変。その部分を補完するために、闘エネの4枚目など、ある程度の遊びを持たせなければ不安で仕方なかったです。

(世の黄金比は鋼:闘:ダブル=6:3:4ですよね。鋼エネはジュラルドン2体に各2枚で計4枚+アルセウスに1枚+サイド落ちケア1枚=合計6枚……これはまぁわかる。しかし、闘エネはジュラルドン2体に各1枚+サイド落ちケア=合計3枚、これがわからない。ただでさえ初手エネ手貼りのストレスが大きいアルセウスデッキにおいて、手札に闘エネしかなくてアルセウスVにつけざるを得なかった場合、闘エネが1枚でもサイドに落ちていたらその時点でジュラルドンを2体立てるのは難しくなります。この博打要素を個人的には許容することができませんでした)

 練習を重ねて、これはまだ大会で使える水準にないと諦めたのが前日の夜。となると使い慣れたデッキで出るしかありません。そこで前レギュのころから使っていて、定期的に構築をアップデートしていたアルセウスギラティナを選ぶことにしました。
 やはり現環境のTier 1といえばロストギラティナだったので、それに勝てる見込みのあるデッキを使うことは大前提にありました。その点、ジュラルドンVMAXはエーフィVMAXでも立てない限りスターレクイエムを回避する手段がないのがキツいところでしたが、アルセウスギラティナならば盤面さえ整えば低い要求(ダブルターボエネルギー1枚をロスト)でロストインパクトを連打できるし、かがやくサーナイトなどで相手のロストインパクトの打点をずらすこともできる。

「おまえ(ギラティナ)を倒せるのは、俺(ギラティナ)だけだ。俺(ギラティナ)を倒せるのも、おまえ(ギラティナ)だけだ」

 この関係性。現状アルセウスと組ませるならばギラティナが最適だろうと考えました。
 アルセウスギラティナは、純正のロストギラティナと比べると、はっきり言って邪道です。対応力は低いし、ギラティナ最大の強みであるスターレクイエムの権利は端から放棄しているし、いわば「デッキであってデッキではない」。ただ、それにしては単なる運ゲーではなくて奥が深いし、そこそこ強い。面白くて変なデッキです。
 ちなみに、決勝・準決勝の卓に残ったのは自分以外にジュニア・シニアの子たち3人。いずれもロストギラティナ、ロストツールボックス、ミライドンといったTier 1級のデッキを操る猛者ばかりでした。頭の回転が切れる子どもたちに三十路を過ぎたオッさんひとりが交じる場違いな光景でしたが、どこからともなく、

「アルギラ? アルギラってTier 3でしょ?

 という声が聞こえてきたのには苦笑しました(もちろん無邪気な子どもたちの冗談ですが)。

 ……すまんな、仰るとおりオジさんは雪道ジャッジを連打するだけでここまで勝ち残ってきたんだ。予選中1回たりともキバナやチェレンを使ってこなかった。ほとんどジャッジマンしか宣言してない。実力じゃなくて運。それは認めよう。オジさんみたいな下手くそが強い子たちに太刀打ちするには、デッキ選択や構築といったメタゲームの考察を頑張って、けっきょく最後は運ゲーに持ち込むしかなかったんだよ。でもな、それもカードゲームなんだろうと、オジさんは思うよ。

デッキリスト

 当日使用したデッキがこちら。

合言葉は「雪道ジャッジは4!」

採用理由

 この構築は、元四天王のサイトウコウセイさんがシティリーグで優勝されていたリストの60枚完全コピーから始めて、少しずつ自分の手に合うようにチューニングしていったものです。

サイトウコウセイさんのシティリーグ優勝構築

 キャプチャーアロマ2枚を抜いたのが結果的には安定性を欠く要因となってしまったのですが、セレナ→ジャッジマン4枚目、キャプチャーアロマ2→ベルト2枚目と頂への雪道4枚目とすることで、雪道ジャッジの成功率を最大限に高めました。また、Vガードエネルギー2枚を草超の基本エネルギー各1枚に替えています。

セレナ→ジャッジマン4枚目

 セレナはマルチな機能を持っていて優秀なカードですが、exが増えてきたこともあり、最近どうも弱い気がしています。このデッキではサポート権を使って裏を呼んでいる暇があまり多くないうえ(その発想から、のちに血迷ってポケモンキャッチャーを試すことになるのですが……)ドローソースとしては弱いので、呼び出しの機能はボスの指令2枚に任せておいて、妨害性能の高さを評価してジャッジマンに変更しました。

キャプチャーアロマ1枚目→こだわりベルト2枚目

 ギラティナの売りといえば、やはり280ダメージの高打点。こだわりベルトをつければ、オドリドリ不在のミュウVMAXを一発で持っていける火力があります。また、アルセウスVSTARの中打点もベルトを巻くことで地味に補完することができ、レンジが広がります。いろいろなデッキとぶつけて回してみて、こだわりベルトの2枚目が欲しい場面が多い気がしました。単純に縦引きデッキなので、ピン挿しではサイド落ちしていて使いたいときに使えない(キバナで持ってこられない)可能性が高まるし、引き込める確率が当然下がるという理由もあります。

キャプチャーアロマ2枚目→頂への雪道4枚目

 最後の最後まで悩みに悩んで入れた1枠です。序盤のポケモン展開という安定性を削ってでも、個人的には入れたいカードでした。アロマを抜いても初手アルセウスVにつながる札がアルセウスV4枚、ネストボール4枚、ハイパーボール4枚の計12枚は確保されているので、許容としています。当然ボールの余りが減るので1-1採用のビーダルを立てる手段が減るのですが、そもそも雪道ジャッジの運ゲーを仕掛けにいくつもりでいたので、ビーダルなしでも気合いで回す覚悟でいました。ノコッチ、サーナイト、バケッチャでスタートしてしまった場合、相手に2-2-1-1と取られる道ができてしまう(とくにロスト対面でイージーWINを狙われてしまう)ので、ビーダルは立てれば立てたい程度。
 それよりも、ギラティナV3枚などアルセウス以外のたねポケモンを多めに採用している都合上、スターバースでいれかえ札を持ってくる局面が相対的に増えるため(そらピカスタートなら逃げゼロなので優秀なんですけどね)、2手目雪道ジャッジマンの成功率を少しでも高めることを優先しました。なるべく自分のジャッジマンで引き込めるように、雪道の4枚目。ダブルターボエネルギー4枚と理屈は同じです。
 たとえば、幸運にもアルセウススタート+基本エネ手貼りができていて、手札にジャッジマン(4枚採用)がある場合。2手目の行動としては、まずはスターバースを温存して手札のジャッジマンを使ってから4枚採用の雪道なりダブルターボエネルギーなりを引っかけて、雪道を張る前に足りないパーツをスターバースで持ってくる。ここで次の一手のためのドローサポートや、対面次第でチェレンの気くばりを持ってこられれば、なおベターです。雪道→ジャッジマンというよりジャッジマン→雪道の動きが、スターバースの恩恵で次の一手につながりやすく優秀だと感じたので、この形としました。

Vガードエネルギー2枚→基本エネルギー各1枚

 サイトウコウセイさんのデッキの強みは、そらピカ1-1のような不純物を入れずにギラティナを3-3で採用し、ロストインパクトを安定して、かつ積極的に連打していくことにあると感じました。
 ただ、いざ回してみると、HP280ラインが基準となる大型のVSTAR対面でロストインパクトに寄せた結果、サイド落ちや博士で巻き込まざるを得なかったリソースの状況いかんでは、トリニティノヴァで加速するエネルギーが微妙に足りなくなる場面が少なからずありました。Vガードエネルギーはサーチ手段がなく手貼り前提なので、2枚入れていてもなかなか安定してくれない。
 上手い人ならばそのリソース管理も含めて厳密にできるのでしょうが、こちとら、なにぶん練習不足のド素人。試合時間を25分に収めて相手の方に迷惑をかけないために、Vガードエネルギーのバリューを泣く泣く切り捨ててでも、リソースに余裕を持たせたいと考えました。
 おかげで片方のエネが足りなくなるエネ事故は滅多に起こらなくなりましたし、エネルギーの総数は変わっていないので、初手エネ手貼りのストレスも同等です。
 とはいえ、せめて1枚くらいはVガードエネルギーを挿しておいたほうが安心だろうなとは思います。

蛇足

 前述したように「序盤は雪道ジャッジマンを連打するのでボスの指令で裏を呼ぶ暇があまりない」ということから、数日後に出たトレーナーズリーグでは、お試しでポケモンキャッチャーを採用した型に組み替えてみました。ビッパ-ビーダルのラインも1枚ずつだと立ちづらかったのでビーダルに寄せ、手札を減らせるカードとしてキャッチャーを評価した格好です。

ノコッチを抜いたらインテウーラに当たりました

 結果は2勝3敗の負け越し。そんなに甘くはありません。
 あくまで実験で、使用感としては悪くないと思いましたが、コインの表裏が絡むことであり、エネルギーの総数も1枚減ってしまっているので、安定感には欠けました。それでも白熱したミラーマッチで後攻からでも勝ち筋を追えるプレイはできましたし、試合終了後、対戦相手にデッキリストを見せてくれと言われたのは単純に嬉しかったです。
 現在では元に近い形に戻しているものの、まだまだ研究の余地がたくさんある面白いデッキだと思っています。

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