自己分析(過去の行動を振り返る)

1.はじめに

     2つ前に書いた企業研究と同じくらい、就活を始めた時に言われるのが自己分析かと思います。エントリーシートの書き方についての私見を書きたかったのですが、その下ごしらえの話をまずしておこうと思います。良ければご覧下さい。自己分析については、「過去の行動を振り返る」ことと「未来の自分を想像する」ことの2つのステップに分かれると思います。今回は、過去の行動を振り返って得意なこと、性格を把握することについて話します。未来の自分を想像することはまたどこかで…。

2.自己分析とは?

    マイナビ新卒紹介サイトでは以下のように書かれていました。

就活における自己分析とは、自分の特徴や長所・短所、価値観を把握・分析することで就活での『強み』を見いだすことです。

※マイナビ新卒紹介サイト (https://shinsotsu.mynavi-agent.jp/knowhow/article/what-is-self-analysis.html)

    上記の通り、要は「自分がどんな人間なのか、何が好きなのか、面白いと思えるものは何か」を探る作業だと考えます。

3.なぜ自己分析をするの?

     自己分析を行う理由として、選考への対策が挙げられるでしょう。選考におけるエントリーシートや面接では高確率で「志望動機」「学生時代に頑張ったこと」「自己PR」「入社してしたいこと」が聞かれると思われます。

     特に「学生時代に頑張ったこと」と「自己PR」については、過去の経験に基づいて書くことになります。自己PRについても、ただ〇〇が得意です、〇〇が強みですといっただけでも説得力が無いと思われます(人事経験も無いので本当に説得力が無いように見えるかは分かりませんが、就活では「なぜそう思うのか」と問われました)。

    いわゆる就活では、これまでの自分を語る作文のようなものが求められます。その為にも過去を振り返る必要があると考えます。

    じゃあ、実際どうしていくのか次節以降書いていきます。

4.過去を思い出そう

   まずは、現在までに至る自分の歴史を思い出すことだと思います。とりあえずこれまでやってきたこと、人生の選択などどんな小さな出来事でもいいので列挙してください。少なくとも大学入学以降、出来れば中学、高校時代から、より潜在的な意識を把握したい、考察するのであれば出生から今までを振り返ってください。その際、いつの出来事かも併せて書くと良いと思います。やり方としては、ブレーンストーミングのような用法で付箋に出来事を書いていくのも良いかもしれません。また、Excelで出来事を列挙しても良いと思います。

    企業のセミナーや就活イベントの際に、時系列で書いて、併せてモチベーショングラフについても書くことを薦められるかもしれません。確かにその方が後で見た時にスッキリするかもしれません。ただ、とりあえずは、やってきたことを思い出せる限り思い出すことが重要にはなってくると考えます。時系列に並び替えも考えながら出来事を思い出したり、モチベーショングラフを書いたり、これらをするのは後回しでも良いかもしれません(時系列に並べるのはした方が綺麗に整理できると思うので、やってきたことを思い出した後に行った方が良いでしょう)。

    これまでやってきたことを列挙したあとは、それらのことをしてどうだったか感想を同じ付箋に書くか、別の付箋に書いて、出来事の書かれてある付箋に繋げていきましょう。その行動の結果は良いものだったのか、不完全燃焼だったのか、その時の感情・気持ちを思い出し素直に書いていきましょう。

    これらの作業を行い、完成したものをガクチカや自己PR、志望動機に活かしていきます。詳細はエントリーシートについて語る際に書くと思います。例えば、ガクチカについては、付箋の中に書いたことの中で1番思い入れのあるもの、これについてはめちゃくちゃ語れるものをピックアップして、その出来事を膨らまして書くのも手です(出来れば大学生時代のもので)。

5.客観的に見てみよう

     過去を思い出し、それぞれの行動についてどんな気持ちになってたのかを振り返った後は、それらを客観的な視点からみて結局、どういう立場の時、どういうことをしている時が一番いきいきとしているかあるいはどういうことするのが苦手、嫌いかを考察していきましょう。特に、職種選びや自己PRを書く際の参考になると思います。

    恐らく感想を書く際、思い入れのあること、成功失敗の大きいものについては、スラスラと思うこと、感想が出てきたと思います。まずそれらをピックアップしましょう。

     思い入れのあるもの、印象に残っている出来事をピックアップした後は、それらを自分にとって良い思い出となっているもの、その出来事自体、苦い思い出になっているが後々その思い出が良い思い出に繋がるきっかけ・布石となっているもの、苦い思い出のままになっているものに分けてみましょう。

     分けた後、良い思い出になっている出来事を中心に見て、自分の強みを導き出していきましょう。強みを探す時に参考になるのは経済産業省が出している社会人基礎力の一覧が挙げられるでしょう。また、苦手な思い出から弱み、苦手なことを探す手助けにもなると思います。この時、苦い思い出を糧に頑張って結果、良い思い出を作れたということが多かった人あるいはその思い出が人生の中で重要なものとなっている人は、もしかしたら逆境に強い、腐らず頑張れる、諦めない心を持っている人かもしれません。自己PRにも使えるかもしれないので注目しても良いかもしれません。

参考:経済産業省「社会人基礎力」(https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html)

    良い思い出となっている出来事の中で自分がどういう立場で行動したのかやどういう行動をとっていた時が一番活躍出来ていたかなど1つ1つ深く分析していきましょう。また、それらの行動がどういう能力にあたるのか、どういう性格になるのか考えていきましょう。自己PRでいうと、過去の行動と能力が合わさった時はじめて自己PRの3分の2が完成すると思います(あとの3分の1は、企業でどう活かされるのかを書く必要)。

6.この他にも

    上記では特に、性格から来る強みを探すやり方を中心に書きました。ただこの他にも、英語が得意、数学が苦手、計算は出来るけど図形が苦手など、いわゆる今までに習ってきた知識や技能についても整理する必要があります。例えば、当たり前ですが、英語が得意という人はグローバルな仕事において活躍出来る可能性があります。どのくらい出来るかにもよりますが、性格から来る強み以外にもこれまでやってきた知識なついても自己PRや企業選びの際に参考になると思います。

     それらを整理するやり方として中学における通知表を使う事が挙げられます。

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参考:文部科学省「中学校の観点別評価基準の例(別紙) 観点別学習状況 」(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/.../1351075_02.pdf)より抜粋

    特に、主要5教科がどうであるかが使えると思います。まず、各教科について自分なりに5段階なり10段階(例えば、5:めちゃくちゃ得意、自信を持って強みと言える、4:どちらかといえば得意あるいは得意でもないがそれを得意あるいは好きに昇華できそう、3:どちらでもない、特に感想なし、2:苦手だけど向き合うことはできる、1:見たくもない、嫌いというように)なりで評価していきましょう。主観で大丈夫だと思います。そして、なぜその評価にしたのか根拠を横に書いていきましょう。

    また、この教科以外にも得意なことや人には負けない分野や知識(プログラミングなどの技能や大学での専攻分野など)を備考として書いていきましょう。それらから自分は何が得意であるのか、何に直面すると嫌と思ってしまうのかを改めて見てみても良いと思います。そこから企業選びや就活の軸が決まるかもしれません。例えば、ここで微積分や関数を見るのすら嫌という方は、マーケティングリサーチャーやデータサイエンティストなど統計を使うような仕事は苦労するかもしれません(データサイエンティストを志す人は、統計や数学が好きという人がほとんどかもしれませんが)。

    さらに、知識についてのより精度の高い整理をしたい場合は、他の人に自分を観点別評価してもらっても良いかもしれません。客観的に見てもらうことでより納得できるかもしれません。

7.まとめ

    ここでは、自己分析、特に過去の行動を振り返って得意なこと、性格を導き出すやり方の例を提示しました。また、これまでにやってきた勉強の得意不得意を整理するやり方の例示もしました。ただあくまで一例なので他のやり方をしても良いと思います。

     私自身、企業の面接や面談前に自分史を書いてモチベーショングラフも併せて書くことを課題として出されていたのでそちらで自己分析しておりました( ^_^ ;)その経験からくる感想もふまえて書いております。