めだかちゃんも善吉くんも大好きだけど……

ふせったー丸写し第二弾。めだかボックスのネタバレを含みます。全巻読み終わってからの閲覧をお勧めします。


めだかちゃんも善吉くんも大好きだけど、最初は敵キャラで嫌いだった球磨川禊が最終的に大好きになったという話 

いや球磨川禊良くないですか?? 『僕は悪くない』とか超大好き。意味もなく使いたいくらい。ちなみに球磨川禊の名言で一番好きなのは、
「『思い通りにならなくても』『負けても』『勝てなくても』『馬鹿でも』『踏まれても蹴られても』『悲しくても苦しくても貧しくても』『痛くても辛くても弱くても』『正しくなくても卑しくても!』それでもへらへら笑うのが過負荷(ぼくたち)だ!!」
 ってやつ。超かっこいいし西尾維新らしい~~~~~。最後に括弧がとれる演出とかも含めてめちゃくちゃ刺さった。他にも(ちょっと長いけど)、
「あいつらに勝ちたい 格好良くなくても 強くなくても正しくなくても 美しくなくても可愛げがなてとも奇麗じゃなくても 格好良くて強くて正しくて美しくてかわいくて奇麗な連中に勝ちたい 才能に恵まれなくっても 頭が悪くても性格が悪くても おちこぼれでもはぐれものでも出来損ないでも 才能あふれる頭と性格のいい上り調子でつるんでるできた連中に勝ちたい 友達ができないままで友達ができる奴に勝ちたい 努力できないままで努力できる連中に勝ちたい 勝利できないままで勝利できる奴に勝ちたい 不幸なままで幸せな奴に勝ちたい! 嫌われ者でも! 憎まれっ子でも! やられ役でも! 主役を張れるって証明したい!!」
 っていうセリフも大好き。否定と肯定というか、プラスとマイナスを対比させて列挙するところとかあまりにも西尾維新らしくて最高。
 球磨川が生徒会に入ったのは納得いかない読者も、漫画のストーリーの要請を感じた読者も、単純に球磨川が嫌いだからもう出るなっていう読者も一定数はいたと思うけど、そこも西尾維新のキャラクターの描き方が出てると言うか、確かに球磨川は"改心"して丸くなったしいい奴になったけど、ちゃんと本質は変わってないところが本当にいい。本質が変わってないから、なんというか、"いい奴要素"を積極的に出すようになっただけと言うか、過負荷としてのプライドというかそういうものは昔からあって、球磨川の本質をめだかちゃんがいい方向に方向づけしたというのか…。上手く言えないけど(語彙力がない)そういうところが西尾維新っぽくて大好き。西尾維新はキャラクターの本質を絶対に変えないし、ストーリーの要請でキャラを簡単に変えたりしないところが西尾維新のキャラの書き方で特に好きなところ。そしてもちろんというかその上というか、各キャラかっこいいし可愛いしそれぞれの魅力があってもう最高すぎる。
 ストーリーの要請といえば、球磨川関連で一番ストーリーの要請っぽさを感じたのは、球磨川が『大嘘憑き(オールフィクション)』を捨てて『却本作り(ブックメーカー)』で、生徒会戦挙ラストの会長戦でめだかちゃんと戦ったことだと思った。『大嘘憑き(オールフィクション)』を使ってたらあのバトルはめだかちゃんでも勝てなかったんじゃないの?って。まあ勝つ可能性としてはもちろんあるんだろうけれど、球磨川はかなり適当に『大嘘憑き(オールフィクション)』を使ってたみたいだからその時点でたとえ使ってたとしても球磨川の勝利は怪しいんじゃないかと個人的には残るし、それ抜きにしてもあれは球磨川自身が勝ちも負けも『なかったこと』にせずにめだかちゃんと戦いたかったんだろうって、くじらちゃんもそう言ってるし私もそう思う。そういう、ストーリーの要請っぽい出来事にちゃんと納得のいく説明をつけてくれるところが西尾維新だよなあって。いやまあつけてくれないこともあるにはあるんだけど、人物の心情に関してはほぼ必ずそうなるべくしてなったという説明か、それを説明する解釈を助けるヒントを入れてくれる。西尾維新の中でキャラクターがひとりひとりとして、ちゃんと考えててちゃんと生きてる感じがする。
 あとは普通に私自身が、飄々としてたり悪ぶってたりするけど地味に強いとか地味に優秀とか、そういうキャラクターに魅かれがちというのも大いにある。もう球磨川がかっこよくてしょうがない。ズルいけど。めちゃくちゃズルいけど。球磨川ズルすぎシーンとしてぱっと浮かぶのは、やっぱり『完全神経衰弱(パーフェクトメランコリイ)』と『赤黒七並べ(ブラッディセブン)』の作戦だけど、果てしなくズルいはずなのに果てしなくかっこよく見えるのはなんていう呪い? まあ現実にいたら絶対嫌いだけど、西尾維新はそういう"現実にいたら絶対嫌いなのにめちゃくちゃ好き"っていうキャラクターも多いよなあっていう印象。描き方が実際以上にかっこよく見せてるところは確実にある。またこの勝ち方、同じ"ルールのあるゲーム"でも、『消失しりとり(デリートテイルトゥノーズ)』でめだかちゃんがとった作戦とは対照的だよなって思う。だからある意味では、『完全神経衰弱(パーフェクトメランコリイ)』と『赤黒七並べ(ブラッディセブン)』の球磨川は『消失しりとり(デリートテイルトゥノーズ)』のめだかちゃんの伏線になってもいたのかなとも思った。
 語りすぎた…。全然まとまってないしそしてこれでもまだ語り尽くせてない() 球磨川の沼は深すぎて底が見えねえ。でも課題があるのでここらへんで今日はおしまい。もしこの長文を全部読んでくださった酔狂な、もとい天使のようにお優しい方がいらっしゃったら、最大級の感謝を。ここまで読んでくれてありがとうございます!

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