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ifia JAPAN 2024 レポート

 はじめまして!企画部の(由)と申します。
 前回から少し期間があきましたが、引き続き企画部で参加した展示会などの記録・感想を発信していきます。拙い文章ではありますがお付き合いいただけたら幸いです。

 今回は5月22日(水)~24日(金)東京ビックサイト(南1・2・3・4ホール)にて開催されたifia JAPAN 2024についてリポートします。

会場の様子              

目指せ!New Products (十文字学園女子大学 食品開発学科)


 

十文字学園女子大学食品開発学科のブース         

 展示会の一角にカラフルな看板とキッチンカーを見つけました。十文字学園女子大学食品開発学科の学生さんが運営するブースです。

 武蔵野香料化学研究所とのコラボレーションで香料(エマルーズ®)を用いたグルテンフリーマドレーヌの試食が行われていました。
 エマルーズ®は耐熱性・徐放性・流動性に優れた油溶性乳化香料で、添加するとまるでバターをふんだんに使ったような風味が楽しめます。これにより、従来よりもバターの使用量を抑えてかつ風味の劣らない食品の開発が可能となるそうです。
 マドレーヌは3種類、①→②→③の順に試食をしました。
①    バターを従来品の50%に抑えたもの
②    バターを従来品の100%用いたもの
③    バターを従来品の50%に抑え、エマルーズ®を添加して風味を足したもの   

実際に試食したマドレーヌ(左) エマルーズ®について(右) 

 実際に試食をしてみて、エマルーズ®を添加したものと添加していないもので明らかに風味の厚さが違うことがわかりました。エマルーズ®を添加したものは添加していないものと比べて従来のバターのコクが再現されていたように感じます。
 バターの価格高騰が嘆かれる昨今、クオリティを下げずに販売価格を抑えられる希望が見えてきたように思いました。
食の未来を担う学生さんたちの将来がますます楽しみになるブースでした!

お口の健康を守るお砂糖!?(日新製糖株式会社)

CI(サイクロデキストラン)についてイラストでキャッチーに解説

 甘いものは好き!でも虫歯になるのは嫌……。
そんなジレンマを救済してくれるサイクロデキストラン(以下CI)というオリゴ糖が紹介されていました。

 CIとは、グルコースが輪のようにつながった環状オリゴ糖で「歯垢の形成を抑える」機能があります。
 この物質のすごいところが砂糖と一緒に添加してもこの効果が発揮されること。
 虫歯対策としてよく使われるキシリトールなどの甘味料は「虫歯菌が利用できない糖」。 
 そのため、砂糖と一緒に使っても、虫歯抑制の効果はありません。
 しかし、CIは「虫歯菌に糖を利用させないオリゴ糖」のため、虫歯菌が利用できる砂糖と一緒に摂ってもその効果が発揮されるそうです。

 子どもに甘いものを食べさせるのに抵抗のあるお母さん、お父さんにぴったりな新しいお砂糖のカタチですね。

お菓子にも!?パンにも!?こんにゃく粉の活用(伊那食品工業株式会社)

 

左下に写っているビーカーで実際のテクスチャーが体験できる

 家でお菓子やパンを作る時、時間がたつと硬くなったり、乾燥してパサパサになってしまう、といった経験をした人もいるかもしれません。家庭でも悩むということはお店などでお菓子・パンを製造する人たちはもっと悩んでいるのだと考えられます。
 そんな悩みを「こんにゃく」で解決する商品をブースで発見しました。
「クイックマンナン」は、こんにゃく粉を原料とした多糖類及び増粘安定・ゲル化剤です。保湿性・吸収性に優れているため添加するとふっくら・しっとりとした製品が出来上がるといいます。また、出来立てだけでなく時間がたってもパサつき、老化を抑えてくれるため製品本来の良さが長続きするそうです。
 展示ブースでは実際にゲル化した状態のクイックマンナンのテクスチャーを体験することができ、使用のイメージがより明確になりました。

 展示会を通して、科学の力で「おいしさ」を底上げさせる取り組みが沢山あるのだと実感しました。これからの「おいしさ」の進化を楽しみに、情報を集めていきたいです。
 お話を伺ったみなさま、ありがとうございました!

(取材:由)〈2024/5/24〉