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初期研修医のキャリアプラン1

 こんにちは。EZRです。今回は初期研修後の進路について、主に専門医制度を中心にまとめたいと思います。医学生、研修医の皆様の参考になれば幸いです。

 6年生の皆さん、国試お疲れ様でした。試験の重圧から開放されて、安寧の日々を過ごしているかと思います。初期研修病院も3次募集を検討している人を除けば大半がすでに決まっているのではないでしょうか。初期臨床研修では大学やレジナビなどから多くの情報が集まりましたが、専門医研修(後期研修)ではいまいち実態がわからない人も多いかと思います。

今回は、まず新専門医研修制度と専門医プログラムマッチングのおおまかな流れについてまとめていきます。私が個人的に調べた内容なので間違いがあったらご指摘いただけると嬉しいです。

新専門医制度について
これまで各学会が個別に認定していた専門医ですが、学会によって基準がばらばらだったので2018年から専門医機構が認証したプログラムで管理するようになりました。
20の基本領域があり、機構のホームページでプログラムに登録して専門医研修過程(専攻医)を開始するようになっています。

プログラム決定までの日程については

研修医2年目
3〜4月  情報収集、診療科や研修プログラム探し
5〜8月  病院見学、医局見学
10〜11月 面接
12月   専門医マッチング(1次)
1〜2月  専門医マッチング(2次、3次)

上記のような流れが一般的ではないかと思います。
大まかな流れは初期研修マッチングに近いですが、研修プログラムは1ヶ所しか登録できない、地域枠や奨学金受給者は該当する都道府県のプログラムのみ登録できる、働きながら就活する事になる、この3点には注意が必要です。


 まず最初の注意点として、プログラム登録が1か所しかできないことが挙げられます。滑り止めのプログラムを登録できないので、ダメ元で人気病院を狙うという戦略は避けた方が無難です。大学病院の医局では夏から秋には入局が決定するパターンが多く、市中病院でもマッチング登録の前に面接を行い内定がある状態で登録する場合が多い印象です。首都圏の激戦区病院や診療科を目指す場合は研修医1年目や学生のうちから情報収集して動く事をおすすめします。


 次に地域枠、奨学生の扱いに関してです。医学部地域枠出身者が違約金を払い地域診療から離脱する例が跡を絶たないので、2021年度から地域枠の研修医は原則、当該都道府県のプログラムにしか登録できなくなりました。もし違反した場合は専門医を取得できなくなるので注意が必要です。この制度に関しては様々な意見がありますが、厚労省の専門医審議についてみていると締め付けが厳しくなることはあっても緩和される事はなさそうです。

 最後に働きながら就活するという点が初期研修マッチングと大きく違います。有給や夏休みを使いながらの見学や面接になるので、病院にいる専攻医や大学の同級生や先輩を参考に動くといいと思います。 
 レジナビや転職サイトでは専攻医特集をしばしばやっていますが、掲載していない病院も多いので専攻する診療科が決まっているのであれば、各学会が載せている専門医プログラム一覧をみて探すのが一番確実です。

 次回は市中病院と大学医局のメリット・デメリット、母校以外の入局や遠方への就職のについて書いていきたいと思います。ご質問やアドバイス、苦情などありましたら是非メッセージお願いします。
ありがとうございました。