英ダービー&仏ダービー2024 有力馬解説・展望

先週日曜日、東京競馬場で東京優駿(日本ダービー)(GⅠ)が行われた。
そして、来週の水曜日には大井競馬場での東京ダービー(JpnⅠ)が控えるが、日本でダービーが行われるこの時期、海外でも同じように「ダービー」の名を冠するレースが執り行われる。

特に今週は、欧州の2つの競馬大国のダービーに世界の注目が集まる。
近代競馬発祥国・イギリスにおける「ザ・ダービー」と、欧州屈指の競馬大国・フランスにおけるダービー──「ジョッケクルブ賞」である。

グリーンチャンネルにおいても「ALL IN LINE〜世界の競馬〜」の無料放送が2日連続で予定されており、土曜日には英ダービー、日曜日には仏ダービーが生中継される
本稿では日本国内でも高い関心を集めるであろう両国のダービーについて、ここに至るまでの臨戦過程などを踏まえながら、有力馬の解説を行っていきたい。


ダービー(The Derby)

2024/6/1 16:30(日本時間24:30)発走
格付け:GⅠ
開催地:イギリス・エプソムダウンズ競馬場
条件:3歳牡牝・左回り・芝12ハロン6ヤード(約2420m)
総賞金:1,500,000ポンド(約3億円)

2023年優勝馬:Auguste Rodin (写真:ロイター)

出走予定馬・前売りオッズ

①(6)アンビエントフレンドリー(Ambiente Friendly) 7.5
 騎手:R.ハヴリン 調教師:J.ファンショー
②(11)エンシェントウィズダム(Ancient Wisdom) 6.5
 騎手:W.ビュイック 調教師:C.アップルビー
③(12)ベラムジャスタム(Bellum Justum) 17.0
 騎手:O.マーフィー 調教師:A.ボールディング
④(1)シティーオブトロイ(City of Troy) 4.5
 騎手:R.ムーア 調教師:A.オブライエン
⑤(7)ダラススター(Dallas Star) 34.0
 騎手:D.イーガン 調教師:A.マリー
⑥(15)ダンシングジェミニ(Dancing Jemini) 13.0
 騎手:D.マクモナグル 調教師:R.ティール
⑦(14)デイラマイル(Deira Mile) 23.0
 騎手:J.クローリー 調教師:O.バローズ
⑧(9)ユーフォリック(Euphoric) 26.0
 騎手:D.マクドノー 調教師:A.オブライエン
⑨(10)ゴッズウィンドウ(God's Window) 41.0
 騎手:K.シューマーク 調教師:J&T.ゴスデン
⑩(3)カンブー(Kamboo) 101.0
 騎手:R.キングスコート 調教師:R.ヒューズ
⑪(4)ロサンゼルス(Los Angeles) 5.0
 騎手:W.ローダン 調教師:A.オブライエン
⑫(8)マクダフ(Macduff) 15.0
 騎手:R.ライアン 調教師:R.ベケット
⑬(5)ミスターハンプステッド(Mr.Hampstead) 101.0
 騎手:S.レヴェイ 調教師:D.フレンチデービス
⑭(2)セイエダティーサダティー(Sayedaty Sadaty) 51.0
 騎手:T.マーカンド 調教師:A.ボールディング
⑮(13)テーブルトーク(Table Talk) 51.0
 騎手:J.ドイル 調教師:T.クローバー
⑯(16)ボヤージュ(Voyage) 17.0
 騎手:P.ドッブス 調教師:R.ハノン
※()内はゲート番
※オッズはダービーフェスティバルのスポンサーであるブックメーカー「BETFRED」のものを参照、5/31現在

有力馬解説・展望

サラブレッドによる近代競馬──その全てが、このレースから始まった。

近代競馬発祥の地・イギリスで行われるダービー。
それ即ち、近代競馬の原点にして頂点と呼ぶべきレースである。

記事のタイトルでは「英ダービー」と表記したが、見出しには敢えて「ダービー」とだけ書かせてもらった。
世界各地に「〇〇ダービー」と呼ばれるレースが数えきれないほどある中、ただ「ダービー」とだけ呼ばれるレース──その重みを、この見出しからも感じて頂ければと思う。

「英ダービー」「イギリスダービー」「エプソムダービー」などと呼ばれることもあるが、それは他のダービーと区別するための措置でしかない。
本来「ダービー」とだけ言えば、この「ザ・ダービー」のことを指すのである。

舞台はエプソムダウンズ競馬場芝1マイル4ハロン6ヤード──芝2420メートル。
変わらないし変えてはいけない、最早変えることができないほどの重い伝統と格式がここにはある。

出走できるのは3歳の牡馬、もしくは牝馬のみ。
競走馬にとっては一生に一度、選ばれた者しか出走できない、まさしく夢舞台と呼ぶに相応しいレース。
第245回ダービーのゲートは、6月1日の16時30分──日本時間24時30分に開かれる。

有力馬の解説に入る前に、まずはそのコースについて詳しく見ていこう。

エプソムダウンズ競馬場 コース図(出典:JRA-VAN World)

なぁにこれぇ

と思われる方もいるだろうが、先述の通り何百年という歴史がある。
具体的に言うと、エプソムダウンズ競馬場の創設は1661年。1779年に3歳牝馬限定戦となるオークスが創設され、翌年にはダービーが始まったとされる。

芝2420mのスタート地点は画像の右上、コースの最奥部にある。
そこからスタートして長いバックストレッチを走り、左に回ってゴールへ向かう。
ワンターンのトリッキーなコース形態と言えるだろう。

高低差は40m

スタート地点から1コーナー・2コーナーにかけて長い坂を登り、下っていきながらゴールに近づく。
しかし、ゴール前600mはもう一度登り坂になっており、この最後の登り坂が非常にキツい。
ここで脚色を鈍らせず、最後まで足を伸ばした馬こそがダービー馬というわけだ。

昨年の優勝馬、第244代のダービー馬はオーギュストロダン(Auguste Rodin)
最早、日本の競馬ファンには説明不要だろう。
エイダン・オブライエン厩舎所属で馬主はクールモア、主戦騎手はライアン・ムーア。
父ディープインパクト、母ロードデンドロン(Rhododendron)、母父ガリレオ(Galileo)。
クールモアが誇る名牝系を礎として生まれた、ディープインパクト産駒最終世代の1頭──彼のダービー勝利は、日本競馬の英雄が最後にもたらした衝撃だった。

なお、この芝2420mのコースはダービー前日のオークス、及び古馬GⅠのコロネーションカップでも使用される。
ダービーは勿論のこと、前日に行われる2つのGⅠレースにも是非ご注目頂きたいところだ。

話を戻し、今年のダービーの出走馬について見て行こう。
今年のダービーは昨年に引き続き、主役不在の混戦模様という雰囲気を筆者は感じている。

しかし、今年の英国平地競馬シーズンが本格的に始まるまでは、ダービーは一強になるのではないかと見られていた。
2000ギニーが終了するまで、各ブックメーカーによるダービーの前売りにおいて圧倒的な1番人気に推されていたのが、オーギュストロダンと同じA.オブライエン厩舎のクールモア所有馬、シティーオブトロイ(City of Troy)であった。

City of Troy (写真:Coolmore)

このシティーオブトロイについては、以前の記事「英2000ギニー&ケンタッキーダービー2024 有力馬解説・展望」でも詳しく書いているが、今一度簡単におさらいしよう。
2歳時に3戦3勝でGⅠ・デューハーストS(ニューマーケット芝1400m)を優勝し、A.オブライエン師は「私が手掛けた中で生涯最高の2歳馬」、クールモアは「我々にとってのフランケル(Frankel)」と絶賛した素質馬である。

そんなシティーオブトロイが3歳の復帰戦に選んだのは、英国三冠の一冠目──GⅠ・2000ギニーS(ニューマーケット芝1600m)。
オッズ1倍台の圧倒的1番人気を背負って出走したシティーオブトロイ。「どういう勝ち方をするか」という見方さえあった──のだが、なんとシティーオブトロイは早々に手応えが怪しくなり、あえなく馬群に呑み込まれ、9着に惨敗した

2000ギニーを制したのは、3番人気のノータブルスピーチ(Notable Speech)
ゴドルフィンが所有しチャーリー・アップルビー調教師が管理するドバウィ(Dubawi)産駒、鞍上は勿論ウィリアム・ビュイック騎手。
それまでオールウェザー戦にしか出走していなかった馬が2000ギニーを制するのは、史上稀に見る快挙だった。

シティーオブトロイはノータブルスピーチから20馬身ほど離されての入線。
しかも、管理するA.オブライエン師はレース直後、「敗因はよく分からない」という歯切れの悪いコメントを残した。
数日経って「調教が足りていなかったのではないか。結果的にはリラックスしすぎていた」という見解を示したものの、レース前には彼の状態に自信があるというコメントをしていたことも踏まえると、結局敗因については「よく分からん」というのが実際のところだと考えられる。

どっかで聞いたことある感じ、というか昨年も同じような光景を見た気がするのだが、ともあれこの2000ギニーの惨敗により、ダービーにおけるシティーオブトロイの一強態勢は崩壊した。
そして、2000ギニー勝ち馬のノータブルスピーチはダービーには向かわず、ロイヤルアスコット開催のGⅠ・セントジェームズパレスS(芝1590m)を次走とすることが発表された。

英国三冠の一冠目を制したのに二冠目には向かわないのか、と日本の競馬ファンの感覚としては思うところだろうが、イギリスにおいては珍しいことではない。
日本の三冠では一冠目の皐月賞→二冠目の日本ダービーは400mの距離延長となるが、1600mの2000ギニーから2420mのダービーに向かうとなると、実に800mもの距離延長が必要になる。
よって、2000ギニーの勝ち馬がダービーに出走せず、マイル路線を選ぶことはよくある話である。

かくして、今年のダービーには2000ギニーの勝ち馬が不在となった。
それだけではなく、2000ギニー終了後に各地で行われたダービーの主要な前哨戦を見ても、そこからダービーに向かってくる有力馬はそれほどいないという状況だ。

ダービーの有力馬出現と見られた前哨戦として、まずは5月8日、チェスター競馬場で行われたGⅢ・チェスターヴァーズS(芝2400m)が挙げられよう。
ここを圧勝したのがヒドゥンロー(Hidden Law)
ノータブルスピーチと同じく、ドバウィを父に持つゴドルフィンの所有馬だった。管理したのはC.アップルビー調教師、鞍上はW.ビュイック騎手が務めた。

「だった」「管理した」という表現に違和感を覚えた方もいるかもしれないが、誠に残念ながらこの表現が正しい。
ヒドゥンローはゴール後、コース上で重大な故障を発生し、予後不良との診断を下された。
有力馬が出現した瞬間に消滅するという、誰も予想だにしなかった悲劇だった。関係者の無念は計り知れない。

一方、5月16日にヨーク競馬場で行われたGⅡ・ダンテS(芝2050m)には、昨年のGⅠ・フューチュリティトロフィー(ドンカスター芝1600m)を優勝したエンシェントウィズダム(Ancient Wisdom)が出走。
この馬もドバウィ産駒、馬主はゴドルフィン。そして調教師はC.アップルビー、主戦騎手はW.ビュイックだ。
ダービーを見据えての復帰戦となったが、6馬身突き放されての2着に敗れた。

勝者はエコノミクス(Economics)
ウィリアム・ハガス厩舎の管理馬であり、鞍上はトム・マーカンド騎手が務めた。

2歳王者エンシェントウィズダムをぶっちぎったという着差のインパクトはさることながら、勝ちタイムなど時計的に見ても昨年のGⅠ・インターナショナルS(ヨーク芝2050m)と何ら遜色ないものだった。
このダンテSを見た瞬間、私の脳裏には「ダービージョッキー・トム・マーカンド」という単語が過ぎったものである。

かくして、エコノミクスはダービージョッキー・トム・マーカンドの誕生への期待を一身に背負った

ダンテSを勝った時点ではダービーへの予備登録がなく、追加登録を行うかが注目されたものの、管理するW.ハガス調教師は「ダービーは予定通り回避し、今年は10ハロン路線に専念する」と明言。
これを以て、トム・マーカンドをダービージョッキーにするはずだった男エコノミクスは、ダービーに出走しないことが確定した。

──と、ここまで読んで頂いた方には、私が先程「ダービーは主役不在の混戦模様」と書いた理由がもうお分かりになるのではないだろうか。
2000ギニーにおける大本命馬の惨敗、2000ギニー勝ち馬や前哨戦で現れた有力馬の悲劇や回避などを受け、今年のザ・ダービーを巡る情勢はいささか混迷していると言えるだろう。

そんな中、前売り1番人気に支持されているのは結局シティーオブトロイ(City of Troy)である。
米国三冠馬ジャスティファイ(Justify)を父に持ち、A.オブライエン厩舎で調教される本馬は、引き続きR.ムーア騎手とのコンビで一生に一度の大舞台に臨む。

しかし1番人気とはいえ、オッズは4.5倍(5/31現在)。押し出された1番人気という雰囲気があるのは否めない。
2000ギニーの大敗で人気を落としたというのは先程申し上げました通り(CV:川田将雅)であるが、この人気は前哨戦で強い勝ち方をした馬が軒並み不在ということと、管理するA.オブライエン師の超強気のコメントも関係しているのではないかと考えられる。
そのコメントは次のようなものだ。せっかくなので意訳文に加え、原文も載せておこう。

"I’m not sure we ever sent a horse to the Derby with as much ability as City of Troy."
シティーオブトロイほどの高い能力を持つ馬をダービーに出走させたことは未だかつて無い

ホンマか?
エイダン、お前は本当にそう思っているのか?
本当にガリレオやハイシャパラル(High Chaparral)、キャメロット(Camelot)、オーストラリア(Australia)、オーギュストロダンなど歴代のオブライエン厩舎の錚々たるダービー馬たちと比較してなお、同じことが本当に言えるのか?
武豊騎手と同い年だよな? まだボケてないよな?

──と小一時間ほど問い詰めたくなる、最早ツッコミ待ちじゃねーのかと疑ってしまうようなコメントだが、とにかくザ・ダービーを9回優勝している名伯楽A.オブライエンがシティーオブトロイに絶対の自信を持っていることは間違いないと言えるだろう。

昨年のダービー馬オーギュストロダンも、2000ギニーの大敗から巻き返しての優勝だった。
同厩のオーギュストロダンと同じく、2000ギニーを今年の始動戦としたシティーオブトロイ。昨年の再現なるか、非常に注目される。

そして、A.オブライエンの期待馬は彼だけではない。
今年はダービーに3頭出しを予定しているA.オブライエン厩舎だが、その中でもシティーオブトロイに次ぐ期待を背負うのが、前売りでも2番人気に支持されているロサンゼルス(Los Angeles)だ。

Los Angels (右)(写真:Coolmore)

キャメロット(Camelot)産駒のロサンゼルスは、早い段階からダービーを見据えたローテーションが組まれてきた。
2歳時はフランスGⅠのクリテリウム・ド・サンクルー(サンクルー芝2000m)を無敗のまま優勝。
3歳の始動戦としてはGⅢ・アイリッシュダービートライアルS(レパーズタウン芝2000m)を選び、これも快勝している。

この2つの重賞は、いずれも左回りの中距離戦。
3戦3勝で無敗を堅持していること、そして2000ギニーや各地の前哨戦の結果を受けて、ロサンゼルスの評判は日に日に高まっている。
5/31現在のオッズは5.0倍となっているが、当日までに更に人気を集める可能性も十分あるだろう。
多頭出しは人気薄を買え」という格言もあるが、勝つのはシティーオブトロイではなくロサンゼルスの方だという可能性も全然考えられる。

Ancient Wisdom (写真:Godolphin)

3番人気はエンシェントウィズダム(Ancient Wisdom)
先述した通り、昨年のGⅠ・フューチュリティトロフィー(ドンカスター芝1600m)の勝ち馬であり、今年のダービーに出走する唯一のゴドルフィン所有馬だ。
ゴドルフィンは去年の2歳戦の結果が好調であり、3歳に入ってからも素質馬・有力馬が次々と現れていた。
なお、そのほとんどがドバウィ産駒だったりする。やはりゴドルフィンを支えるのはドバウィ。ドバウィしか勝たん。ドバウィしか勝ちすぎてないから逆に後継が心配なんですけど。てかドバウィってディープインパクトと同い年だからもう種牡馬引退も見えてきている年齢だし、ドバウィいなくなったらゴドルフィンはどうするんですか……?

元々、ゴドルフィンは今年のダービーにジェットストリームアタックを仕掛ける予定だった

GⅢ・クラシックトライアル(サンダウンパーク芝1990m)を制し、2歳時から数えて重賞2連勝としたアラビアンクラウン(Arabian Crown)と、前哨戦を圧勝したヒドゥンロー
そしてこのエンシェントウィズダム、3頭のドバウィ産駒でダービーのタイトルを奪いに行く──はずだったのだが、アラビアンクラウンは一頓挫あってダービー回避を余儀なくされ、ヒドゥンローは先述した通りの悲しい結末を迎えてしまった。
残されたのはエンシェントウィズダムだけ。
そのエンシェントウィズダムもダンテSで突き放されており、快調だったはずのゴドルフィンのクラシック戦線にはいつの間にか暗雲が立ち込めてしまっている。

しかし、夢舞台にたどり着けなかった馬たちの分まで、このエンシェントウィズダムには期待が集まっている。
ダービー当日のエプソムダウンズ競馬場は馬場が渋る可能性が高いと考えられ、そうなればフューチュリティトロフィーを不良馬場で優勝しているエンシェントウィズダムのチャンスは小さくないと考えられる。

Ambiente Friendly (写真:Sky Sports)

4番人気のアンビエントフレンドリー(Ambiente Friendly)は、グレンイーグルス(Gleneagles)産駒。
2歳時に挑戦したGⅢ・オータムS(ニューマーケット芝1400m)は3着に敗れたが、今年の2戦目となったListed・ダービートライアルS(リングフィールド芝2320m)で4馬身半差の圧勝を収め、一気にダービーでの人気を集めることとなった。
敗戦したオータムSは重馬場だったため、馬場が渋った時にどうかという懸念は残るが、それを覆すだけの超絶プラスデータがこの馬にはある

この馬、前々トムである。

日本において、今年の桜花賞を勝ったステレンボッシュと皐月賞を勝ったジャスティンミラノは共に前々トムの馬だった。
アンビエントフレンドリーにとっては、初めてのクラシックレース挑戦。ステレンボッシュとジャスティンミラノが勝ったのはクラシックレースの第一冠。

繋がっちまったよなぁ〜!!!!!!!

と、ここまで紹介した4頭が、前売りオッズにおいて10倍を切る人気を集めている。
しかし、ダービーはたびたび大波乱の舞台となる上、今年は上位拮抗・主役不在の混戦模様という情勢。

穴馬が平然と頭まで来る可能性も十分にある、と私は思っている。

最後に、ダービーの枠番別成績を見ておくとしよう。

ダービー枠番別成績(出典:Epsom Downs Racecourse公式X)

圧倒的に成績がいい10番ゲートに入ったのは、オッズ41倍のゴッズウィンドウ(God's Window)
昨年の英国リーディングステーブルとなった、ジョン&シェイディ・ゴスデン厩舎の管理馬である。

この次に成績優秀な1番ゲートはシティーオブトロイ。5番ゲートはオッズ101倍、ブービー人気のミスターハンプステッド(Mr.Hampstead)となった。

結局A.オブライエン厩舎が大正義という結果になるのか、それとも穴馬の大激走があるのか。
第245回のダービーは、6月1日24時30分発走予定だ。


ジョッケクルブ賞(フランスダービー)(Prix Du Jockey Club)

2024/6/2 16:05(日本時間23:05)発走
格付け:GⅠ
開催地:フランス・シャンティイ競馬場
条件:3歳牡牝・右回り・芝2100m
総賞金:1,500,000ユーロ(約2億5500万円)

2023年優勝馬:Ace Impact (引用元:Jockey Club Brasileiro) 

出走予定馬・前売りオッズ

①(13)ウォーダン(Wahdan) 51.0
 騎手:J.エイケム 調教師:JC.ルジェ
②(15)ラマダン(Ramadan) 17.0
 騎手:A.ルメートル 調教師:C.ヘッド
③(10)グレシアンストーム(Grecian Storm) 26.0
 騎手:I.メンディザバル 調教師:JC.ルジェ
④(4)ファーストルック(First Look) 17.0
 騎手:A.プーシャン 調教師:A.ファーブル
⑤(6)ダラーインデックス(Dollar Index) 41.0
 騎手:A.マダムト 調教師:M.ブラスム
⑥(9)モンドマン(Mondo Man) 26.0
 騎手:W.ビュイック 調教師:P&J.ブラント
⑦(8)サンウェイ(Sunway) 9.0
 騎手:O.マーフィー 調教師:D.ムニュイジエ
⑧(3)ルックデヴェガ(Look De Vega) 9.0
 騎手:R.トーマス 調教師:C&Y.レルネール
⑨(7)アルカンター(Alcantor) 11.0
 騎手:M.バルザローナ 調教師:A.ファーブル
⑩(2)ゴーストライター(Ghostwriter) 5.0
 騎手:R.キングスコート 調教師:C.コックス
⑪(11)ディエゴヴェラスケス(Diego Velazquez) 4.5
 騎手:R.ムーア 調教師:A.オブライエン
⑫(14)アローイーグル(Allow Eagle) 21.0
 騎手:C.デムーロ 調教師:JC.ルジェ
⑬(5)ファストトラッカー(Fast Tracker) 5.5
 騎手:J.ドイル 調教師:H.パンタル
⑭(12)アットラスト(Atlast) 26.0
 騎手:S.パスキエ 調教師:C.フェルラン
⑮(1)ソシエ(Sosie) 13.0
 騎手:M.ギュイヨン 調教師:A.ファーブル
※()内はゲート番
※オッズはブックメーカー「Sky Bet」のもの、6/1現在

有力馬解説・展望

本家ダービーの翌日は、フランスのダービー。
フランス三冠の二冠目、ジョッケクルブ賞が発走する。

シャンティイ競馬場 コース図(出典:JRA-VAN World)

舞台となるのはシャンティイ競馬場。
コースは芝2100m、ワンターンの右回り。
スタート地点はホームストレッチ左側の「Y」の部分。ここからバックストレッチに向かって斜めに走っていき、坂を下りながら4コーナーへ。
上り坂となっている最後の直線は600mある。

元々はシャンティイの芝2400mで行われていたが、英ダービーとの馬の分散を避け、レースレベルを高めるために2005年から距離を短縮されて施行されている。
創設が1836年と、英ダービーには及ばないにせよ非常に長い歴史があるレースであり、この施行距離の変更は重大な決断であったが、それももう20年近く前のことになった。

そして、結論から言えば芝2100mへの距離短縮は大成功だった。

何故そう言えるのか──その答えは、直近5年間のジョッケクルブ賞優勝馬の名を見るだけでも、十分お分かり頂けるのではないだろうか。

2019年:ソットサス(Sottsass)
2020年:ミシュリフ(Mishriff)
2021年:セントマークスバシリカ(St Mark's Basilica)
2022年:ヴァデニ(Vadeni)
2023年:エースインパクト(Ace Impact)

ハイ。ヤバすぎィ!!!!!
海外競馬にはあまり詳しくないという人でも、名前は聞いたことがあるという馬ばかりなのではないだろうか。

ソットサスは今年の日本ダービーで3着となったシンエンペラーの全兄であり、古馬になった2020年にはガネー賞(パリロンシャン芝2100m)と凱旋門賞(パリロンシャン芝2400m)、フランスの中距離GⅠタイトルを2つ持って行った。

ミシュリフはジョッケクルブ賞を制した後、4歳になった2021年にはGⅠ・サウジカップ(キングアブドゥルアジーズ ダート1800m)とGⅠ・ドバイシーマクラシック(メイダン芝2410m)を連勝。
同年のGⅠ・インターナショナルS(ヨーク芝2050m)では6馬身差の圧勝劇を演じ、翌2022年にも欧米のGⅠ戦線で好走している。

A.オブライエン厩舎のセントマークスバシリカは2020年のGⅠ・デューハーストS(ニューマーケット芝1400m)、GⅠ・プール・デッセ・デ・プーラン(フランス2000ギニー)(パリロンシャン芝1600m)優勝からジョッケクルブ賞を制して、3連勝とした。
その後もGⅠ・エクリプスS(サンダウンパーク芝1990m)とGⅠ・アイリッシュチャンピオンS(レパーズタウン芝2000m)を優勝し、最終的にはGⅠ・5連勝
見事、2021年のカルティエ賞年度代表馬(欧州年度代表馬)のタイトルを獲得した。

2022年の覇者ヴァデニはジョッケクルブ賞優勝後、ミシュリフを抑えてエクリプスSを勝利。
その後もアイリッシュチャンピオンS3着、凱旋門賞2着と最高峰のGⅠで安定して好走を続けた。

そして、昨年のエースインパクトについては、記憶に新しい人も多いだろう。
ジョッケクルブ賞優勝後は凱旋門賞に目標を絞り、本番では大外をブン回しての余裕ある差し切り勝ち。
デビューから6戦6勝、無敗の凱旋門賞馬として2023年カルティエ賞年度代表馬に選ばれた。

日本には「燃え尽きダービー馬」などという失礼な言葉もあるが、ダービーで全てを出し尽くしてその後パッとしないというダービー馬は世界的にも少なくはない。
日本のみならず英ダービー、ケンタッキーダービーなどでも同じように言われることは残念ながらあるのだが、このジョッケクルブ賞に関しては優勝後も大きなGⅠを制した馬が多く、個人的にはそうしたイメージはあまり無い。

今後の欧州中距離GⅠ戦線の趨勢を占うためにも、決して見逃すことのできない超出世レース
それがこのジョッケクルブ賞なのである。

では、将来のスター候補は一体誰か──というのが問題である。
先程解説した英ダービーと同じく、こちらのジョッケクルブ賞も上位拮抗・主役不在の大混戦だというのが大方の下馬評と言えよう。

何故かというと、そもそも一冠目が大荒れした
現在のフランス三冠はプール・デッセ・デ・プーラン(フランス2000ギニー)、ジョッケクルブ賞(フランスダービー)、そしてGⅠ・パリ大賞(パリロンシャン芝2400m)で構成されており、一冠目となるプール・デッセ・デ・プーランは5月12日に行われた。

1番人気に支持されていたのはヘンリーロングフェロー(Henry Longfellow)
2歳時に3戦3勝、無敗でGⅠ・ヴィンセントオブライエンS(カラ芝1600m)を制していたA.オブライエン厩舎の管理馬。父はドバウィ、母はGⅠ・7勝馬のマインディング(Minding)という超良血馬である。
この馬が少し抜けた人気を集め、これに続く2番人気にはGⅡ・フォンテーヌブロー賞(パリロンシャン芝1600m)を制し、今回のジョッケクルブ賞にも駒を進めてきているラマダン(Ramadan)が推されていた。

しかし、レースでは人気馬が軒並み伸びあぐね、上位をオッズ2桁台の馬が独占。
優勝したメトロポリタン(Metropolitan)は、何と最低人気の馬だった。

そしてメトロポリタンは距離延長はしない選択をし、ジョッケクルブ賞には出走してきていない。
陣営はマイル路線に専念する意向である。

一冠目が大荒れした上、その勝ち馬も不在。
また、人気を集めたヘンリーロングフェローも距離延長はしない方針で、次走はロイヤルアスコットのGⅠ・セントジェームズパレスS(アスコット芝1590m)になると言われている。

前哨戦となるGⅢ・ノアイユ賞(芝2100m)とGⅢ・オカール賞(芝2200m)で重賞2連勝を飾っているカランダガン(Calandagan)が出てくれば人気を集めたと考えられるが、残念ながらこの馬はセン馬のため、クラシックの出走権が無い

かくして、ジョッケクルブ賞においても「なんも分からんズ」状態が完成してしまったわけだが、こうした状況の中で欧州の競馬ファンが1番人気に支持しているのはディエゴヴェラスケス(Diego Velazquez)である。

Diego Velazquez (左)(写真:Sporting Life)

フランケル(Frankel)を父に持ち、ブルーム(Bloome)やポイントロンズデール(Point Lonsdale)の半弟にあたる本馬は、A.オブライエン厩舎の管理馬。
このジョッケクルブ賞におけるA.オブライエン厩舎は1頭出し、鞍上は勿論R.ムーア騎手が務める。

2歳時にGⅡ・チャンピオンズジュベナイルS(ゴールデンフリースS)(レパーズタウン芝1600m)を優勝。
続くGⅠ・フューチュリティトロフィー(ドンカスター芝1600m)ではエンシェントウィズダム(Ancient Wisdom)と並び二強と目されたが、不良馬場も影響したか6着に敗戦。
3歳の復帰戦としてはプール・デッセ・デ・プーランを選び、ここでも4着に敗れたものの、走りの内容自体は悪くなかったように映る。
血統的には距離が伸びることはプラスになるだろうし、基本的には叩き良化の調整をするのがA.オブライエン厩舎である。巻き返しは当然あり得るだろう。
英ダービーのシティーオブトロイ(City of Troy)と同じく、押し出される形での1番人気という印象は否めないが、何も分からなくなった時に最後に信じられるものはA.オブライエンとR.ムーアなのかもしれない。

Ghostwriter (写真:Sporting Life)

僅差の2番人気はゴーストライター(Ghostwriter)
2000ギニー展望記事でも触れた馬だが、GⅡ・ロイヤルロッジS(ニューマーケット芝1600m)の勝ち馬である。
今期の初戦とした2000ギニー4着からの参戦となる。

血統的には父インヴィンシブルスピリット(Invincible Spirit)ということで、この種牡馬の産駒傾向は短距離・マイルに寄っているという印象ではあるが、2007年には代表産駒の1頭ローマン(Lawman)がジョッケクルブ賞を優勝している。
ゴーストライターの場合は母父シャンゼリゼ(Champ Elysees)で、こちらは中〜長距離で結果を出しているスタミナ寄りの種牡馬。距離延長してのジョッケクルブ賞参戦という選択も頷けるところがあるだろう。

Fast Tracker (写真:Coolmore)

3番人気のファストトラッカー(Fast Tracker)は今年2月のデビューとなったが、未勝利戦から3戦3勝。
無敗のままジョッケクルブ賞まで駒を進めてきた。

前走はシャンティイ競馬場のListed・シュレーヌ賞(芝2000m)で、7馬身差の圧勝
このシュレーヌ賞は出世レースであり、過去にはソットサス、エースインパクトなどがこのレースをステップとしてジョッケクルブ賞を優勝している。

このパフォーマンスは関係者にも衝撃を与えたようで、シュレーヌ賞の後にカタールの馬主組織・ワスナンレーシングがこの馬を購入
本番では今年からワスナンレーシングの主戦騎手となったジェームズ・ドイル騎手が騎乗し、水色に腕が金色の勝負服で挑むこととなる。

この前に紹介したディエゴヴェラスケスはアイルランド調教馬、ゴーストライターは英国調教馬だったが、このファストトラッカーはフランス調教馬。
ジョッケクルブ賞がフランスのダービーである以上、ここは意地を見せたいところだろう。

この他、4番人気タイとなっているのがルックデヴェガ(Look De Vega)サンウェイ(Sunway)

ルックデヴェガはその名の通りロペデヴェガ(Rope De Vega)産駒、2戦2勝でこちらも無敗馬である。
前走はパリロンシャン芝2000mの条件戦クロワッシー賞となっており、ここを3馬身半差で優勝しての参戦。
この時は不良馬場だったということで、馬場が渋る時は軽視禁物となるだろう。

オイシン・マーフィーが騎乗するサンウェイは、GⅠ・ジャンリュックラガルデール賞(パリロンシャン芝1400m)とGⅠ・チャンピオンS(アスコット芝1990m)を優勝したシリウェイ(Sealiway)の全弟。
2歳時にGⅠ・クリテリウムアンテルナシオナル(サンクルー芝1600m)を優勝したが、3歳に入ってからはGⅢ・ラフォルス賞(パリロンシャン芝1800m)5着、GⅢ・グレフュール賞(サンクルー芝2100m)2着。
2歳GⅠ馬としては若干物足りない成績ではあるが、着実に上向いている印象で、ジョッケクルブ賞2着に敗れた兄シリウェイの雪辱を晴らしたいところだ。

と、ここまで書いた5頭がオッズ10倍を切る人気になっている。
しかし最早言うまでもないが、これだけの大混戦ならば何が起こっても不思議はない。

私が注目しているのはソシエ(Sosie)である。
父シーザスターズ(Sea The Stars)、母父シャマルダル(Shamardal)の本馬はフランスの大馬主ヴェルテメール兄弟の所有馬であり、名門アンドレ・ファーブル厩舎の管理馬。

そして、この馬に騎乗するジョッキーはマキシム・ギュイヨンだ。

ファクトゥールシュヴァル(Facteur Cheval)とのコンビでナミュールを完封し、GⅠ・ドバイターフ(メイダン芝1800m)を優勝した彼の勇姿は、日本の競馬ファンにとっても記憶に新しいことだろう。
現在フランスのリーディング争いを独走中、フランス牝馬三冠の一冠目であるGⅠ・プール・デッセ・デ・プーリッシュ(フランス1000ギニー)(パリロンシャン芝1600m)を12番人気のルーヒヤ(Rouhiya)で優勝し、共にフランス二冠を達成したロペデヴェガ(Rope De Vega)の子と共にクラシックレースを制したフランスが誇るスーパーウルトラアルティメットジーニアスパーフェクトファンタスティックジョッキーである。

Sosie and Maxime Guyon (写真:JDG)

ソシエは昨年9月にデビューし、2歳時は2戦1勝。
2戦目のListed・アイソノミー賞(シャンティイ芝1800m)では勝ち馬に5馬身離されての2着となったが、3歳の復帰戦となった条件戦のフェリエール賞(パリロンシャン芝2200m)は完勝と言える内容であった。
ここまで連対率100%、ジョッケクルブ賞を見据えてか長めの距離を使ってきている。

ヴェルテメール兄弟と優先騎乗契約を結んでいるマキシムだが、今回のジョッケクルブ賞にヴェルテメール兄弟はアットラスト(Atlast)とソシエの2頭を出走させている。
マキシムにはどちらに乗るか選ぶ権利があったはずだが、今回マキシムはソシエを選んだ。こちらの方が勝機があるのだとマキシムは思っているはずだ。

実績的に中穴人気に落ち着くのは当然だ。
この舞台で重賞すら経験していない馬を買うのは難しい。私がもし馬券を買うとしても、ソシエは紐までになるだろう。

しかし、もう一度言おう。
ソシエの手綱を取るのはマキシム・ギュイヨンである。

12番人気の馬でクラシックを勝ったのがマキシムだ。
マキシムが乗る限りチャンスがある。何故ならマキシムだからだ。ロペデヴェガ以来のジョッケクルブ賞2勝目を目指すマキシム。頑張れマキシム。
そして、どうか皆々様にはマキシムを信じてほしい。

マキシムの! マキシムの!! マキシムの馬券を買え〜!!!

放送・配信情報

一番最初にも申し上げたが、英ダービーもジョッケクルブ賞もグリーンチャンネルにて無料中継放送がある。
時間こそ深夜だが、日本の競馬ファンにとっても見やすいレースとなっているので、是非ご注目頂きたい。
そして、この解説記事がレースに対する理解を深める一助となってくれたならば、嬉しく思う。

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《画像引用元》
JRA-VAN World・コース解説「エプソム競馬場」(https://world.jra-van.jp/course/gb/epsom/)
Coolmore「City of Troy Dominates G1 Dewhurst」(https://coolmore.com/farms/australia/news/city-of-troy-dominaes-g1-dewhurst)
Coolmore「Exciting Prospect Emerges For Camelot」(https://coolmore.com/farms/ireland/news/exciting-prospect-emerges-for-camelot)
Godolphin「Ancient Wisdom」(https://www.godolphin.com/horses/ancient-wisdom-fr)
Epsom Downs Racecourse公式X(https://twitter.com/EpsomRacecourse/status/1796118004448604506?t=k91URHNKP1oOICSUMbom6A&s=19)

Jockey Club Brasileiro「Domingo (01) com Prix de l’Arc de Triomphe na tela da Tv Turfe」(https://jcb.com.br/home/noticias/407093/domingo-01-de-prix-de-larc-de-triomphe-na-tela-da-tv-turfe/)
JRA-VAN World・コース解説「シャンティイ競馬場」(https://world.jra-van.jp/course/fr/chantilly/)
Sporting Life「Diego Velazquez v Ancient Wisdom: Who should be favourite?」(https://www.sportinglife.com/racing/news/diego-velazquez-v-ancient-wisdom-who-should-be-favourite/213199)
Sporting Life「Ghostwriter gallop sparking Cox’s Classic dream」(https://www.sportinglife.com/racing/news/ghostwriter-gallop-sparking-coxs-classic-dream/217420)
Coolmore公式X(https://twitter.com/coolmorestud/status/1786380376945893594?t=WNBTkCRrl9PDwRiEYpsqTw&s=19)
jourdegalop「Sosie, c’est la classe !」(https://www.jourdegalop.com/2024/04/sosie-cest-la-classe/)

グリーンチャンネルOfficial公式X(https://twitter.com/GreenChannel234/status/1796059433996370358?t=5u8Nl2Ykv7R-nVGnV-_0Cg&s=19)

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