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リーダーの発達段階

実ほど 首を垂れる 稲穂かな

若いころは尖っていても、組織で幹部層に昇進した後には、周囲に気を配りながら謙虚な構えをとる人が多い。特に日本では組織の円滑化のためには関係者への配慮がとても重要なので、この言葉が戒めのように用いられる。松下幸之助が好んだ言葉としても知られている。

一方で、いったん組織の最上位に上がり支配体制を盤石にすると、それまでの長者的な振る舞いが嘘のように、旧秩序をすべて破壊せんと強権を振りかざす人も出てくる。
「善政に浴していれば、民衆は自由を欲しない」(マキャベリ)という言葉を部分的に解釈し、善政よりも人々の自由を奪うことにまい進する。やがて人々は考える力・自ら行動する力を奪われ、上位者の命令に唯々諾々と従うだけになる。看守と囚人の関係性にも似てくる。

が、「民衆は無知ではあるが、真実を見抜く力はある」と説いたのもマキャベリである。人々の不安がたまれば不満になり、やがて不信へと変わる。臨界点を超えると刷新の機運が起こり、新たな政権への変換が求められる。

実った稲穂は、最後は刈り取られる。それでいい。組織変革とはすなわち世代交代である。


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