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先日、ある後輩の先生から開業の話を聞いて驚いた事があります。
今時、丸ごとパック、いわゆる決まったコース料理が次々と出てくる
コース開業
があるんだ❗️と。
そこで、今回は、コース開業、アラカルト開業についてお伝えしていきます。

1. コース開業

勤務医時代、出入りのディーラーの担当者に、そろそろ開業考えようかな?と相談します。
すると、大体、その医院で使われれているメーカーの方に話がいきます。

「先生、精一杯頑張りますので、ウチに任せて下さい!」
他と比較する余裕がないので、お任せパターンに。
すると、すべて、そのメーカーの製品で開業パックが用意されます。

その上、そのメーカー御用達の設計士や建築メーカーも次々と現れます。
そう、任せた瞬間に、選択の余地がないです。
歯科関係の機器は、ご本人が気に入っていれば、それはそれで良いと思います。

ただ歯科医院は独特なので、専門の設計士や建築メーカーに依頼した方が良いですよ?なんて言われたら、ちょっと疑って良いと思います。
きちんとポイントを抑えれば、地場の建設会社や工務店で十分対応出来ます。
建築の世界は驚くほど利幅が広く、ちなみに僕が5年前に移転開業した際、入札にしたら、建築費用が約2,000万違いました。

また、ある一社のメーカーで開業してしまうと、ずっとそのメーカーと添い遂げる事になります。
他社メーカーで良い製品が出ても、選択の余地がほとんどありません。

コース開業は、確かに表に出ている定価で考えると安くで開業出来るかもしれませんが、建築等まで含まれると、キックバックなどの悪しき習慣が残っている場合もありますので、要注意です。
色々悩むのが面倒、歯科機器にこだわりがあまりない、軍資金が沢山ある先生には向いています。

2. アラカルト開業

僕のように、1つ1つにこだわりがある先生向きです。
ユニット、レントゲン、レセコン、全て違うメーカーです。
他の細々とした製品もそう。
当然、短期的なお金の事を考えるとコース割がないので、高く感じるかもしれません。
しかし、道具は、それぞれに特徴があると思うので、こだわりの診療をしたい先生は、こちらの方が合っていると僕は思います。

また各メーカーから常に情報が入るので、変化を求める先生にも向いています。風の時代と言われるこれからは、特にそうと思います。

3. 実際、高崎は2回どのように開業したのか?

僕は、2回ともアラカルト開業でした。
1回目は、開業コンサルと提携する某ディーラーの方に依頼。お金がなくても開業する方法を示唆して下さり、現在の生月島での開業が出来ました。
開業コンサルの方がいなかったら、僕は生月にいなかったでしょう。本当に感謝です。ただ、僕が開業した後、癌が見つかり帰らぬ人となりました。これから活躍される人だったので、本当に惜しい人をなくしました。

2回目は、fruta.consultingの建設コンサルの古田社長に依頼して、全て進めました。銀行交渉、土地交渉、建設交渉(入札なども)、歯科医療機器交渉などに関わって頂きました。

古田社長は、某大手ゼネコンで営業、設計、現場と全ての部署を経験されてから独立された方で、建設の表から裏を全て知っている方です。コンサルフィーは、建設会社が盛り込んでいる営業費として見積もっている部分から支払う仕組みです。

僕の場合、前述したように入札時に約2,000万の差額があって、トータルで大幅に移転費用を抑えて開業が出来ました。また銀行からプロパー融資も引き出して頂き、現在の盤石な経営基盤の基礎が作れました。
古田社長なしに今の医院はないです。本当に感謝です。

4. まとめ

歯科の細々した製品にこだわりがあまりない先生は、コース開業
逆にこだわりがある先生は、アラカルト開業
がお勧めです。
開業時の借入金の額、利率、返済期間で、その後の経営に大きく関係してくるので、慎重に選択されて下さい。

写真:生月島の朝日です。何度みても飽きないです。


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