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英検二次試験の心構え ー13/1000ー

英検は日本で最も有名な英語試験のひとつで1級~5級まであります。1級が最も難しく、合格率はおよそ10%と言われています。内容はリーディング、リスニング、ライティングの一次試験に加えて面接形式であるスピーキングの二次試験が課されるため、合格のためには英語での会話表現も覚えておかなければなりません。

去年の6月、英検準1級の一次試験に合格した私は、受験票を片手に二次試験の会場に行きました。そのときは既にコロナが騒がれていた時期で、会場は消毒、マスクの着用、密をさけるための工夫がしっかりと徹底されていました。その会場では同時刻に他の級の試験も行わていたため、小さな小学生から退職していると見受けられる方までいました。

受験票を確認し、準1級の待ち合い室となる教室の席に着くと、近くに進学校があるのもあってか周りには学生服をきた高校生が半分程度を占めていました。他には大学生を見られる私服の20代が次いで多く、それ以外の世代の方も何人か受験しに来ている様子でした。学制服を着たほとんどの受験生は自分の番になるまで学校で配布されたものであるのか、英検二次対策の参考書を自分の番がくるときまで読んでいました。少し気になって横からそっと見ると、本の外には色とりどりの付箋がはみ出しているのが見え、中の文字はマーカーでしっかりとチェックされた跡がありました。それまでにオンライン英会話や留学でネイティブと英語を話す機会は多くありましたが、英検の面接のための練習をほとんどしてこなかった私はとても焦りを感じました。さらに私は面接用の参考の存在すら知らず、英検の過去問についているスピーキングの過去問だけで乗り切ろうとしていたので不安が一気に押し寄せてきました。英会話や普通の会話のように間違った表現を使ってもニュアンスや前後の文脈から言いたいことを理解してくれるのとは違い面接は正しい英語で自分の意見を伝えることが必要になるので、それを意識すればするほど思自分の考が固まっていくのがわかりました。

自分の順番になると試験の監督者から面接官のいる部屋の前まで移動するように案内がありました。面接会場は同じフロアでおよそ8部屋あり、指示を受けた人は各部屋の前で列をつくって自分の番が来るそのときを待つことになります。面接官のいる部屋に入るときはまず扉をノックした後、入室してするときの常套句であるMay I come in ?という表現を使います。ちょうど日本語で言う「(入室前の)失礼します」に当たる語です。部屋と部屋の距離はそんなに離れておらず、ちらっと眼を横に向けると他の面接の部屋が見えるくらいの距離でした。しかがって誰かの面接の順番がくるたびに扉をノックする音と、May I come in ?という声が聞こえていました。受験生のほとんどは言い慣れてせいか教科書英語のような形式ばった口調になっていて試験のためにセリフを練習してきたのだという印象を受けました。

対する私は1年間のオーストラリア留学経験もあってか、かなり楽観的な考え方をしていて、「面接官との対話を楽しむ」そんな気持ちで試験に臨んでいました。試験にはアティチュード点(面接の受験態度)も加味されることを知っていたので、試験官に好印象を持たれるように常に相手の目を見て、大きな声でハキハキと話すことを心がけていました。担当してくれた面接官はネイティブの女性で一言話すたびに軽くうなずいてくれて割とリラックスして話せるように配慮してくれました。ただし面接の練習不足もあってか試験官の質問に対して聞き取れないところがあり、「Could you repeat it again, please?」などと丁寧に聞き返すべきところを会話の流れが止まるくらいの間が空いた後に「Pardon me?」と言ってしまったり、2分間で4コマイラストの内容を説明するパートでは予定よりも若干早く説明が終わってしまったので多少減点されたように感じました。帰り際に Thank you といった後に笑顔を返してくれたので救われた気持ちはありましたが、合格の基準が分からず、個人的に内容も決して満足のいくものではなかったため結果を見るまで不安な気持ちが消えることはありませんでした。あとになってWebで合格結果を閲覧するとそこには合格の2文字が記載されていましたが、成績はGP1 +2という予想通り余裕のない結果での合格となっていました。正直なところ、受験前は余裕だろうと思って対策をしてきませんでしたが受験した後になってみると合格しているかどうか不安にしてしまって、こんな思いをするくらいなら安心して結果を待っていられるほどのしっかりとした準備をしておけばよかったと感じました。

一般に準1級の二次試験の合格率は約85%程度と言われていますが、外国人との会話経験が少しあると言っても自分の意見を正確に適切な言葉を使って話せるとは限らないので二次試験の試験対策はしっかりと行ったほうが良いと思います。そうでなけば私のように試験会場に行って急激に焦りだすということや合格発表のときまで必要以上に不安なときを過ごすことになるかもしれません。

それではまた明日!

今日の一言:
入室のときの May I come in ? という言葉には思い入れがあるので明日はそのことについて書こうと思います。あと「準」ってわざわざ書かないといけないのが嫌だ。

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