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曲で好きになるアイドル~アイドル楽曲と生成AIと記名性について

"楽曲派"について

楽曲派を自称している自分。
いにしえのヲタクと会話していると"楽曲派"という言葉の解釈について嚙み合わないことがある。

こいつ自分がもう冷めてるからって今のアイドルシーン全体を小馬鹿にしてるよな、イノ泣きジジイ(「猪木が泣いてるぞ」と言いながら現行のプロレスを下げ、70~80年代のプロレスをヨイショするアホの老害)かて
言葉の意味なんて常に変化し続けるだろ、MCバトルで「役不足」の誤用してるラッパー何人いんだよ

R-指定「おい お前じゃ役不足 しっかりと この場で核爆弾 Bomb Drop
お前は所詮 三流っしょ 俺が主演で 助演男優賞」

フリースタイルダンジョン 東西!口迫歌合戦 R-指定 vs DOTAMA (2016/12/31)

昨今のアイドル楽曲のトレンドに対する思い

筆者はガチのマジで曲が好きで女性アイドルグループを好きになるタイプのヲタクなのですが、
先日のアイドル楽曲大賞2024結果発表イベントでのライター・岡島紳士氏の自己肯定感爆上げソングに対する発言には首を縦に振らざるを得ない(本人のツイートがないから本当に言ったのかは知らない)。

まあ「何を他責にしてんねん、新しい流行を作り出すのもライターの仕事だろ」とも思いますけども。もっとdigれ。それを発信しろ。

なぜアイドル楽曲は"量産"されるのか

閑話休題。
そういう歌詞の曲が流行る根本の理由は【自己肯定感爆上げソング 理由】とかで適当にググってもらうとして、各グループなぜこぞって追従しちゃうのか。
実際、自分が芸能事務所の平社員で、上司に「女の子数人用意したからこいつらを手っ取り早く流行らせて売上作れ」って言われた場合に、自分がやりたい音楽より商業的に成功が見える方を優先しちゃう気持ちも分かるんですよ。
社内のプレゼンとか通さないといけないわけですし。
TikTokで何千万回再生している<任意のアイドルグループ>の<任意の楽曲>を手掛けた<任意の作詞家・作曲家>に発注します!ってなっちゃうと思うんですよね。
うん、ヤマ○トシ○ウに「わ○かわみたいな曲お願いします。」、玉屋2○6○%に「でん○んぱ○しょんみたいな曲お願いします。」って言いにいっちゃうと思う。

で、これって割とアイドルグループだから成り立ってる話だと思っていて。
バンドもシンガーソングライターもトラックメイカーも、他者の楽曲にない部分(=オリジナリティ)があって初めて評価されてると思うんです。なんならバンドAの新曲が流行りのバンドBのあの曲に似てる!って叩かれることだってある。だから、先輩ミュージシャンからの影響はあれど、それとは違うものを頑張って作ろうとする。

なぜアイドルの楽曲はパクリでも良しとされがちなのか?
それはズバリ、アイドルには「音楽を作って発表する」以外の役割・魅力があるから。
アイドルは総合芸術。楽曲、ダンス、ビジュアル、メンバーの人となり、はたまた現場のヲタクとの相性。その尺度や優先度は人それぞれで、「ビジュは刺さらないけど曲がいいから好き」もあれば「ヲタクと仲良いからなんとなく現場行ってる」もあるし。まさに「かわいいだけじゃダメですか?」という価値観もあるでしょう。
対してミュージシャンはあくまでmusic-ianですから、顔がカッコイイバンドマンだとしても、あくまで作った曲が評価の対象なわけですよね。

アイドル楽曲と生成AIの相性が良さそうな件

話は変わって、生成AIの是非って時折SNSで話題になるじゃないですか。
特にイラスト界隈の人が否定的な印象。
音楽だとどうなのか。

(14:45〜)
「音楽もAIに浸食されていくか?」という質問に筆者の敬愛するBase Ball Bear・小出祐介氏が答えている動画。
要約すると以下の通り。
・ミュージシャンの楽曲にあってAIの楽曲にないものは記名性
・誰がそれを歌っているか、演奏しているかが大事。

一方で、先ほど述べたようにアイドルにとって楽曲単体の良し悪しはあくまで一つの評価軸でしかないわけで。
多くのアイドルグループにおいて楽曲というのは"とりあえず他と似たような曲でも、何でもいいからあれば良い"存在なわけですよ。
当人と同じくらい可愛い人が歌う「かわいいだけじゃダメですか?」でもきっと売れていたことでしょう。
ということはですよ?いっそ生成AIでも使っちまえば・・・もっと早く安く、そこそこの曲をこさえることが可能だなと。
この先もっと技術が進化して、「ヤ○モト○ョウAI」がAI製だとバレないクオリティで曲を生成できた時、港区系アイドルグループ運営はすぐにこのAIを経費で購入する。絶対に。
そうなったら職業作家ってマジで終わるんじゃないですかね。

アイドル楽曲にも記名性を求めたくなる

長々と講釈を垂れて何を伝えたかったかというと、アイドルの楽曲にも記名性があって良いんじゃないかという話です。
例えば、
子供時代は容姿を理由にいじめられていたが、整形し、一転クラスの人気者となった。高校卒業後アイドルとしてデビューし、これらの経験を公表。そんな彼女が歌う「かわいいだけじゃダメですか?」だったら歌ってる方にも聴いてる方にも感情が入ってめちゃくちゃノれません?
まさに「この人が歌ってるから良い」というか。
うわ、今書いててこの曲のことを思い出した。

これは自己紹介ソングの歌詞なので極端で分かりやすい例ですけど、これからの時代アイドルの楽曲には「そのグループで歌う意味がある」もしくは「そのグループでしか聴けない音楽性がある」ことが求められるんではないかと思います。
筆者は「○○みたいな曲やってるグループ、他に知らないな」と思うグループを好きになるし、そういうグループのライブには行き続けてますね。
disってるみたくなってる例の作家の曲も、静岡のグループに卸してるそれは本人の作家性や意思みたいなものが色濃く出ていて、かつメンバー本人たちのキャラにも合っていて好き。

おわり

2025年は「アイドルでこれやってるところ他にいないなー」「この人が歌うこの歌詞が良いなー」をいっぱい見つけたいです。


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