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「示唆に富む」チームであること


水戸ホーリーホックでGMをしている西村です。

昨日の試合で2022シーズンの半分が終了した。
8勝4分9敗 勝ち点28 11位
特に苦しいシーズン序盤戦だったが、
ここに来て目の前に広がる景色が少しずつではあるが変わりつつある。
とはいえ、2022年シーズンはこれまで自分が
経験してきた中でも最も混沌としたシーズンだ。
一歩間違えればあっという間に降格圏が近づいてくるし、連勝をすれば希望を実感することが
できる。

昨日の試合は色々なことを含めて特別だった。
つまり、試合というものは「意味」を持つのだ。
これが、今回の結論である。

このサッカーというスポーツは、
たんに勝った、負けた、点が入った、
入らなかったというだけのものでない。
サッカーという競技は22人の選手がピッチ上で、ルールの中で得点を競い合い、勝敗を決めるものだが、その22人には、本当に多くの様々な方々が様々な形で関わり、連なり合っている。
交代する者。22人を決める者。この競技の支援をする者。応援をする者。そこを目指す者。
その組織を支える者。
選手の近くで寄り添い続ける者。
そして、この街に住む者。
まさに様々な、本当に、
たくさんの、たくさんの方々の
想いの結晶を背負って戦い、毎度のごとく勝敗という結果が表れる。

「This is my town story」

この言葉は引退後、自分がサッカークラブの運営に関わり始めた頃に、ある支援をする方から
頂いたお言葉である。
この言葉は自分の胸に今でも深く刺さり続けている。

昨日の試合のあとは何とも言えない安堵感と、
少しばかりの高揚感を味わっていたが、
その中で、
「そうか、、、そうだよな…。」
と思う事があった。
チーム作りの責任者として、
まさしく
「強いチーム」
を作ることは自分の責務である。
それはいつも考えている。
しかしながらそれと共に考えていくべきことは、
「示唆に富む」
チームを作るということ。

※示唆に富む
暗に教えられることや、気付くことが多いこと

想い入れを持って見ている方々が
「日常」や、「本質」や、「己」を
重ね合わせて、何かを感じてもらうこと。
そんな風に思ってもらえるような
チームを作りを、
選手集めを、
スタッフ集めを、
していくことが、大事なんだと!

毎週末、この街の物語の結末を意味づけるのは
様々な方々の思いの結晶を背負って戦う
選手達が行う試合の結果である。
(そしてのその結果はプロセスの結集である。)

昨日の梅田のゴールは言ってみれば
相手のミスをついて、角度のないところから
打って、決まったゴールである。
でもなぜ、そのゴールは水戸ホーリーホックを
想う方々の心を揺さぶったのか…。
あのゴールは、
あの梅田の活躍は、
今季の水戸ホーリーホックを見てきた者達から
すると
「示唆に富む」
ものだったということではないだろうか?

「人生は時として、つらいし、厳しい、苦しい」

でも、逃げずに、真摯に、向き合っていくと
こんな事も起こるんだということを教えてくれた象徴的なゴールだったのではなかろうか。

梅田魁人は先週の水戸の街の物語の中で、
メインキャストとなった。
人生の中では、
時として、スイスイ、トントン、
軽やかに、進めることもあるだろうが、
時としては、重い身体に、鞭を打ち、
這うように、半歩ずつしか、進めない事もある。

選手も同じ人間で、皆さんとそうそう変わらない悩みを日々、抱え、もがき、苦しんでいるという事。先日の梅田のインタビューを見てくれた方は
何かを感じてくれたと思う。

昨日のゴールは多くの方々が
彼の物語に共感をしてもらえた
出来事だったということではないのだろうか。

おじいちゃんが昔、言っていた。
「人生に駄作はない。人生は傑作だと」

一人一人の人生に、出来事に、物語がある。
またその物語は時として、人を勇気づけ、元気にし、エネルギーを生む。
つまり、一人一人の物語には価値があるのだ。

「 story  value 」

多くの方々からその部分に共感してもらえるような組織作り、チーム作りをしていきたいと
改めて強く思いました。

さて…、
今週末の物語のメインキャストはいかに…。

週末を楽しみにしてもらえたらと思います!

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