1日10分!ITマスター塾 #19: Wordが使いづらいという人のための話
契約書、レポート、議事録、マニュアル、プレスリリース…我々のお仕事には文書を作るというタスクがたくさんあります。
では、文書を作成するとき、どのアプリケーションを使ってますか?
Wordがなんか使いづらいから…という理由で、避けていること多いのではないでしょうか。
代わりに、セルの大きさで自由に配置ができるExcel、ペタペタ貼り付けられるPowerPointを使ってしまっている…みたいなこともよく見かけます。
しかし、「Wordが使いづらい」のはアプリケーションの質や設計が悪いのではなくて、「文書」をコンピューターがどう扱っているか、あなたが知らない&理解できていないから使いづらいという可能性があると思うのです。
たとえば、人が文書を読むとき、その文書の構造をどう理解しているか。
句点までがひとつの「文」、一文字字下げ改行されるまでのひとかたまりが「段落」、文章の一定の塊の前にあるフォントが大きめの部分が「見出し」。
文、段落、見出しという文書の構成要素は言葉で説明するとこんな感じです。
しかし、我々が文書を読むとき、いちいちそんなことは意識していなくて、ぱっと見で、直感的にここまでが段落だ、こいつが見出しだと判断しています。
場合によっては「段落」とか「見出し」とかという言葉すら知らなくても文書を読めます。
しかし、コンピューターはそうはいきません。
ここからここまでが段落である、ここからここまでが見出しである、といった情報を明確に解釈して保持しています。
たとえば、WebページはHTMLという言語で書かれていますが、見出しはhタグ、段落はpタグというタグで囲まれた範囲として記述されています。
WordでもGoogleドキュメントでも、ここからここまでが段落である、これは見出しである、そういった取り扱いになっています。
その中で、とくに人とコンピューターとで認識がずれているのが「段落」。
文書は、文書の中に本文があって、本文の中にいくつかの段落があって、段落は文字の並びで表現されているという、入れ子構造になっています。
Wordでも、Goodleドキュメントでも、Webページでも、文章の本文は段落ごとに管理されています。
しかし、Wordなどで文書を作成するとき、多くの人は段落という単位を意識していませんので、文字単位でものごとを成し遂げようとする。
たとえば、ある段落を見出しにしたいというときには、そのときに範囲の文字列を選択して、フォントの大きさを変えたり、太字にしたりという操作をしようとする。
でも、その作業は本来はるかにラクに達成できます。
Wordは段落という単位を認識しているので、「この段落を見出しの書式設定にせよ」というひとつの操作で済むのです。
このとき、見出し用の書式設定はあらかじめプリセットされていて、それを「スタイル」といいます。
Wordでいえば、スタイルは見出し、本文以外にも、用意されている、もしくはオリジナルで用意できます。
さらに、スタイルを適用した後、スタイルの設定を変更すれば、すでにスタイルを適用した部分にその変更も適用されます。
このようにコンピューターは「段落」という単位を大事にしているということさえわかれば、文書作成のプロセスが大きく変わってきます。
文字ごとに、複数の書式設定していた作業が、段落ごとに、ひとつのスタイルを適用していくという作業に変わります。
このように、コンピューターをうまく使うには、コンピューターがデータをどう扱っているかを知り、「認識合わせ」をするのが有効です。文書に限らず、そういう視点で見てみると世界が変わってくるかも知れませんよ。
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