フォロワーシップとは?発揮をするために必要なこと

フォロワーシップとは、リーダーシップを補完する概念として生まれました。部下が自主的な判断や行動により上司を支え、組織における成果の最大化をはかることをいいます。端的には、リーダーの指示やアドバイスを待つのではなく、自ら考え行動することを指します。

カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授が、著書『指導力革命―リーダーシップからフォロワーシップへ(1992年)』にて、上司のリーダーシップを補完する概念としてフォロワーシップという言葉を用いたのが最初と言われています。

それ以前は、リーダーシップの研究が盛んでしたが、組織はリーダーだけでは成立せず、リーダー以外=フォロワーの力も含めた形でリーダーシップを理解する必要があるということが知られるようになりました。

調査によると「組織運営においてリーダーの影響力は10~20%にとどまり、残りの80~90%は部下である人々の力が左右する」とも報告されています。

ケリー教授は、フォロワーシップに求められる能力を2つ挙げています。

①貢献する力

リーダーを支援し組織のビジョン実現や、目標達成などのためにまい進する力を指します。

これはどちらかというとリーダシップありきで発揮される力、日本のビジネスパーソンも発揮されている方は多いように思います。

②批判する力

リーダーの決定や指示について自ら考え、建設的に提言は批判を行うことができる力を指します。

昨今では、フォロワーシップのとくに批判する力について注目が集まっているようです。

複雑で変化の速い時代において、リーダーシップの難易度は高まっています。リーダーの視野を広げ、より適切な決定・行動がとれるよう、フォロワーシップが注目されているのです。

さて、メンバーがフォロワーシップを発揮できるようにしたいといっても、具体的に何をすればよいのか分からないというケースも少なくありません。

「フォロワーシップ身につけ方」にはどんな方法があるでしょうか?

ひとつのアイデアとして「フォロワーシップ研修」などが思い浮かびます。

たとえば、実際にリーダーの仕事を仮想的に経験することで、自分がフォロワーとして行うべき行動が見えてくる、それによりフォロワーシップを身につけることができるというものです。

しかし、このような研修でフォロワーシップが発揮できるようになるでしょうか?

このような研修を通して、フォロワーシップが満点になったとしましょう。どんなリーダーの元でも、どんな組織でもフォロワーシップを常に満点に発揮できるでしょうか?

リーダーが批判的意見をきこうとしない、むしろそれに対して攻撃的な態度を示すような人物だったとしても、フォロワーシップは発揮できるでしょうか?

それは難しいように思えます。

ところで、神戸大学の金井壽宏教授はこれに関連して「リーダーシップはリーダーとフォロワーの間にある現象」とおっしゃっています。

リーダーシップはリーダーに内在するものではなく、関係性の上にあるものだと指摘されています。ということは、その逆向きの概念であるフォロワーシップも同様といえます。

つまり、いずれも個人が身につけるだけでは不十分で、関係性に目をむけてその質を上げていくものといえそうです。

フォロワーシップを発揮するための方法のひとつとして、「ナラティブ」が挙げられていました。

ナラティブとは聞く人を物語に参加するよう巻き込む話法。自分も物語に参加し、自主的に参加するようになるというものです。

それ以外にもリーダーの批判を聴き受け入れる力や、心理的安全性なども挙げられるでしょう。

リーダーシップもフォロワーシップもさまざまな要素の動的な連動の中にあるもので、それだけ切り出せる特定の能力、スキルというわけにはいかなそうです。

耳から聴きたい方はこちら!

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