【スキマバイト市場について】#11

面接も履歴書も必要なしで、短時間からアルバイトに入ることができる「スキマバイト」。その手軽さが利用者を集めています。労働力不足の事業者による募集も増加し、市場は右肩上がりです。

先がけのタイミーを中心に、直近メルカリの参入やLINEヤフーがマイナビと連携をしサービス強化。そしてリクルートも今年の秋にサービスリリース予定など、大手の参入も増えており気になったので投稿します。

単純にリクルートの参入はかなり大きいなと感じました。
すでに人材でシェアを取っているかつユーザーが多い。
加えて、AirシリーズやIndeedとの連携などアセットも改めて強いなと思わされます。

①スキマバイトの市場動向

■2023年の事業者動向
・「タイミー」上の募集人数(全業種合計)は、2021年比較で約8倍と大きく拡大。
・「タイミー」上の主要な業界(*1)の募集人数は、今年も大きく拡大。
・ホテル・旅館、農業、介護、ブライダル・葬祭、レンタカー、ドラッグストアなどの新しい業界での利用も大きく拡大。
・事業者数および事業所数も拡大し、累計66,000社、170,000拠点でタイミーを導入。
(*1)「タイミー」アプリ上で職種として分類されている業界

■2023年のワーカー動向
タイミーの累計ワーカー数が600万人を突破。(2023年10月時点)
・ワーカーの増加ペースは2021年と比べて、約4倍に加速。

https://corp.timee.co.jp/news/detail-2310/
https://editor.note.com/notes/nb76cce9933b8/edit/

②大手参入による競争激化

◆メルカリ
メルカリは、24年3月6日に短期求人サービス「メルカリ ハロ」を開始した。スキマバイトサービス利用者の半数以上がメルカリを利用していること、メルカリ利用者のうち約750万人がスキマバイトの利用意向があることを調査で把握し、スキマバイト市場への参入に踏み切った。
約2300万人にも上る月間利用者に、スキマバイトを促し、勤務実績に合わせてメルカリで利用できるポイントなどを付与することで、メルカリ経済圏を拡大する狙いだ。

◆LINEヤフー
LINEヤフーは、21年から「LINEスキマニ」を展開。24年2月からは人材採用サービスのマイナビ(東京・千代田)とも連携して、サービスの強化を図っている。

◆タイミー
タイミーの累計利用者数は、21年の228万人から、24年2月時点で700万人と3倍に増加。他社に先んじてサービス提供を開始して、新市場を開拓。タレントの橋本環奈を起用した広告などによって、同市場で利用率1位を獲得しているが、まだ盤石とはいえない。
単に「隙間時間に働ける」以外の価値を築かなければ、膨大な顧客基盤を持つ競合他社に利用者を奪われかねない。そこで、同社が手を打ったのが、24年2月22日に開始を発表した「タイミーキャリアプラス」だ。

タイミーキャリアプラスは、人材を募集したい企業が、過去のタイミーでの就業実績を基に優れた人材と思われる利用者に対して、正社員の求人募集を送れるサービスだ。ホテルブランドの「ヒルトン」や物流会社の日本通運といったタイミーのサービスを利用する企業から「長期的に働いてもらえる人材がほしい」というニーズを受けて、同サービスの開発に至った。

単なる人材紹介と異なるのが、タイミーでの就業実績を採用過程で活用する点だ。同社は23年10月に「バッジ機能」を開始。これまでの就業先での事業者の評価を基に「ホール」や「洗い場」を任せられるスキルが身についている、といった具合に評価された利用者に対して、各スキルのバッジを与える。

採用が決まった場合、その就業者の理論年収の30%を採用企業がタイミーに支払うというビジネスモデルとなっている。

③リクルート、新たなスポットワークサービス『タウンワークスキマ(仮称) 』を2024年秋に提供開始

1.背景
・スポットワークにおける、求職者および企業双方のニーズの高まり
人手不足が深刻化する日本において、雇用を取り巻く環境は大きく変化しています。「働く時間に制約があるため、数時間だけ働きたい」「空いている時間を見つけて副業にチャレンジしたい」など、個人の働き方は多様化している一方、サービス業を中心に、「数時間であっても働き手を必要としている」という企業のニーズは増加しており、求職者・企業の双方において、スポットワークへの需要は高まりを見せています。こうした背景から、店舗や企業向けのシフト管理サービス『Airシフト』の単発バイト募集機能(※1)やスキマ時間にすぐ働ける地産地消型のスキマバイトアプリ『エリクラ(※2)』に加え、2024年秋に新たなスポットワークサービスの提供を開始いたします。

・雇用領域とSaaS領域の知見を生かした、スポットワークサービスの立ち上げ
リクルートはこれまで、雇用領域において、求職者と企業双方の希望をかなえるマッチングを生み出してきました。また、SaaS領域においては、業務および経営支援サービスである「Air ビジネスツールズ」を通して、企業の業務を効率化するサポートを行ってきました。新しいスポットワークサービスにおいては、雇用領域とSaaS領域で培ってきた知見を生かしながら、相互に連携を図ることで、求職者・企業双方のニーズに応え、日本が抱える人手不足の課題解決にも貢献していきたいと考えています。


2.新たなスポットワークサービスについて
2024年秋には、新たにスポットワークに特化した求人サイトとして『タウンワーク スキマ (仮称)』の立ち上げを予定しております。
求職者は、日付や時間指定で1dayや短時間の仕事を探すことができるようになり、スポットワークに特化した求人の閲覧・検索・応募が可能となります。
企業は、Indeedが提供する求人配信プラットフォーム『Indeed PLUS (※3)』の連携ATSである『Airワーク 採用管理(※4)』を通じて、効率的にスポットワークの求人作成・掲載ができるようになるだけでなく、最適な求人サイトに求人情報が配信される(※5)ため、多くの求職者にスポットワークの情報を届けることができるようになります。
また、1000万人以上の方にダウンロードいただいているアルバイト・パートのシフト管理・給料計算アプリ『シフトボード(※6)』でもスポットワーク求人の閲覧を可能にし、『シフトボード』ユーザーにも情報を届けることができるようになります。

④スキマバイトの運営事例

超異例! スタッフがほぼ「スキマバイト」の居酒屋、どのように教育や運営をしているのか

事業者も労働者も増加しているのは、理解できますが
スポットワーカーで業務が単純に回るのかは気になるところです。この事例については、少し特殊な例になりますが「ほぼスポットワーカー」で運営しているTHE 赤提灯(居酒屋)が面白かったので載せます。

メニューのインプットに強弱、採用にも工夫
メニュー表づくりの段階で、THE 赤提灯で売りたい特徴的な商品をいくつか決めているわけだ。珍しいメニューであることから、店員への質問は、概ねその看板商品に集中する。スポットワーカーには、仕事を始める前に実際に飲食してもらい、自分の言葉で説明できるように準備しておく。そうすれば、同店のアルバイトとして初心者であっても、比較的スムーズに顧客とのコミュニケーションが取れる。

スポットワーカーにできることには、通常のアルバイト以上に限界がある。それ以上を求めず、リピーターにならできること、社員でやるべきことなどをキッチリ区別することも重要なのだ。例えば、厨房は社員が入って回しているので、スキマバイトはホールでの接客が主たる仕事だ。ドリンクをつくったり、洗い場に入ったり、一部リピーターは料理の盛り付けを担当することもある。

働き手のキャリアアップにも重要な取り組み
事前の研修と仕事の整理によって、スポットワーカーを戦力化している。働いている人は、18歳から60代まで年齢や性別もまちまち。学生や主婦だけでなく、最近は社員の副業を認める企業も増えてきたことから、本業を持ちながら働く人も多い。

 飲食店では人手不足に苦しみながらも、長期かつ安価に仕事ができる若い人を雇おうとするから、人が集まらない面もある。デフレと不況で人が余っていて、いくらでも代わりに雇える人がいたころの発想から転換できていないのだ。

 THE 赤提灯の取り組みは、企業視点だけではなく働き手視点でも重要だ。THE 赤提灯でキャリアを積み、初心者のスポットワーカーからステップアップすることで、長期の採用、さらには社員へとキャリアを進め、飲食業界の貴重な人材となっていくことを、タイミーでは期待している。

 飲食各店は、安価で働いてくれる日本語もままならないアジア諸国の留学生をアルバイトに雇う前に、日本人が働きやすい環境を整えるべきなのではないか。日本にはまだまだ、飲食店で一度働いてみたい、アルバイトをしたい人材が、チャンスをつかめず眠っている。

今後も、このような人材・採用市場全体にも目を向けていきたいと思います。

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