ポラライズを理解する
ポラライズとは(ポーラライズ)
ポラライズという言葉をすでに知っているプレイヤーは多いと思いますが、具体的にポラライズとは何を指しており、いつ使うべきものなのでしょうか?
ポラライズへの理解を深め、理論、重要性、有用性を確認していきます。
さらには、本記事を通し、実際の状況でポラライズできるスポットで正しく使えるようになることを目標とします。
みなさんがよく聞く「ポラライズ」とは、ポラライズドレンジ(polarized ranges)のことを指し、強い部分と弱い部分で構成されたレンジ(2極化されたレンジ)のことをポラライズドレンジと言います。
このレンジを理解するにあたって以下の3つのレンジを知る必要があります。
・リニアレンジ linear ranges
リニアレンジとは、中程度の強さのハンドからかなり強いハンドを順に集めたレンジのこと指します。
UTGのオープンハンドレンジがリニアレンジに当たります。
フロップ以降だと、ワンペア以上のハンドがリニアレンジに含まれます。
具体例をみていきましょう
UTG vs BB 2bet potとします
Flop
BB check →UTG
というようなシチュエーションを考えます。するとEQdistributionは下図のようになります。
緑はUTGのEQ分布、青はBBのequity分布を示しています。UTGのレンジ全体のEQは約55%であり、全体的にBBよりもequityが高い場面です。
一方で両者のレンジの中でとても強いハンドが占める部分を赤丸で囲ってみると、この部分はほぼ重なっています。このボードにおいては55sなどのSetがとても強いハンドですが、それはUTGのレンジにもBBのレンジにも同様に存在しています。
このようなレンジ全体のequityが高い場面では、一般的に高頻度の小さいCB戦略が有効です
・キャップドレンジ
キャップドレンジとは、中程度の強さのハンドで構成されているレンジのことを指します。
強いハンドや弱いハンドはキャップドレンジには含まれません。
相手のベットやレイズにコールした時によくキャップされたレンジになります。例えば、プリフロップでBBのコールレンジはキャップされたレンジになっています。
BB vs UTG
・ポラライズドレンジ(ポーラライズドレンジ)
ポラライズドレンジとは、強いハンドと弱いハンドで構成された2極化されたレンジです。
例えば、プリフロップで4betする時は強いハンドと弱いハンドのポラライズされたレンジで構成されます。
COの4betレンジ vsBU
AAやKKなどの強いハンドと、A5s,56sなどの弱いハンドでレンジが構成されており、ポラライズされたレンジです。
BBの3betレンジ vs UTG
ポラライズされたレンジは、状況によってどのハンドが含まれているのか変化します。
例えば、リバーの状況では先ほどのAAやKK、56sで構成されたレンジがポラライズされたレンジではありません。
リバーでは、強いハンドはフルハウスやストレート、フラッシュ、スリーカードであり、AAなどのただのワンペアは強いハンドには含まれません。
具体例をみていきましょう。
UTG vs BB 2bet potとします
Flop
BB check →UTG 33%bet→BB call
Turn
BB check→UTG150%bet
というようなシチュエーションを考えます。するとUTGが150%betした時のEQ分布は下図のようになります。
前回と同様に緑はUTGのEQ分布、青はBBのEQ分布です。
UTGがベットするレンジは完全にポラライズされていることが分かります。両者のレンジ全体のequityとEVを比較してみます。
UTGのレンジ全体のequityは48%であり、BBよりもEQが低い場面です。
レンジ全体のEQが48%とわずかにBB側が上回っていますがEVは圧倒的な大差でUTGが有利になっています。
両者のレンジ全体のequityはどちらも約50%でほぼ同じですが、UTGのEVは+5.12と非常に高く、BBのEVは+3.45と非常に低くなっています
純粋にバリューとブラフにポラライズされたレンジと、純粋なブラフキャッチャーの戦いにおけるGTO戦略は、AKQ gameなどで多くの人が勉強したことがあると思います。
ポラライズされたレンジにベットされたとき、ブラフキャッチャーはコールしてもフォールドしてもEVが同じ(つまり0に近似)になってしまい、ポラライズされている側が一方的に高いEVを持ちます。
このようなシーンにおいて、重要なのはナッツアドバンテージがあるかどうかです。
ナッツアドバンテージがある場合、一般的にポラライズされたレンジで、オーバーベットを行う戦略が有効です。
しかし、よくある勘違いとして、ターンでどちらかに有利なカードが落ちた場合に、オーバーベットが打てると思っている人がいますが、これは基本的に間違いです。
BBがツートーンボードのフロップでチェックレイズして、ターンがラグでオーバーベットを打ったとします。この場面ではフロップの時点で、強いハンドと弱いハンドにポラライズされています。ターンがラグだとポラライズされた状況が続くため、オーバーベットが有効な場面です。しかし、ターンで、ラグではなくBBに有利なカードが落ちた場合を考えてみます。それはBBが多く持っているドローが完成するカードが落ちた場合です。BBがフロップでチェックレイズしたレンジは、ブラフだったドローハンドもターンで完成することになるので、全体的に強くなります。
BBのレンジ全体のequityが高くなる状況であり、高頻度に小さいベットを打つ戦略が有効な場面です。
よくわからなかったよ、という方も大丈夫です!
ポラライズドレンジを持っている時に、大きいベットを使うと相手のCallするEVは、限りになく0に近づく
と覚えといてください!
AKQゲーム(千里眼ゲーム)についてはこちら
この世で一番わかりやすいnoteです!Amuさん著作
最後に
お疲れ様でした。CBについての記事とセットはいかがでしたでしょうか?
非常に長い記事で疲れたかと思います。
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