エクスプロイトの可搾取幅-sample1-
今回の記事では、エクスプロイト(exploit)におけるEVの変化量に焦点を当てつつ、その搾取幅がどの程度あるものなのか?を解説していきます。
搾取的なアクションをしたとして、その幅がそれほどないのであれば、カウンターエクスプロイトされないGTO戦略の方が優秀なわけです。
(相手をエクスプロイトしやすいスポットへ導くということもありますが)
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搾取幅のピーク
一般的に、エクスプロイトの搾取幅のピークは
リバー>ターン>フロップ
となると言われています。果たして、この論は正しいのでしょうか?
検証していきましょう。
フロップ-エクスプロイト
よくライブポーカーでは、「相手のチェックレイズが足りていないから、フロップで33%のCBをレンジで打つと良い」と言われています。
では、この搾取幅または、EV変化量を見ていきます。
設定はこちら
974ボードで、CO vs BBの2bpと考えます。COのCB戦略は、シンプルに1サイズのみとして、50%とします。
その時のCOの戦略は下図です。レンジEVは3.1です。
COがBET50%をしたとします。その時のBB戦略はこちらです。
BBはA5oのようなエアーを含めて、15.6%の頻度でレイズをしてきます。
このレイズ頻度をセット、Twoペア+、オーバーペアとフラッシュドロー、コンボドローでしか返さないと仮定します。
BBのレイズ頻度は、全体で約6%ほど低下することになるので、ライブポーカーに非常に近い状態であると言えます。
すると、CO戦略はほぼ全レンジでBET50%を行う戦略に変化しました。
では、ここでEVの変化量に注目してみましょう。操作後のCOのレンジEVは、3.48であり、約12%上昇しています。
その恩恵は、特にブラフハンドが享受しています。
次に、ターンでの可搾取幅を調査します。
ターン-エクスプロイト
先ほどと同じ地続きに、ストリートを進めます。
相手のリークとして、Aがボードに落ちるとオーバーフォールドするというリーク持ちとします。
フロップで、COはBET50%をし、BBはコールしました。ターンで、A♦️が落ちたとします。
COのターン戦略はこちらです。
相手が、ボードにAがあるとオーバーフォールドをすることから、一般的に、ブラフを打ち込むスポットになるはずです。
COがBET100%をした時に、BBがオーバーフォールドするとしましょう。
BBの戦略
上図におけるSecondペアと、Thirdペアをオーバーフォールドさせます。
BBがオーバーフォールドのリーク持ち
COのレンジEV変化量
COのレンジEV変化量は、ごく僅かであり0.15、約2.6%ほどしか上昇していません。
では、相手がオーバーフォールドではなく、オーバーコールするようなニットプレイヤーだった場合を考えます。
BBがオーバーコールもち
COのEV変化量
相手がオーバーコールする時、COのレンジEV変化量は、ごく僅かであり0.1、約1.7%ほどしか上昇していません。
それでは、次に、リバーを見ていきます。ターンの時と同様にします
リバー-エクスプロイト
リバーまでは、先ほどの続きですが、ターンでCHECK、CHECKで回ったリバーを考えます。
ここで、リバー2♣️を迎えました。
ここでの相手のリークは、ライブポーカー特有の「相手のリバーのベットは強い」としましょう。
言い換えると、チェックレンジが非常に弱いということです。
では、チェックレンジが弱いとし、BBがリバーチェックしたとします。
COの戦略-操作前-
ここで、BBのチェックレンジにナッツクラスがないという操作を行います。
COの戦略-BB操作後-
リバーEV変化量
リバーでのEVの差は、なんと、
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