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ターン バレルについて -エクスプロイト-
はじめに
明けましておめでとうござます。2024年もNsyをよろしくお願い致します。
今回の記事では、ターンベットに関して深掘りする内容です。既にターンベットの知識をお持ちの方もいるかもしれませんが、後半では「エクスプロイトの手段」の紹介をします。ぜひ、読んでみてください!
この記事を見られている皆さんはとても勉強熱心であり既にFlopの解析をある程度、日々行なっていると思います。
では、ここで一つ質問です。
Turnの勉強をしていますか?そうです。
Potサイズが、Flopよりも大きいTurnこそ利益を上げる重要なポイントです。
今回の記事でTurnでのアクションのコツを掴めるキッカケ作りなればと思います。
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MDA(meta data analysis)などの方法でPlayer Poolを見るとTurnアグレッションが著しく低いことが一般的に言われています。特に、Flop CB後のTurnでのBarrelに関してはブラフ過小になってしまい、Turnブラフ過小、バリュー過多になっていることが多く散見されます。
つまり、多くのプレイヤーはターンバレルのレンジ構成が間違っていることが多いのです。
では、Flop CB後のTurnシチュエーションをいくつかのFlopで説明します。
まずは、Flop高頻度でCBを打つであろうボードとシーンを使います。
Flop有利なCBボード
あなたは、UTGに座っています。UTGからOpen Raiseを行い、BBにCallされHeads UpでFlopを迎えました。その時の戦略をGTOwizardを使ってみていきましょう。
K♠️9♠️6❤️ボード Flop
設定:NL500、6max cash、Rake: 10% 3bb capped
One size
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一般的にUTG vs BB SRPでのこのシーンを考えるとUTGのレンジEQは連続的にBBを上回っているためBet25〜33%を高頻度で使っていきます。
下図はUTGの戦略になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1704263022749-HTmA2QYCkY.png?width=1200)
全レンジでCBを打ったとしてもEVロスは発生しないことがわかります。
ではここでCB後のターンを見ていきます。
K♠️9♠️6❤️J♦️ ボード Turn
![](https://assets.st-note.com/img/1704263475277-9y4Rkt4hD7.png?width=1200)
TurnでJが落ちました。UTGのあなたはBBCallしたQTがメイドハンドしてしまったことに少し落胆を覚えてしまうかもしれません。UTGは上図のようなCheck or Bet67%となります。Betレンジに注目してみるとTopHitはBet67%をしていることはもちろんですが、ピュアブラフに22s〜55sまでが入っています。
重要な点は
このBetレンジがなぜ、このような棲み分けになっているのか?
ということです。
ここでBetするかしないかを考えるにおいて便利な道具があります。それは、EQです。
GTO wizardの機能であるRangesを使います。
![](https://assets.st-note.com/img/1704263308543-sV0RsCX987.png?width=1200)
中央にあるEQ bucketsを見てください。EQを0〜100%でフィルタリングし、コンボ数(%)で表示されます。
当然、UTGレンジのうちにあるSDVなしのハンドレンジはEQ0〜25%に存在します。ここでTurn Barrelingを考えた時にEQ0〜25%がBet67%レンジ入ってくることが容易に考えられます。
下図の赤い枠を見てください。
EQを0〜100%の順で並べ、Check(緑)、Bet67%(赤)で表示します。
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・EQ0〜25%:Bet67%を多くする。
・EQ25〜50%:Bet67%をある程度する。
・EQ50〜60%:Checkが主要である。
・EQ60〜70%:Checkが主要であるがBet67%を一部で行う。
・EQ70〜80%:一部Checkをし、Bet67%を主要に行う。
・EQ80〜90%:一部Checkをし、Bet67%を主要に行う。
・EQ90〜100%:ごく一部をCheckをし、Bet67%を主要に行う。
EQ0〜25%ではBet、EQ50〜70%ではCheck、EQ70%以上はBet
ということがわかります。
つまり、Turn BarrelにおいてEQがアクション決定の大きな要素であることが確認できます。
これは至って一般的なことを言っていることに思うかもしれませんがプレイ中、迷った時に考えていますか?
ターンではハンドクラス(EQ)のインセンティブに応じて正直にプレイすることが求められるのです。
これは以下のことが理由として挙げられます。
・EQのプロテクションから得られる利益が少ないのでマージナルハンドでのCheckが多い。
・強いハンドはポットを大きくするために大きなベットをするインセンティブが高くなります。 なぜなら強いハンドにはこれ以上のValueチャンスが残されていないからです。
・ドローハンドは均衡状態にあるため判断が難しい。ターンではFold EQに対するインセンティブが大きいことからセミブラフが使いやすい。相手のCheckレイズにより自身のEQを失うリスクがある。
Break Downから見る打ち分け
では、EQのインセンティブを考えた上でターンの何が判断を難しくしているのかを考えましょう。
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上図を見ると、EQのインセンティブに応じるためTopペア以上の役は高頻度でBet67%、Underペア・Lowペア〜2ndペアまではCheckを選択していることがわかります。一方、No madeハンドはCheckとBet67%を行なっています。
どうやら、このNo madeハンドが我々の判断を難しくしていることが考えられる。つまり、中途半端にEQを持っている(特にEQ25〜50%)ハンド→ドローハンドです。
No draw
![](https://assets.st-note.com/img/1704283627757-9ulrbmIROP.png?width=1200)
Nodrawハンドをソートしました。Topペア以上はBet67%を高頻度で行い、77s,88sのようなEQ35〜40%ほどのインセンティブが少ないハンドはCheckを行っています。
ここで、EQ0〜50%にソートします。
![](https://assets.st-note.com/img/1704283873480-3hUlW9LiT0.png?width=1200)
すると22s〜6ペアまでは TrashハンドレンジとしてBet67%をしています。一方、驚くことにA2s〜A4sはFDを除いてピュアブラフを行なっているのです。
左下のAs4sを見てください。アイコンの隣に1,9が表示されています。
ValueRemovalスコアとTrash Removalスコアを意味しています。
As4sは相手のTrashハンドを多くブロックかつValueハンドをブロックしていないためBetモチベーションがAd4d,Ah4h,Ac4cなどに比べて低いことがわかります。
・ValueRemovalスコア
バリュー除去は 0 から 10 までのスコアで表されます。これは、カードの除去により、手札が対戦相手のレンジの最上位からどれだけの EV を除去するかを示します。
低いスコア (0) は、あなたのハンドが相手のレンジ内のバリューをブロックしていないことを意味します。これはバリューベッティングの場合に望ましいことです。
高スコア (10) は、あなたのハンドが相手の範囲内で多くの価値をブロックしていることを意味します。これは、ブラフまたはブラフ キャッチの場合に望ましいです。
・Trash Removalスコア
Trash Removalスコアは 0 から 10 までのスコアで表されます。これは、カードの除去によって対戦相手のレンジ内でブロックされたTrashの量を示します。
低いスコア (0) は、相手のレンジ内のTrashをブロックしていないことを意味します。これは、ブラフまたはブラフ キャッチの場合に望ましいです。
高スコア(10)は、相手のレンジ内で多くのTrashをブロックしたことを意味します。これはバリューベッティングの場合に望ましいことです。
よって、No DrawはVRとTRのバランスを考慮し、Betをピュアブラフとして行うようです。
OESDとGutshot
![](https://assets.st-note.com/img/1704285528844-Pg4wrOOoI5.png?width=1200)
OESDとGutshotハンドをソートしました。
さらにEQ0〜50%にソートします。
![](https://assets.st-note.com/img/1704285698544-fUqhEUNc8b.png?width=1200)
相手のTrashハンドを非常に多くブロックしている下OESDレンジを除いて全部Betしていることがわかります。
ハンドクラスにに応じてのインセンティブとVRとTRのバランスを考慮してCheck or Betを行うことが確認できました。
FDとnutsFD
![](https://assets.st-note.com/img/1704286046778-dmkAIQEMeM.png?width=1200)
StraightDrawと同様に、相手のTrashハンドを非常に多くブロックしているレンジを除いて全部Betしていることがわかります。
ハンドクラスに応じてのインセンティブとVRとTRのバランスを考慮してCheck or Betを行うことが確認できました。
Flop不利なボード(引用)
K84のフロップは特にUTGにとって良いものです。そのため、彼らは全レンジでベットできますが、同じ原則は、より不利なフロップでベット頻度を下げることでレンジを分割した後でも適用されます。例えば、9♠ 8♠ 6♥では、UTGは半分以下のレンジでベットし、依然として小さなサイズを好む傾向にあります。
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9♠ 8♠ 6♥でのUTG vs BBの戦略
このボードではターンごとに一般化するのが難しいです。なぜなら、オーバーカード、ボードペア、フラッシュドロー、ストレートドローなど、さまざまな方法でテクスチャが変化する可能性があるからです。しかし、いくつかの例外を除いて、ベット頻度が低く、ベットサイズが大きくなる傾向があり、よりポーラなレンジを示しています:
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![](https://assets.st-note.com/img/1704286592226-xCVPMspExa.png?width=1200)
ここで注目すべき例外は、UTGにとって最も良いカードと最悪のカードです。スーツのない7が最悪であり、BBのレンジにはより多くの7xが含まれています。ナッツのアドバンテージがないため、UTGは大きな極端なベットでBBの中堅のハンドをプレッシャーをかけることができず、そのため小さなベットを使用します。一方で、AやKは、BBよりもUTGにとってより役立ちますので、UTGはこれらをより高い頻度でベットします。
以上、ターンバレルについて解説しました。ターンバレルはプレイの利益を最大化する重要な要素ですので、ぜひ取り入れてみてください。今回紹介した要素を活用することで、効果的なプレイができるようになるでしょう。
興味を持った方は、是非他の記事やnote更新もチェックしてみてください、、、、、、、、と終わりにしたいですが
今回の記事の本題はここからです。
ここまで紹介したことを踏まえて、エクスプロイトを考えます。
それは
TurnでのリークをRiverで搾取する-method-
実際のプレイヤープールのことを考えます。前述の内容を踏まえるとターンバレル頻度が著しく低いことがわかります。明らかにピュアブラフが足りていないようです。
ここであるステークスのプレイヤープールデータを見てみましょう。
下の図はあるステークスのAggressionを示しています。実際にデータを取ったものです。
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