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自転車に乗るなら若葉マークをつけろと言われます

イチハラ=サン:

キキがいるのはシャイナさんのそばでなく,お師匠さんであるところのムウではなかったでしょうか。

マイナス30点です。

(といいつつ「アッペンデックスのキキ」のシーンが思い出せません)


わたしの勤務先は医学書の出版社ですが,発行物の半分ほどが洋書の翻訳本です。そんな職業柄もあり,”Appendix”の文字を目にすると背筋が少し伸びます。

市原さんもご存知のとおり,舶来物の医学系教科書の多くは,アッペンディクス(付録)が充実しています。本編の「章末問題」の「解答+解説編」であるとか,「用語集」などがここに収載され,本編の1章ぶんくらいページが割かれていることもあります。

大充実の付録というのは,買い手としては(ちょっぴり)嬉しいですよね。

かたや制作側としましては,往々にして本編1章分+アルファの労力がかかる,山場の1つです。

特に「用語集」は,その本が扱う領域の専門用語を定義するわけで,原書の間違い(わりとなくもない)をそのまま出版はできませんし,解説文は本編のように「前後の流れ」で補完できるほどの文章量はないので,誤解を招く,あるいはわかりにくい文面も修正したい。

用語集のミスは書籍全体の価値を損なう……! と,本編の作業で疲弊しきってなおご協力くださる訳者・監訳者の先生方の矜持で成立する,質の高い「付録」。そんな「おまけ」には,1冊の本で,本編と両輪をなす……とまでいかずとも,無視できない補助輪,くらいの存在感があるなあと,心の中でしみじみと手を合わせます。


両輪,といえば,ある考え方やメソッドが広く浸透したあと,揺り戻しのように対極的な考え方が流行る現象を興味深くみています。最近おもしろいと思ったのは,営業・ビジネス界隈の思考法が,従来の「デザイン型」から「アート型」にシフトしているという話です。

外資系ビジネスマン→同僚→わたしという伝聞の末の,ふわふわざっくり解釈で恐縮ですが,顧客の問題解決を目的に,ロジックに基づいて行動するのが「デザイン型」。サービスを提供する人間自身の思いや感情からスタートし,新たなものを創造するのが「アート型」。両者は反駁しあうものではなく,両輪として機能する……ということのようです(た,たぶん)。

同僚からこの説明を受けているあいだじゅう,「エビデンス/ナラティブ」の関係が連想されていましたが,概要を又聞きした程度で紐づけるのは「混線」めいていてなんだか危険な気がしたので,本件はひとまず脳の「保留箱」に入れています。

(2019.8.27 西野→市原)