「打楽器くらいなら出来る」というパンピーを刺す楽譜集
「叩くだけでしょ」と言われた事がある貴方へ
大人になって分別ある人に囲まれるに従って減るとは言え、打楽器やっていれば誰しも最低一人には「打楽器って叩くだけでしょ?自分でも出来そう(笑)」とか言う人に出会い、ギリリと歯軋りした事があるのではないでしょうか。ある程度頭が働く人であれば「専門職があるということは自分が知る以上の何かがあるのだろうな」と考えられるはずだが、そうでない人や中高生のちょっとイキりたいお年頃などは「打楽器やってます」と言った途端にすーぐこの言葉が出てきます。相手にするだけ無駄といえば無駄なのですが、うまく言い返せず悔しい思いをした人にこの記事を捧げたい。
なお超絶技巧を見せびらかせて「ほらやってみろよ」というのはそれはそれで大人気ない上に相手に「そりゃあそういうのは練習しないと出来ないのは当たり前じゃん?」と言い訳をする隙を与えてしまうので今回は取り上げません。
ちなみにタイトル画像のセリフは皆大好きアーマードコアⅤから。AC6楽しみですね。
音を出させる前から刺せる
ジョークでお気に入りのものがある。
打楽器も同じで、そりゃあ確かに叩けば何らかの音は出るが「どこで」「どの楽器を」「どう叩いて」という細かいことは経験が無いととてもじゃないが分かりません。経験が浅い頃スッと楽器持ったら大先輩に「え、それ使うの?」とジロリと睨まれて涙目で「すみません違いますよね…」と持ち替えたこと数え切れません。
「そんくらい出来るッショ!」とか言う輩には「じゃあどうぞ」と言った後、どの楽器を持ったとしても「へぇ、この曲に?その楽器を?ふーん?」と非常にジャッジメンタルな態度をして萎縮させてやりましょう。戦いは音が出る前から始まっています。まずは相手の気勢を削ぐ。これが大事。
カスタネットで刺す
だいたい「俺っちも叩くくらい出来るぜエヘラエヘラ」とか言う人の頭に真っ先に浮かぶのがカスタネット……ではなくこれ
まずは大きな声で「それはミハルス™やろがい!!」と突っ込んであげましょう。
相手の常識をぶっ壊した後にはこれを
本物のカスタネット渡して「同じこと11回繰り返すだけで良いんだよ♡」と優しく囁いてあげましょう。なんならロールのやり方を教えてあげても良いと思います。「そうそう、そこに指を添えて早く動かすだけだから。ね、叩くだけでしょ?」とポジティブな言葉で油断させます。
実際に叩き始めたら「あ、ちょっとその凸凹した音量やめてもらえる?それとロールの数揃わないの?」とひと思いにぶっ刺しましょう。
トライアングルで殴る
「カスタネットのロールとかやったことねぇし!」と逆ギレされたらお次はこちら。
トライアングルもまた「いやいやそんなん誰でも出来るでしょ(笑)」と言われる楽器の一つ。ここは一つ「ちょっとチロリロリロリロ…ってやり続けるだけだから、はいどうぞ♡」と騙して…いや励ましてあげましょう。
いざ叩き始めたら「ねぇ、ピアニッシッシモって書いてあるのそれ。うるさいの。うるさ…うるさいってば。ねぇ、静かにやって」といたぶってあげましょう。大きな音でバカスカ叩くだけだと思っていたパンピーはコテンパンです。
大太鼓ならいける?その幻想をぶち壊す
ここらへんで相手も「小さい音ばっかじゃねぇか!」と突っ込み始めるはずです。アプローチを変えて刺していきましょう。
「ほら、好きなだけデカい音出せよ」と言える楽譜です。しかも出てくるのは四分音符のみ。言い訳が利きません。
ただし素人が力んで大きな音を出そうとするとだいたい振りかぶりすぎて音を出し遅れるので「遅くない?ほら、音楽もう先に進んでるよ」と後ろからせっついて焦らせてやりましょう。ついでに熟練の腕で「そんな筋トレみたいな動きしなくても大きくて良い音出せるじゃん。ほら」と大きな音を出し
て見せて自信を砕いてやりましょう。
「一発だけなら…」は一発で仕留めろ
そろそろ相手の自尊心もズタボロです。止めを刺す準備をしましょう。
「一発だけならいける!」と相手がゴールポストを動かしてきたらもう勝ち確定です。皆のトラウマ製造機、こいつを出してあげましょう。
本当の本当に曲中一発のみです。バシャーンと叩くと同時に「ゲー万円!(業界用語)」と心の中で叫びましょう。ギャラがそんなに出ない契約団員の皆様はまずは組合に相談だ。
曲を最初から流して「あ、数えるところからやってね」と言って恐怖を味合わせるのもまたオツなものですが、ここはあくまで優しく、「出番になったら教えてあげるからこれ持ってね♡」と22インチ以上の合わせシンバルを持たせてあげましょう。20インチヘヴィー?冗談言っちゃいかんよ。
素人はまず間違いなくパフるかカラーンと酷い二度打ちします。ここまで来るとなじるのも効果が薄いので大きくため息ついて「それでお金もらえたら良いよね…」と空を仰いでやりましょう。散々ゴールポスト動かした上にこれです。相手の心は粉々です。貴方の”勝ち”が無事決まりました。ちょっと虚しいですね。
まぁそう意地悪せずに……
なんだかんだと相手をやり込める方法をつらつらと書きましたが、実際にはこんなことに使う時間も労力も無駄だし、何ならそんな相手に楽器触らせるのも嫌なので万一こんな人に出会ってしまったら愛想笑いをしてサッと交流を絶ちましょう。
どうしても関係が絶てない相手、またはどうしても腹に据えかねる相手、それか指揮者を相手にやってみましょう。
おら!常任!出てこい!お前がやってみろ!!!