今年買って良かった打楽器まとめ

「買って良くなかった打楽器」など存在しない

しないんです。どれもこれもいつかどこかで使うものばかり……
とか言ってると家中に普段使いもしないものがゴロゴロ転がる立派な打楽器奏者の出来上がり。清く正しい打楽器奏者の姿ですね。
今年買った物を振り返るのは「これはもう持ってるから今後買わないようにしよう」という自戒が3%、残りの97%は「見てみろよ俺はこんなに散財しちまったんだぜウェッヘッヘ……」という自慢にならない自慢です。

Harlanタンバリン

現在Harlanのタンバリンは4つ持ってるのですが、そのうち最も多用しているジャーマンシルバーは去年に買ったものなので除外。今年のはじめに買ったのは8インチのブラス、10インチのブロンズ、そして10インチのスパニッシュの3つ。……とタンバリンが5個入るバッグ。
どれも非常にキレが良くて音に厚みもあるのだが他の人に触らせると「何これ使い辛…」と言われたりするのでもしかしたら自分の肌にバッチシ合っているだけなのかもしれない。
スパニッシュはロールの響きが美しく、シェヘラザードの3楽章最後の極小ロールとかに非常にオススメ。


Matt Nolanトライアングル

前々から気になっていたノーラン氏のトライアングル、連続する超ピアニッシモロールの登場に辟易していたので「カーブきつめで小音に特化したのが欲しい」と思い注文したもの。Nigel Shipwayのシグネチャーモデルはブラス・ブロンズ・スティールの3種から素材が選べるのだが、前々からスティールのが欲しかったので迷わずスティール。当初「1週間で出来るよ!」と言ってきたノーラン氏だが多忙を極め実際に製作に取り掛かったのは何と二ヶ月後。しかもその際「間違った経の素材使っちゃった…」というドジっ子属性を見せるという萌えキャラ。その間違えた素材(本来のより細い)で作ったものも「ついでだからあげる」という太っ腹ぶりにも感動。
ただ実はこの細い方の「ごめんねカスタム」がひっっじょーーーに美しくてどちらかというとオリジナルの方が要らないな、というほど。メールで「こっちの方が絶対良い!!」と熱弁したところ、最近になってShipwayモデルMk.2というのをこの細い素材で作り出したそうで本人も実はちょっとそう思ってたみたい。小さいながらスティールのはっきりした音のお陰で埋もれることなく、「カツーン」というダイレクトな音というよりは「ほわぁああ」と天上から降ってくるような音がし、これまたついでに注文したセラミックのビーターと合わせるとびっくりするほど優しい音が出る。歌モノに使うとバッチシ。

Matureトライアングルビーター

ちょうど1年前程に購入。ケースやらビーターもう一本やら随分オマケしてもらった上、海外発送などという面倒くさい事やっていただいて本当に有り難い。昨今のビーターのトレンドはグリップ付きでフロントヘヴィなものが殆どな中、昔ながらのロッドタイプ。バランスがやはりフロントヘヴィのものとは全く違うので何の気無しにヒョイッと手に持って叩こうとすると「おっとっと…」となりやすいので気をつけよう(敗北多数)。
発音がキレッキレで「ここぞ!」という時の一発や「ひぃん、これじゃロールになっちゃうよぅ……」という場面で使うと助かる事多し。バレエ「眠れる森の美女」第三幕23番(こいつ!!)の高速16分の時にプレミアム6にお世話になりました。
後地味にというか派手にというか、特殊奏法で使うビーターとしてかなり優秀。ドラをビーターで擦れとかシンバルを擦れ、金属の板を叩けとか現代音楽やってると面倒くさい個性的な要求が多い中、これらのビーターが大活躍。
元々は「錆止めが効くかどうか様子見お願いします」とのことだったのが錆び自体はほぼ発生しないものの、俺の手汗のせいでグリップチューブ内がちょっと汚くなってしまい申し訳ない…手汗すごくて…

Groverトライアングルマウント

「こいつぁ大活躍間違いなしだぜ…!」って感じで買ったものではなかったはずが、気付けばお世話になりっぱなしのアイテム。他のもっとがっしりしたホルダーとは違い薄く軽く、「使うかどうか分からないけど持っていくか…」程度にちょうど良い。サッシンスタンドにするっと付けられるのもポイント高し。ちょっとタカシって誰なのよ!
大きなトライアングルを吊るす時に真ん中のウィングナットの部分からグイッと曲げて角度をつけることによって上に大きくクリアランスを取れるのが非常に有り難い。他のガッシリ系マウントホルダーでこれ出来るの少ないんじゃないかな?バッグのポケットに放り込んでおいて損はなし。

Inaki Sebastianグロッケンマレット

これも当初「こんなん使うかぁ?(笑)」みたいな態度取ってたのが気づいたらすっと手を伸ばすのはいつもこれ、という状態。元々はInakiの新しいマリンバマレットを注文したくて連絡を取った際に「オマケしておいたから感想聞かせてね!」と入れておいてくれたもの。自分で「これを買おう!」と思って手に入れたものではなかったので今振り返ると本当に有り難いなぁという思いで一杯。
見ての通りシャフトがビックリするほど短くがっしりしたハンドルがついているため、普段のラタンやバーチの長いシャフトに慣れた状態で普段通り使おうとすると音は外すわタッチは乱れて鍵盤上で「ジジッ」という汚い音出すわで散々な目にあったのだけど、しばらく使って奏法を調整してあげるとなんともふくよかな音を出す。そう、「ふくよか」という言葉がピッタリ。グロッケンからちゃんとピッチが出てる!と感じる音。特にグロッケンの低音、ことさら鍵盤が厚めで幅広なタイプを使っていると(普段FallCreek使い)気をつけないとキャンキャン言うだけで全然ピッチが出てると感じられない事が多い。そんな中天から舞い降りた…いやスペインからドンブラコとやってきたこのマレットは救世主。食わず嫌いしないで使ってみて良かった…まぁまだたまに音外すんですけどね。あ、それはマレット関係なく元からか!


長くなってしまいましたが来年はもっと気をつけて散財したいと思います。
とりあえずもうすでに注文してる新しいスネア、それと頑張ってシンバル買いたいなぁとか思います。選べないから博打になっちゃうけど……
待ってろよ小出シンバル……!