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合言葉:負けないぞ

子供に関することで夫と話し合った。

その内容については省略するが、ともかく、切り出すタイミングを間違ったことと、話題の性格により、会話の雲行きは怪しくなっていった。

私は、感情と涙腺が太い回路で結びついているらしい。自分では泣きたいとまで思わないのに、ちょっとしたことで涙がとろとろ流れ出して困る。特に、誰かと話をしている時に多い。悲しみに限らず、気持ちが高まると、それが液体になってあふれてくるみたいだ。

夫と話している最中も、彼が少しでも強く主張すると、涙が下まぶたあたりにスタンバイして、視界がぼやけた。
多分、この場合、私は怖かったのだと思う。

でも、泣きそうになると私は心の中で唱えた。
「負けないぞ」
その意味は二つある。一つは、彼に負けないぞ、ということ。もう一つは、泣こうとする自分に負けないぞ、ということ。そうして涙をこらえた。子供っぽい泣き落としはしたくなかった。泣いたら話が終わるじゃないか。少なくとも、お互いのパワーバランスが崩れて、方向性が変わってしまう。

そして、なんとか涙は下まぶたの縁からこぼれなかった。
私たちはしばらく話を続けて、それからメールでも考えを伝えて、お互いに納得できる地点を見つけた(と思う)。
負けないよう、自分を励ましてよかった。

それから、向き合って話すよりメールなどの文面のほうが時にはよい、という夫からの意見もあった。私はスリリングな対話が好きだが、今度はメールにしてみようと思う。今まで以上に落ち着いて、よりよく理解できるように。

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