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橋の上に交差点?広島の相生橋

異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。

広島の代表的な観光地といえば、世界遺産にもなった宮島の厳島神社と、原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)であろう。その原爆ドームのたもとにはT字型をした不思議な橋があるのはご存知だろうか。今回の異次元空間は、相生橋を紹介してみたい。

8月初旬になると、テレビなどのメディアでは原爆ドームと広島の街並みを映した映像をよく見るようになる。この写真は原爆ドーム南側にある元安橋から撮影しているものだが、左側に写っているのが相生橋である。

写真の橋をよく見ると、途中で折れ曲がっているように見える。この付け根部分がT字型の橋にある交差点だ。

こちらがその交差点である。この写真だけだと、特に違和感を感じることもないだろう。

上写真の撮影地点のストリートビューがこちら。全天球画像を操作して見渡していただくと、この橋がどういった構造になっているのか直感的に理解しやすいように思う。

広島平和記念公園にかかる全国的にも珍しいT字型の橋。原爆の影響で傷跡の残る旧相生橋を新しく架け変え現在の相生橋となりました。夜には照明によって橋をライトアップし、その上を路面電車や車が通るとまるで宙を走っている様で、昼間とは違う姿が見られます。
ウェブサイト:広島観光ナビより

この珍しい形状は、広島平和記念公園のある中洲にも橋をかける必要があったために生まれたもので、太田川の巨大な中洲の上に発展した都市である広島ならではの橋だ。

航空写真で見ると相生橋がT字型をしているのがよく分かる。
この珍しいT字型の形状がゆえに、1945年の広島原爆投下では投下目標に設定されていたという。実際に投下された原爆は地図の右下側にあった島病院上空で炸裂した。

こちらは中洲となる広島平和記念公園側から見たところ。ちょうど京都市電からの移籍車両:1900形が相生橋を渡っている。橋と橋の交差点を見る不思議な光景だ。

相生橋を渡る広島電鉄の路面電車。相生橋は原爆ドーム前電停と、本川町電停の間にある。原爆ドームへ行く際は、あえて本川町電停まで乗車して、橋を渡ってみるのもいいかも知れない。

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