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2024 : Where Are We Now ?

音楽はドラッグである。占いは処方箋である。私は Dr.Uである。
ドラッグは用法・用量を守って正しくお使いいただくものである。巷に溢れる質の低いドラッグを大した情報もなく適当に服用してはいけません。心身が壊れちゃいますよ。

…というわけで、年運を占う星、木星が牡牛座から双子座へ移動しました。ここに今期の12星座別テーマソングを処方させていただきます。とんでもない12曲が並んでしまいました。選考過程で泣く泣く落とした曲もどれもエキサイティングな曲ばかりでした。木星双子座期、音楽的にはめちゃくちゃ当たり年だと思います!
選曲の基準は前回同様、以下3点。
アーティスト自身がその太陽星座である
・その曲がリリースされたのが今期と同じ木星双子座期である
・木星占い的に見てその時期を表しているような曲である
同じ太陽星座の人が、同じ位置に木星があった時、どんなグルーヴを醸し出していたのか。サウンドや歌詞、雰囲気、状況などはどんなものだったのか。それらを知ることで、聴くことで、見ることで、感じることで、考えることで、今を生きる我々の中に何かヒントのようなものを浮かび上がらせることができるかもしれない。そういう狙いをもって選曲させていただきました。なので、必然的に木星の周期である約12年ごとの2013年、2001年、1989年、1977年、1965年…周辺の曲だけとなります。セレクトは毎度のことながら大変苦労しましたが、刺激的な曲が多くてめちゃくちゃ楽しかったです。私が一番健康になった気がします。

選曲しながら気づいたことがあります。牡牛座期のサウンドや歌詞は、どこかデコラティブで落ち着いた雰囲気がありました。比べて、双子座期のサウンドや歌詞は、全体的にフォルムの斬新さや小気味の良さがあるように感じました。何より、言葉、歌詞、が面白い。そう考えると今期もとても楽しみになりますね。もちろん占星術的バイアスで牡牛座期と双子座期の差異を見てしまっている可能性も大いにあります。が、にしても、候補曲をPLにダーッと並べていった最初の段階で「明らかに前年と雰囲気が違う」と感じたのは如何ともしがたい事実でした。占星術と音楽を両方愛するものとして、テンションがブチ上がった瞬間でした。

今回の木星双子座期は2024.5.26〜2025.6.10です。1年以上続くので、折に触れ読み返してみても面白いと思います。友達や家族の星座を読んでみるのも参考になるかもしれませんね。
今の社会は歴史的に見てもかなり大変な時期を迎えていますが、私にできることはUと音楽と文章とギャグとそれらの周辺くらいだと思っています。なので、これからもそれらを頑張ります。皆さんの今期が楽しいものになりますように。ここに挙げた曲たちがそれを少しでも後押しできたのなら、自分にとってそれ以上の幸せはありません。マジです。
どうぞお試しあれ。

※もしよければ SNS上で感想などいただけると嬉しいです。いいね、RT、クチコミ、フォローなども歓喜します。よろしくお願いいたします🙇


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【牡羊座】 Gorillaz 「Clint Eastwood」

Gorillazは、音楽を担当するBlurのデーモン・アルバーンと、ヴィジュアルを担当する「Tank Girl」などの作者ジェイミー・ヒューレットによる覆面音楽プロジェクト。2人とも牡羊座です。(デーモン、ジェイミー共に1968年生まれ。)今考えると、顔を出さずに絵やイラストなどでヴィジュアル展開するミュージシャンの走りだった。1998年頃から活動していたらしいが、1stアルバム「Gorillaz」並びにそのリードシングル「Clint Eastwood」が出たのは2001年3月。その後「最も成功したバーチャルバンド」としてギネス認定されることになる彼らが、本格的に始動したのは今と同じ木星が双子座にある時だった。
今期の牡羊座から見て木星は「知性」「情報」「隣人」「小旅行」「議論」みたいな場所にある。興味のある人に会おう。気になる知識を学ぼう。面白そうな場所に行こう。木星が双子座にあるということは、総じて双子座的なものに脚光が当たりやすいと読めるのだが、そういう意味では、もしかしたら今期は牡羊座が一番その恩恵を被りやすいかもしれない。
Gorillazはデーモンとジェイミーがロンドンで共同生活をしていたことに端を発する。延々と薄っぺらい音楽を垂れ流しているMTVを2人で見ていて、「it's a bit like hell (地獄のようだ)」と辟易し、もっと「kind of interesting(ちょっと面白そう)」なものを作ろうと思ったのが始まりだ。「隣人」とのちょっとした「議論」が突端であり、もっと「知的好奇心」をくすぐるものを作りたかった2人。その当時は木星双子座期ではなかったと思うが、「隣人」「議論」「知的好奇心」というエッセンスは、ヴァーチャルバンドであるのをいいことに、たくさんのミュージシャンを参加させ、ジャンルを縦横無尽に網羅していくGorillazのあり方そのものだ。
そもそも牡羊座は「I am」のサインと言われていて、ともすれば1人でどんどん前進していっちゃうようなイメージがある。そんな単独行動型サインの牡羊座である2人がそれこそ双子のように連れ立って、それぞれの知識や情報を交換し合い1つの世界観を作りあげたというのが面白い。Blurの場合、他のメンバー3人がいわゆる偶数星座(女性星座)というどちらかといえば受動的なサインなので、デーモンにとっては同じ奇数星座(男性星座)であるジェイミーに何かしら新鮮な刺激を感じたのかもしれない。Blurファンには苦々しい事実かもしれないが、デーモンは往々にしてGorillaz他ソロ活動の方が順調だったりするタイプなので、そういう意味ではやはり単独行動型、牡羊座ぽい人だなと感じます。
余談。Gorillazのメンバーは架空のアニメキャラなので、それぞれ設定された誕生日があるんですが、なんと4人中3人が双子座でした。Gorillaz、めちゃいい時にデビューしてるじゃん。(ちなみにヌードルだけ蠍座。めちゃわかる‥)

【牡牛座】 James Brown 「Papa's Got A Brand New Bag」

2000年8月(木星双子座期!)に富士急ハイランドで行われたサマーソニックでジェームス・ブラウン(以下、JB)を見たことがある。24年も前のことなので、もはや記憶も曖昧だが、ひとつ忘れられない出来事があった。夏の炎天下で「エンドレス・ファンク地獄」とも言うべき熱気ある演奏を繰り広げていたJBに対して誰かがペットボトルを投げたのだ。大御所アーティスト特有のマイペースぶりを発揮していたのか、たしか持ち時間を大幅にオーバーしていて、このままでは次のアーティストの持ち時間に影響する‥という雰囲気が会場全体にあったと記憶する。ペットボトルはそういう観衆のイライラが噴出したものだったんだろう。JBはバンドの演奏を止めた。何かで読んでJBのことを「妻とケンカして銃を乱射した男」という印象を持っていた自分は内心「やば‥」と思った。JBはペットボトルを拾い、マイクの前に立ち、自分の言葉を通訳の人に訳させた。意外にジェントルな態度だったが、内容は「今度投げたらオレはステージを降りるからな」みたいなことだったと思う。会場は校長先生に怒られてる全校集会みたいな雰囲気になった。が、しばらくしてJBが合図を出した瞬間、バンドはまるでスイッチオンされた機械のような躊躇の無さで再び演奏を開始した。それはまるで何事もなかったかのような「エンドレス・ファンク地獄〜reprise〜」だった…。当時20歳の若僧だった自分は、JBのその年季の入ったエンタメ精神と音楽に対する愛と厳格さに感じ入ってしまい、リスペクトの気持ちを禁じ得なかった。サマソニ運営側は全然演奏をやめないJBにほとほと困り果てていたらしいが…😂
ジェームス・ブラウンは1933年(1928年説もある)生まれの牡牛座。言わずと知れたファンクの帝王。「Papa's Got a Brand New Bag」は数あるJB代表曲のうちの1つで、1965年6月(木星双子座期)にリリースされ、自身初のグラミー賞を受賞している。この曲の「Bag」には単に「モノ」とか「スタイル」みたいな意味があるらしいです。つまり、意訳すると「パパが新しいモノ(スタイル)を持ってきたぜ!」。
今期の牡牛座から見て拡大・発展の星木星は「モノ」「所有」「財産」「富」みたいな場所にある。精神性とか心みたいなフワフワしたものよりも、目に見える物や形、それこそ「Bag」的なるものに注目したい時期。自分の好きを手に取れる形にしたり、目に見えるスタイルに仕立て上げるのもいいだろう。そういうモノやスタイルは全て自分のリソースになり、上手くいけばお金になる。牡牛座は元々マイペースにマイワールドを堪能するところがあるサイン。私がかつて炎天下の中見たJBもまさにそんな人であった。お気に入りの「Brand New Bag」をゲットしよう。

【双子座】 Bob Dylan 「Like a Rolling Stone」

ボブ・ディランは1941年生まれの双子座。ノーベル文学賞を受賞した初めての歌手。「Like a Rolling Stone」は1965年7月(木星双子座期)にリリースされたポップ・ミュージック史上屈指の大名曲。何よりボブ・ディランというアーティストを決定づけたマイルストーン。木星双子座期に双子座が聴くべき木星双子座期リリースの曲を探していて「Like a Rolling Stone」を見つけた時、思わずガッツポーズしてしまった。こんなに双子座らしいアーティストの双子座らしい曲はないから。
ボブ・ディランは偉大すぎるので、若い頃から海外のロックやポップ・ミュージックに慣れ親しんできた私のような人間にとっては、こうして何かを書くことすら憚られるところがある。しかし多くの日本人にとってボブ・ディランは「なんか凄い人らしいけどイマイチ良さがわからない」アーティストの代表なんじゃないだろうか。それではあまりにも惜しすぎる。だからここで私なりにボブ・ディランの凄さを単刀直入にお伝えしたいと思う。
ボブ・ディランとは「叡智」「戯言」の人である。
ボブ・ディランの歌詞は一見意味不明なものや他愛のないものも多いのだが、油断してると信じられない角度から人々の集合的無意識や時代に蔓延る有象無象を容赦なく脳内に叩き込んでくる。「歌われる詞」というジャンルで、ここまで幅広く多岐にわたるランドスケープを見せてくれる人はいない。「歌詞がいい」なんていうレベルの人じゃないのだ。語彙の豊富さや表現力は言うに及ばず、ユーモアもメッセージも嘘も本当も圧倒的な質と量である。言葉の大洪水と言って差し支えない。ノアの方舟が必要だ。ノーベル文学賞と言われても、なんら驚きはない。
それにも関わらず、全然重々しくない。飄々としている。過剰なエモーションとか鬱陶しさが皆無。本人も全然偉ぶらないし、ちょっと目を離したらどこかへ行ってしまいそうな軽さ、背負わなさがある。「Like a Rolling Stone」にしても「How does it feel ? / To be on your own / With no direction home / Like a complete unknown / Like a rolling stone(どんな気がする? / 一人ぼっちになって / 帰るあてもなく / 誰にも知られてなくて / 転がる石みたいになっちゃう気分は)」とか歌った後に「プゥー〜〜!」とか陽気にハーモニカ吹いちゃったりして、全くいい気なもんである。しかし、だからこそ、信用できる。私は「この世の中に誰も自分の味方がいないな‥」という少々おセンチな気分で夜中に一人トボトボ帰る道すがら、期せずして聴いてしまった「Like a Rolling Stone」で何回も泣いたことがある。ボブ・ディランは決して寄り添ってくれない。そして何も答えを言ってくれない。いつだってちょっと離れたところからこちらを見ている。しかし、それで充分なのだ。自分にしか解決できない問題を誰かに安易に共感されたくない。だからボブ・ディランは寄り添わない。じっと見ている。そういう知性が有り難くて、かっこよくて、いつも感動に打ち震えてしまう。そして、私は自ずと自分にこう問うことになる。私は今どんな気がしている?
今期、木星は双子座にある。双子座が主役である。今までぼんやりと考えていたことを実際に行動に移してみたり、自分自身を刷新するような新しいことをスタートするのにも良いタイミング。双子座の持ち味である「言葉」「知性」「コミュニケーション」「移動」のパワーが健全な形で発揮できるだろう。本を読み、人に会い、色んな場所に行ってみよう。それらは全て知性となる。一所にとどまる必要はない。軽やかに、流動的であれ。Like a Rolling Stone。
そういえばボブ・ディランはかつて自分の音楽を「水銀のようなサウンド」と評したことがある。水銀は英語で「mercury」で、「mercury」と言えば水星である。そして占星術界隈の方ならご存知の通り、水星は双子座の支配星なのだ。きっとボブ・ディランのことだからその辺りのことまでよくわかっていて、謎かけのように匂わせていたのだろう。かっこよすぎる。

【蟹座】 Lana Del Rey 「Young and Beautiful」

「Young and Beautiful」という言葉を聞くと占星術をやっているものなら誰もが金星を思い浮かべることだろう。金星は「若い女性」であり、愛や美などを象徴する喜びや楽しさの星だ。快楽的かつ官能的で、ともすれば行き過ぎて退廃的にもなりうる。ラナ・デル・レイの出生ホロスコープにおいて、そんな金星は「お金」「モノ」「豊かさ」を表す牡牛座にある。金星は牡牛座が本拠地であり、状態が良いと考えられるので、一般的に前記したような金星的テーマに恵まれやすいと考えられる。ラナ・デル・レイをご存知の方は思わず「なるほど」と納得してしまうのではないだろうか。
しかし「Young and Beautiful」という曲は、そんな若さや美しさが「喪失」していく予感めいたものを歌った曲である。全てを手に入れ人生の栄華を極めたかのようなヴァースから一転「Will you still love me when I'm no longer young and beautiful ?(私が若くなくなっても、美しくなくなっても、愛してくれますか?)」という不安げなコーラスに突入する。この曲はレオナルド・ディカプリオ主演の映画「華麗なるギャツビー」(2013年5月の木星双子座期に公開) のために作られたものでもあるが、映画を見た人なら思わず劇中で描かれていたギャツビーの栄光と挫折も重ねてしまうことだろう。
今期の蟹座から見て“幸運の星”木星は死角のような場所にある。ものすごい近くにあるが、近すぎて角度的に見えづらい…みたいな場所だ。木星は双子座を過ぎれば次は蟹座にやって来る。「夜明け前が一番暗い」という諺みたい。
「一番近くにあるのに一番見えづらい」ものの代表と言えば自分の内面である。目で見えるものや数値で表せるものなら対処もしやすいが、自分の内面は誰にも見えない。確かな情報など何もなく、手に取ることもできない。なので、必然的に誰にも頼れない。自分で何とかするしかない部分である。今期の蟹座は「内面の掃除」にこそ幸運の鍵がある。「目に見えないもの」や「隠された場所」に静かに向き合うことが潜在的な吉を呼び起こすだろう。そのために実際の掃除や不要品の整理などが必要なら是非やってみよう。
目の前で起こることは全て自分の内面が引き起こしているとも言える。だとすれば、目の前で起こることを変えたければ自分の内面を変えてみるのが1番の近道だろう。外側をいくら整えても根っこや幹が腐っていたら大木も脆い。ギャツビーは最高な奴だったが、「隠されている部分」に問題がありすぎた。来期は蟹座に木星が来る。その前に見えない部分をしっかり点検しておいて損はないはず。
ラナ・デル・レイは1985年生まれの蟹座で、「Young and Beautiful」は2013年4月(木星双子座期)にリリースされた彼女の代表曲の一つ。先日のコーチェラ・フェスティバルでトリを務めた際にもライヴの一番最後に歌われていました。この世の悲しみや憂鬱を全て包み込む聖なる鎮魂歌のように響き渡っていました。

【獅子座】 Madonna 「Music」

マドンナは蠍座と仕事をしないという都市伝説(?)がある。DJで音楽プロデューサーのデヴィッド・ゲッタは自身が蠍座だと告げると「残念だけど、一緒に仕事はできないわ」と言われ制作から外されたとか。ドラマ『glee/グリー』などを手がけたライアン・マーフィーはその情報を事前に知らされていたので、マドンナから誕生日を尋ねられた時、ウソの誕生日を言って「蠍座チェック」をかいくぐったらしい。…マドンナ、蠍座となんかあったの?
米国出身1958年生まれの獅子座マドンナ。世界で最も成功した女性音楽家でありアーティストの1人。冒頭の話は「たしかに獅子座と蠍座はスクエアの関係だから‥」とか占星術的に言えなくもないが、獅子座と蠍座でも上手くやってる人達もいるわけで、まぁ個人的な信仰なんだろう。マドンナはカバラに熱心であることも有名だし、精神世界とかスピリチュアルなものへの感度が高い人でもある。
ところで、1958年生まれと言えば、80年代を共に彩ったマイケル・ジャクソンやプリンスらと同い年である。かつての盟友たちが相次いで世を去っていく中、様々な困難を生き抜き、いまだに偉大なるクイーンとしてポップ・ミュージックの世界に君臨していることは賞賛に値しまくる。つい先日もブラジル・リオデジャネイロのコパカバーナ・ビーチで無料コンサートを開催し、160万人(!)を動員して話題になったばかりだ。「情熱」と「意志」を持って「ステージ」に上がり「表現」し続けるサイン、獅子座の鑑のようなアーティストである。
今期の獅子座から見て木星は「幸運」「仲間」「改革」「普遍」というような場所にある。人々がたくさんいて、ローカルに縛られず自由にネットワークを広げていく‥そんな「未来への希望」があふれているイメージ。マドンナは、今期と同じ木星双子座期の2000年8月に「MUSIC」というダンス・ポップチューンをリリースしている。25か国で1位になった大ヒット曲だが、その中で「Music Makes the people come together / Music mix the bourgeoisie and the rebel(音楽は人々を団結させる / 音楽はブルジョワジーと反逆者を混ぜ合わせる)」と歌っている。人種や性別、階級、宗教など、ありとあらゆる垣根を踊りながら無効化していくような曲だ。「未来への希望」とか言うと何だか説教くさい感じがするかもしれないが、「MUSIC」は全然そんなことなく、むしろ悪そうで、何より楽しげなところが良い。
この曲はリリース前にインターネットにリークされ、ちょっとした騒動の中リリースされたのを覚えているが、今となってはそういう出来事も全部「MUSIC」並びにマドンナのパワーの前にあっけなく飲み込まれた感がある。そうそう、「未来への希望」と言えば、マドンナはこの曲のMV撮影時妊娠していてお腹が大きくなっていたらしいです。だからあんまり立ってるシーンがないんですね。
そんな感じで何から何まで自分を輝かせる燃料に変えてしまう女王アッパレ…なんであるが、待って、そう考えるとますます「蠍座チェック」が可笑しく思えてくる。蠍座を避けるマドンナ。女王のウィークポイント。人って完璧すぎると愛されないから、そのくらいのツッコミどころはむしろチャームなのかもしれないけど。特に獅子座は輝く王、太陽のサイン。弱みとか翳りを見せるのが下手な時があるので。そう言えば、自分はもともとそこまでマドンナに興味ない人だったんだが、「蠍座チェック」事件を知って、ちょっとマドンナのことが好きになったんだった。

【乙女座】 The Strokes 「The Modern Age」

The Strokesは米国ニューヨークのロックバンド。中心人物でありvo.のジュリアン・カサブランカスが1978年生まれの乙女座。2001年1月(木星双子座期)にリリースされたこの曲「The Modern Age」を含むEPでデビューし、その後はレコード会社の激しい契約争い、そして「ロックンロール・リバイバル」という動きの中心となって一躍スターダムへ。21世紀が幕開けするや否や、いきなりトップスピードで「The Modern Age」を始めてしまった張本人である。
本格的なデビューアルバム「Is This It」は同年8月にリリースで、その時には木星は次の蟹座に行ってしまっているのだが(上の音源は「Is This It」に収録されたver.です)、面白いのは、「Is This It(これがそれ?)」というタイトル。「The Modern Age」をイギリスのインディー・レーベルで出した瞬間から話題沸騰&業界騒然となり、やれ「ロックンロール・リバイバル」だとか、やれ「ガレージロック・リバイバル」だとか、そういうハイプなムーブメントの中心に自分達がなってしまった。そういう自らの状況に対しての諧謔・皮肉を込めた「‥これがそれ?」なのである。盛り上がりの程が想像される。
今期の乙女座から見て、木星はまさに「名声」とか「達成」「仕事」みたいな場所にある。ジュリアンのように社会的にデビューしたり、そこで「評判」になったり、なんらかの「肩書き」を得たりすることもあるだろう。職業としては基本的に追い風の時期である。ただし、良くも悪くも社会的な注目度が高まる時期なので「不名誉」なレッテルを貼られないように気をつけよう。また、ジュリアン達が「ロックンロール・リバイバルの旗手」と称されたように、ある種の「役目」を背負わされたりすることもあるかもしれない。忙しかったりして自由度は少ない時期かもしれないが、与えられた責任をなるべく楽しんでみよう。それさえできれば、基本的には充実した時期だと思います。
余談。The Strokesが出てきた時、自分もバンドをやっていたので、そのサウンドやフォルムに衝撃を受けたのを覚えている。正直「こんな簡単で、こんなスカスカなサウンドでいいの?」と感じました。しかし今思えば、時代のトレンドが重厚さから軽やかさへ移行したことは、木星が牡牛座から双子座へ移行したことと重なって見える。The Modern Age(現代)はとても風通しが良かったのだ。

【天秤座】 Radiohead 「Everything In Its Right Place」

天秤座は「バランス」のサインだとよく言われる。だから「何かと何かの間に立って妥協点を探る」みたいな優等生的イメージで捉えられることがある。もちろんそういう部分もあるかもしれないが、自分の友人やUに来てくれるお客さん達、また過去の偉人達の事例などを鑑みるに、天秤座の「バランス」力とは、そんな生ぬるいものだけにはとどまらないような気がしてならない。天秤座には反逆者が多いのだ。
一番わかりやすいところで言えば、ジョン・レノン。有名な「僕たちはイエスより人気がある」というキリスト発言や、ベッド・インに象徴される「ラヴ&ピース」活動は、当時相当なインパクトだったろう。元祖炎上アーティスト。ごく普通の一般人からして見れば、かなり危なっかしい人間に見えたはずだ。
しかし後世になった今、個々の発言や出来事を具に見ていくと、彼がとても冷静に思考していたことがよくわかる。要は、「逆張り」だったのだ。世界にある種の偏りを発見してしまうと、どうしても気持ちが悪くなってしまう。だから天秤をバランスさせたくてしょうがない。「ラヴ&ピース」をやったのは、「ラヴ&ピース」を欲したというより、「ラヴ&ピース」が少なすぎて、気持ち悪かったから。「ビートルズなんか信じない」と歌ったのは、皆がビートルズを信じすぎてて、気持ち悪かったから。
1968年生まれの天秤座トム・ヨークにも似たような反逆性を感じる。2000年9月(木星双子座期)にレディオヘッドがリリースした「KID A」は、前作「OK Computer」までに出来上がっていたバンドのイメージを完膚なきまでに破壊した。結果、全世界を阿鼻叫喚の賛否両論地獄(or 天国)にしたが、トム・ヨーク自身はせいせいした気持ちだったんじゃなかろうか。バンドを取り巻く環境や状況があまりにも偏っていて相当まいっていたみたいだし。
今期の天秤座から見て拡大・発展の星木星は「旅」「未知」「哲学」「抽象」「ハイレベルな学問」みたいな場所にある。「KID A」の1曲目「Everything In Its Right Place」の歌詞はざっくりまとめるとたった4行。「Everything in its right place / Yesterday I woke up sucking on a lemon / There are two colors in my head / What is that you tried to say (全てはあるべきところに / 昨日レモンを吸いながら目が覚めた / 頭の中に2つの色がある / あなたは何を言おうとしていたのですか)」。神の啓示みたいな、非常に抽象的で、断片的な言葉たち。直接的なわかりやすいイメージを付与してやろうなんて気はサラサラないのがよくわかる。そもそもアルバム名が「KID A(少年A)」だった。
今期の天秤座は未知なる世界へ冒険の時です。すでに知っているものや、持っているものはひとまず横に置いておきましょう。小さくまとまるには惜しい時です。外側の世界に自分をどんどん展開していってください。自分の常識が通じない場所に行くと人は思考や言動を変えざるを得ません。いつも選択してる具体的な道筋がなくなるからです。旅とはそれを楽しむ行為ですが、本来それは旅に出なくてもやれるはず。トム・ヨークは「OK Computer」までに出来上がっていた世界ではなく、その外側へ語りかけたかった。外側へ出て行きたかった。だから必然的に言葉もサウンドも変化した。そこにあるのは未知への渇望、答えのない旅への希求です。
ちなみに「KID A」と対をなす次作「Amnesiac」も同じ木星双子座期である2001年5月にリリースされている。レディオヘッドの「大航海時代」をリアルタイムで体験できたことはとても幸福だった。新大陸を発見したみたいにエキサイティングだったから。(こんな帝国主義的な例え、トム・ヨークは嫌がりそうだけど。)

【蠍座】 Neil Young 「Like a Hurricane」

先日行われたコーチェラ・フェスティバル2024でトリを飾ったのはラナ・デル・レイだったが、彼女がその2週目のステージに向かいながら口ずさんでいたのはなんとニール・ヤングの「Hey Hey, My My」だった。「Hey Hey, My My」と言えばカート・コバーンが遺書でその一節「It’s better to burn out than to fade away(だんだん消えていくより燃え尽きる方がいい)」を引用したことでも有名な曲だ。カートを敬愛するいかにもラナらしい演出だなと思ったが、そこに登場する3者、ラナ、ニール、カートが共通して「受動的で情緒的なエレメント」と言われる水星座なのは興味深かった。
1977年の5月(木星双子座期)に発表された「Like a Hurricane」は、1945年生まれの蠍座ニール・ヤングの代表曲。「American Stars 'n Bars」という新旧寄せ集めみたいなアルバム(しかし良いアルバム)の中の一曲として世に出た。
初めて聴く人はその演奏の荒々しさ(というか、下手さ)に度肝を抜かれてしまうかもしれないが、そういう人は一度でいいから同曲のライヴ盤やライヴ映像に接してみてほしい。不器用な木こりのゴツゴツした手みたいな轟音ギターと、今にも切れちゃう繊細な糸みたいな歌がスタジオ盤よりも真に迫ってきて、そのアンバランスな美しさに思わず涙を堪えることになるだろうから。その情景は「You are like a hurricane / There's calm in your eye(君はハリケーンのようだ / 目には静けさがある)」という歌詞そのものである。
今期の蠍座から見ると木星は少し「奥まった」ところにある。そこは浅さとか明るさとは真逆の「深くて暗い」場所。だから表からはやや見えにくい。容易には辿り着けない。しかも辿り着いたらもう戻って来れない。そういう「強制力」がある場所。「Hurricaneみたいな君」に近づくということは、吹き飛ばされるか、その中心の静かな目まで行くか、そのどちらかなのである。
ただ、そういった「0か100か」みたいな極端な要素は、そもそもの蠍座に備わっている気質とも言える。なので、今期の蠍座にとって、幸運はある意味一番蠍座らしい場所に潜んでいるのかもしれない。物事をとことん追求すること、特定の誰かと親密に繋がること、お金とか看板とか志とか技などを受け継いだり受け渡したりすること…などなど。浅瀬でチャプチャプするのではなく、深海に没入していくイメージ。
ちなみに冒頭で引用した「Hey Hey, My My」には本稿水瓶座のところで紹介するジョニー・ロットンの名前が出てくる。「Hey Hey, My My」はジョニー・ロットンなどの新世代に触発されたニール・ヤングが「Like a Hurricane」の2年後に発表した曲なのだ。そう考えると1977年の木星双子座期において、2人の見ていたものが対比でわかりやすい。水瓶座のジョニー・ロットンが社会に対して「We love our Queen (オレたちは女王様を愛してるぜ)」と皮肉の限りに叫んでいた頃、蠍座のニール・ヤングはある1人に対してめっちゃ真摯に「I want to love you but I'm getting blown away(あなたを愛したいけど私は吹き飛ばされてしまいそうだ)」と歌っていた。その一途性。盲目性。深海性。
「God Save the Queen」という曲のメッセージの外装は、2024年の今となっては決定的古臭さを纏っている。(もちろん、それはそれでいい。)しかし、この時ニール・ヤングが深海で探り当ててしまった「Like a Hurricane」という曲は、まるで人類が何千年にも渡って受け継いできたかのようなタイムレスな響きを持って2024年を生きる我々にもしっかり突き刺さってくるのである。

【射手座】 Taylor Swift 「We Are Never Ever Getting Back Together」

射手座と対面している双子座に木星があるということは、射手座にとって「他者」「パートナー」という場所にラッキーがあるということ。社会と私が接続する扉、そこに必ず現れる写し鏡のような存在。今期の射手座の幸運の鍵は、まさにそういう人たちが握っている。
1989年生まれの射手座テイラー・スウィフトがアルバム「Red」のリード・シングルとして「We Are Never Ever Getting Back Together」を発表したのは 2012年8月の木星双子座期。ちなみに「Red」リリースの10月も木星双子座期。今期のテイラーはこの時と同じ木星双子座期を迎えることになるのだが‥マジかよ、テイラー、まだ売れるつもり?😆
「Red」を制作するにあたり、それまでのカントリー・ポップ路線とは異なる音像の必要性を感じて新規のプロデューサー陣を迎えたのは有名な話。その結果、この曲ならびに「Red」は大成功を収め、一躍テイラーをカントリーという枠組みに収まらないメインストリームのポップ・アーティストへと押し上げることとなったわけだが…こんなわかりやすい「拡大・発展のラッキースター木星が『パートナー』にある時」の具体例があるだろうか?説明が簡単で楽である。
ただ、一点付け加えるとするならば、対面のサインや場所には「敵」とか「対立者」「ライバル」という意味もあるということ。「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」という邦題からもわかるが、この時期のテイラーの歌詞はほとんどが「パートナー」について書かれたものであり、その内容の大半はそういう彼らとの軋轢や悲喜交々について。大事な「パートナー」は一方で最大の「敵」でもあるということがよくわかるんじゃないだろうか。(余談だが、射手座の対面にあるサイン双子座のアーティストと言えば、MTV Video Music Awards 2009でスピーチを妨害してきた「天敵」カニエ・ウェストがいる。あの事件はその後の2人を苦しめたと思うが、一方で2人を新たな局面へと導くことになったのも事実。敵とは扉なのである。)
アルバムのタイトル・トラック「Red」には「Loving him was red(彼を愛することは赤色だった)」という歌詞があり、テイラーはこの曲について「結びついた感情が強烈すぎて、忘れられない物事について書いた。私にとって、強烈な感情というのは赤色なんです。」と言っている。射手座のみなさん、燃え盛る「Red」の季節到来です。テラスハウス?

【山羊座】 Daft Punk 「Harder, Better, Faster, Stronger」

なんと言っても「Work it harder / Make it better / Do it faster / Makes us stronger(もっと頑張れ もっと良く もっと速く もっと強く)」なんである。邦題は「仕事は終わらない」。今期の山羊座から見て現在木星がある場所は、かつて「奴隷」という意味も内包していたらしい。こんな風に書くと山羊座の皆さんをただ悲しませるだけのような気もするのでこの辺にしておこう。もちろん今期の山羊座が文字通り「奴隷」になるわけではない。
英語の「er」は比較級の表現‥とか何とか日本の義務教育で教わった記憶がある。比較ってことはAとBに差異があるということ。AとBに優劣があるということ。だとしたら、人間の欲望として当然「もっと良い方」とか「もっと賢い方」とか「もっとキレイな方」とか「もっとたくさんある方」とか、そういう方を志向するだろう。今期の山羊座はそういう「もっと〇〇な方へ」という欲望の王に対して自分を忠実なる僕(しもべ)にさせることが幸運のきっかけとなる。
自分の中に「もっとお金を稼ぎたい王」がいるならば、その僕となって、より能力や技術や知識を身につけるべきだし、「もっと健康になりたい王」がいるならば、その僕になって、より栄養や運動や睡眠に対して意識的になるべきだし、「もっと美しくなりたい王」がいるならば、その僕になって、より分析や調査や行動が必要になるだろう。しかし、考えてみればどれも至極当然のことである。そう、今期の山羊座が木星という吉星の恩恵を受けるためにやるべきことは魔法みたいなことやチートではない。「めっちゃ当たり前のこと」なのだ。
山羊座はもともと「実際性」が好きなサインなので、コツコツ積み上げて結果が出始めたりしたら、地味で地道な作業などはおそらくそこまで苦じゃないはずである。目に見えて数字が良くなったり、効率的になったり、誰かの役に立って感謝されたりし始めたら、むしろ楽しいくらいであろう。「より良くなるために、もっと頑張る」という意識やムーヴは、方向性さえ間違えていなければ、誰にとってもいつだって奨励されていいはずだが、そういう意味において今期の山羊座ほどそれをうまく遂行できるサインはないだろう。Let's work it harder。
Daft Punkの片割れトーマ・バンガルテルは1975年生まれの山羊座で、この曲はアルバム「Discovery」の中の一曲として2001年3月(木星双子座期)にリリースされている。Daft Punkは同時期に有名な「One More Time」もリリースしていて、最初そちらでもいいかなと思ったが、今期のメッセージ的にはこの曲の方がBetterかなと思ってこちらにしました。でも「Harder, Better, Faster, Stronger」的献身ムーヴばっかりだと流石にどこかで息切れしちゃう可能性もあるので、そんな時には「One More Time」を聴いて今一度自分を奮い立たせてみるのもアリなんじゃないでしょうか。

【水瓶座】 Sex Pistols 「God Save The Queen」

2023年から山羊座と水瓶座の境目を行ったり来たりしている冥王星(破壊と再生の象意を持つ星)は、2024年の11月に再度水瓶座に入ったらそこから先は2043年までずっと水瓶座を運行する。冥王星水瓶座期の本格的スタートだ。冥王星はロングタームやビッグスケールなものを占うのによく用いられる星なので、時代の精神や人々の無意識と紐づけられて語られることが多い。ということは、必然的に前回の冥王星水瓶座期がどんな時代だったのかが気になってくるわけだが…調べてみると、そこには世界史の中でも屈指の重要な事件がある。フランス革命。…なんて水瓶座らしい出来事なんだろう!水瓶座と言えば「革命」「反抗」「自由」「平等」のサインなのである。
今期の木星はそんな水瓶座から見て「表現」「創造」「自己主張」「遊び」「恋愛」みたいな場所にある。木星牡牛座期に作った土台をホームとして、そこから元気に飛び出して行き、あっちこっち駆け回って泥まみれになり、キャッキャ言って遊ぶ子供みたいな時間の到来だ。もちろんその過程で、子供が友達とケンカするような、滑り台で無茶な滑り方をして擦り傷を作ってしまうような、シュン…としちゃうような出来事もあるだろう。しかしそういったことは全て単に「遊び」の代償を払っているだけで、必要なことだ。子供はそうやって大人になっていく。
1956年生まれの水瓶座ジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)が中心となって詞を書き、歌われた‥というか、大きな声で喋られたこの曲はセックス・ピストルズのシングルとして1977年5月(木星双子座期)に発表され、物議を醸しまくった。「God Save the Queen」というのは当時英国国歌とされていた曲と同じタイトルである。日本で言えば「君が代」という曲を発表したようなものだ。しかもその曲の中で「女王陛下万歳!イングランドに未来なんてない」とバチクソにふざけながら歌っている。当時の英国の社会状況に対して不満があったのだろう、まさに「反抗」の「表現」である。当然放送禁止になった。6月には右翼系の人にナイフで襲われたりしている。ここまでくるともはや擦り傷どころではないが、ところがどっこい曲は大ヒットして、ポップ・ミュージック史に燦然と輝くマイルストーンとなった。(ちなみに、バンドの仕掛人である悪名高いマネージャー、マルコム・マクラーレンも1946年生まれの水瓶座なのであった。)
初めてこの曲を聴いた16歳のある日、自分は「この世の中には、やっちゃいけないことなんて何一つないんだ」ということを知った。何を言ってもいいし、何をやってもいい。自由。ピストルズは明るかった。絶望的に。きっとフランス革命を起こした人たちも「No Future(未来がない)」って思ってたんだろう。だから「やっちゃいけないこと」をやった。そして未来を勝ち取った。今の日本には未来があるのだろうか?水瓶座よ、遊んじゃおう。

【魚座】 中島みゆき 「地上の星」

NHKドキュメンタリー番組「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」のテーマ曲だった「地上の星」。それとの絡みか、2002年の紅白歌合戦に中島みゆきが出演し、黒部ダム近くの地下200mからこの曲を生中継で歌ったのを覚えている。ドキドキしながら見たその放送で、現場には相当緊張やプレッシャーがあったんだろう、中島みゆきは歌詞を豪快に間違えていた。最終的には圧巻の歌唱だったし、個人的には特に気にならず微笑ましく見たが、後日、自身の口からミスの内幕を、カバーしてくれたスタッフに感謝しながら朗らかに語っていて、その清濁合わせ飲む器のデカさ、何もかも海に流してしまうようなあっけらかんとした雰囲気に、魚座っぽさを感じずにはいられませんでした。
私は日本人の作る歌詞では中島みゆきのものが一番好きである。理由は簡単、シンプルにド共感してしまうからだ。中島みゆきの歌詞には「社会からこぼれ落ちてしまった者達」への視線がある。それは時にお涙頂戴的だったり自己憐憫的に響いてしまう可能性もなくはないが、中島みゆきに歌われるとそんなことはどうでもよくなる。だって「ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう」とか「おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールをまかせるな」とか、テンション上がらない人なんているの?あと、人はよく「“途にたおれて誰かの名を呼び続けたことがありますか”とか、そんな経験なくない?(笑)」とか言って嘲笑するけど、いいかお前ら…俺は…あるぞ!!経験ないなら黙ってろ!
すいません、取り乱しました。
「草原のペガサス 街角のヴィーナス みんな何処へ行った 見守られることもなく 地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかり見てる」。そう、人はすぐ上を見たがる。そうして永遠に終わらない残酷なレースに参加する。しかしほとんどの人はいつか必ず何処かで脱落する。誰にも見守られることなく。だから中島みゆきはこう続ける。「つばめよ 高い空から教えてよ地上の星を つばめよ 地上の星は今何処にあるのだろう」。
今期の魚座から見て木星は「ルーツ」「基礎」「家」「安心」というような場所にある。上を見上げるのではなく、足元を見つめる時間だ。自分は何処から来て、何処へ帰っていくのか。自分が今立っていられるのはどんな基礎、地盤があるからなのか。よくよく踏みしめてみよう。星は上じゃなく、下にある。
黒部ダムのような発電所を作った人たち、そして地下200mで毎日必死に働いているような人たち。普段明るい陽の当たる世界に生きて、どんどん高みに上り詰めようと遮二無二過ごしていると忘れてしまいがちかもしれないが、現代を生きる我々の生活は、確実にそういう名もなき無数の人たちによってボトムから支えられている。さらに言えば、我々はどんな人も必ず誰かによってボトムから支えられ、守られて生きている。それは型どおりの「家」とか「家族」ではないこともあるだろう。安心できる居場所。出ていって、また戻ってくるような巣穴みたいなところ。今期の魚座にとって幸運の鍵はそのような「土台」にある。足元を固めよう。
中島みゆきは1952年生まれの魚座で、「地上の星」は2000年7月の木星双子座期にリリースされている。ちなみに、2024年4月6日から18年ぶりに『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』が復活し、オープニングテーマは「地上の星」の新収録版らしい。木星が再び双子座にやってきた2024年に、とても興味深い符合ではないか。



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2024 : Where Are We Now ? PL

PL化したものです。
文章にも書きましたが、Neil Youngの 「Like a Hurricane」はライヴver.、山羊座は「One More Time」も入れておきました。


前回のPLと解説


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