最近観た映画 「aftersun」について
コロナ禍になってから映画を観るのが趣味になった。
それまでも気になる作品は観ていた方ではあったけどあまり外に出なくなったのもあって観まくるようになり趣味のひとつになった。
最近観た映画について書いていきたいと思う。
「aftersun」
舞台は1990年代後半のあるリゾート地
11歳の少女ソフィーともうすぐ31歳になる父親との夏休みのひととき
その時のビデオカメラの映像を観て20年後
その時の父親と同じ歳になったソフィが振り返る
という話
この映画は説明もなく
完全に観る人に感じたり想像させたりするタイプの映画で、全く観る人に優しくはない映画だ。
一応娘視点で描かれてはいるが
父親の葛藤や孤独感なども描かれている。
観た人の感想を観ていると面白い。
大人になりたい少女と繊細で子供のような父親
自分がちょうど父親と同じ歳になるからだろうか
凄く重ねてしまう。
31歳とは世間的に見れば大人だし、大人にならねばならないと勝手に自分自身思わないといけない年齢でもある。
だがしかし心が成熟していない人もいる。
それは父親になったとしても。
まだ昔の自分と一緒だと勘違いしてしまう。
様々な状況が自分を大人にしてしまう(させられる)のだ。
父親は奥さんと離婚していて
孤独でいつ自殺してもおかしくないような雰囲気がある。(多分鬱)
ラストシーンの後自殺したのではないか?とレビューしている人もいる。
これもまた明確に描かれていないし
観る人の想像力に委ねている。
娘は同い年ぐらいの少年や年上の男女グループとの出会いがある。
彼らとの触れ合いが大人への階段を少し登らせた。
11歳ははやく大人になりたいと思う年齢
大人ぶりたい年齢なのかもしれない。
彼女は20年後同性のパートナーがいる。
そして何故かあの頃の父親と同じで喪失感を抱えていると感じた。
20年前のビデオを観て彼女には父親はどう見えたんだろうか?
20年後 父親と同じ歳になって振り返ってみて父親はどう見えたんだろうか?
自分はその時の父親と比べてどうなんだろうか?
これは僕達観る側にも問われている気がする。
実際観ている自分の親と同じ年齢になって
自分はどう感じたんだろうか。
aftersunは流れる楽曲も素晴らしく
心にくるものが多い。
OSTを担当したOliver Coatesの曲も素晴らしい。
最後に
近年こういった人の心情、内面の変化
過去を振り返る作品が多い。
世の中的にも不安定な時期なので
こういった作品が流行るのもわかる。
人の事を理解する事の難しさ
理解したいができない自分の弱さ
過去を振り返ってしまう弱さ
前向きにいきたいものだ。
シャーロット・ウェルズ監督のインタビュー
こちら良かったので是非。
ウェルズ監督 aftersunが初監督作品なのが凄すぎる。
次回作も楽しみだ。
・追記
R.E.M.のLosing My Religionの歌詞ちゃんと読んだがそりゃ歌いたくないよなぁてなりました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?