Vol.44 先読みクイズ

(※先に1人語り。後から相方がクイズしに来る)

恋人に呼び出された...

急に...なんだろう...

...破局かなぁ。。破局かなぁ!!
別れてくださいかなぁ!!

僕は常に最悪の事態を考えてしまう性格です。
例えば旅行の準備にしても、もし風邪を引いてしまったらどうしようと考えると常備薬を持って行きたくなりますし、
もし肌寒かったらどうしようと考えると、厚手のパーカーを持っていきたくなります。
あと、ホテルのパジャマがなんかワンピースタイプで膝丈くらいしかなくてスースーしたらと考えるとジャージを持っていきたくなります。

そのせいで一泊二日の旅行でキャリーバッグを埋めたことがあります。
なんなら8割くらいは使いませんでした。


話を戻しましょう。私は今から彼女から別れを告げられます。告げられますでしょう!

そうなれば、とんでもない衝撃と落胆が私を襲うことになる。
しかし!あらかじめ振られるシュミレーションをしておけば!傷も浅く済むというわけです!!

...どうしよう。。何事もないように振る舞うか??

「あ、別れる?あ〜ハイ。おっけ〜です、ハイ」

キツイな〜。。変にカッコつけてる感も嫌だな〜。。そもそも別れないでほしいと伝えるのがいいのか?

「ダメな所があるなら言って!直すから!もう一度やり直そう!!」

いや...ここで大切なのはいかに自分の心を傷つかせないことだ!!これを言うと自尊心が失われる気がする!!

どうすれば...どうにかして傷つかない方法を..

あ...先に...振っちゃうか...?
あぁ..いいぞ...!先に振ってしまえば振った人と振られた人という完全な上下関係ができる...!

(目バキバキで)
「あ〜こっちこっち。話ってなに?あ、その前に、別れてくない??いや、破局。...ハイ、別れました!...で、なに??あ、君も別れて欲しかったんだ〜。。ちょうど良かったね。あ、友達とかに聞かれたら、ちゃんと“振られた”って言ってね。先に振ったのはボクだから。君は振られた立場だから。その関係性大切だから。」

...。

お〜ん。。。
いいんじゃない?うん、、いいと思う。。
倫理とか道徳は置いといて、キズはまだ浅い気がする。
よし!これで行こう!向こうが着いた途端に仕掛けよう!!

ハイ、相手着きました!別れてください!はいサヨウナラ!ちょっと待ったぁ!!!

...別れてくださいじゃなかったらどうする??

もっと別の内容だったら別れる必要もないのに別れる事になるな。

...あ、じゃあ、相手が「別れてください」の「わか」くらいで、言えばいいか。なんなら振る空気感ってあるしな。空気を読みつつ、先に振ろう。

...別の内容ってなんだ??

..宗教の勧誘...?
それはそれで最悪だな〜。
「幸せですか?」って突然言われたらどうしよう。
まぁその時は「しあ」くらいで「幸せです!!」って先手を取ればいいか。

他で最悪なこと...
連帯保証...?マルチ勧誘?

...ちょっと試してみるか。。


(ここで相方が登場)
『さあ始まりました!相手の思考を予想せよ!先読みクイズのお時間です!本日の回答者は中村さんです!よろしくお願いします〜』
「はい、よろしくお願いします」
『中村さん、本日の自信のほどはいかがですか?』
「まぁやれることは、やってきました。」
『なるほど、なかなかの自信のようですね。ここで、改めてルールを説明いたします。問題文は恋人が中村さんに伝えようとしていることです。中村さんはセリフが終わる前に返答をしていだければ正解となります。よろしいですね?』
「ハイ。」
『それでは問題です!“私たち付き合ってそろそろ一年になるけどさ

ピンポーン!!

『おっとここでボタンを押した〜!中村さん回答をどうぞ!』
「...別れて下さい」

...ピンポンピンポーン!!

『..正解です!ちなみに中村さん、なぜお分かりになりました?』
「はい、これは“一年になるけどさ”で反語を使っているので付き合っていることに対してだと予想できるので、先を読んでこちらから振ったわけです。」
『完璧です!ここで問題文を読んでみましょう“私たちそろそろ付き合って一年になるけどさ、今は仕事を頑張りたいから別れましょう”でした〜!』
「あ〜仕事のあたりでもいけましたね。」
『素晴らしい〜。では次の問題です!“・・・。

ピンポーン!

『おっと問題文が一文字と出されていないがここで押した〜!!』
「あ〜そっちか〜?いくか〜?よし、いこ!...“雰囲気、変わった?”」

ピンポンピンポーン!!

『またもや正解!!中村の快進撃は止まらない〜!!』
「いや賭けでしたね。これ問題文すぐ終わっちゃうやつでしょ?」
『そうなんです。問題文読みますね。“・・・。え?なんか気づかない?”が問題でした〜!これもよくある困るセリフですがさすが中村さん、答えてきましたね。』
「ありがとうございます。」

『さて次が最終問題でございます。お次は難問となってますがいかがでしょうか。問題です!!“中村くんてさ、猫、好きだったよね?

ピンポーン!

『ここで押したぁ!ですが中村さん、少し迷っている様子ですが...?』
「うわ〜どっちかなんだよな〜!」
『おっと二択には絞れているようですね〜。では正解をどうぞ!!』

「...飼いません。」

...ピンポンピンポーン!!!

『正解です!!!』
「っしゃあ!!」
『素晴らしい回答でした。ちなみに問題の続きは、“中村くんってさ、猫、好きだったよね?この猫見て?友達の猫が子供産んだんだけどさ、飼う?”でした〜!!ちなみに回答はなにと迷っていたんですか?』
「かわいいね、と迷ってました。」
『あぁ、シンプルに可愛い猫見せてくるパターンですね。何より中村さん全問正解おめでとうございます!!』
「恐縮です。」
『ですが本番はここから。まもなく恋人がこの場にやって来るでしょう!!改めて中村さん、自信のほどは??』
「だいぶ自信つきました!あとはやるだけです。」
『おっと..?やって..来たみたいですね!!それでは私は失礼いたします〜!』



あ、こっちこっち!ん?全然待ってないよ?

...で、話って...何?
(ボタンを押す構え)

...え?顔見たくなったから呼んじゃった?

...あぁ..

...えぇ..

...う〜ん..

“ピンポーン”

「...幸せです。」


ピンポンピンポーン!

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