日本製鉄㈱のUSスチール買収計画の障害除去の動きがまたひとつ

昨日、宝山鋼鉄との合弁事業を解消すると言うニュースがTVから流れて来ました。合弁事業の期限は8月末であり、今が決断の時期であったことは一橋大の卒業生である橋本会長には至極当たり前の決断でもあったか??
鄧小平元国家主席は君津製鉄所を訪れた時、稲山義元新日鉄会長を口説き落として「君津製鉄所をモデルにした製鉄所建設に協力する」と言う言質を取り付けた。私が現役の頃、「君津レベルの製鉄所の操業はレベルが高過ぎる」とやんわり、拒否するもいくつかの紆余曲折の結果、GOサインを新日鉄は出したのは政治的な圧力があったと聞いている。
田中角栄をはじめ、日本社会党の中国びいきに負けたくないとの対抗意識が作用した。
このプロジェクトの反動は新日鉄の屋台骨を揺るがすも、自動車をはじめとする国内企業の中国進出の追い風になったと言うメリットはあった。
今回、合弁事業をやめるにあたって①USスチール買収計画の足かせを弱める、②難航しているグリーンスチール開発・製造・販売の障害緩和にありそうです。EUは国境をまたぐ製品の脱炭素の定義の厳格化を画策しており、インドと合衆国での生産拠点の獲得でその障害を乗り越える手段と考えたのが橋本会長の経営方針です。

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