政府と東京電力は30年を守れるのか?

昨日、政府(岸田総理)の決断に東京電力は30年以上の年月をかけて、現在敷地内のタンクに溜っているトリチウム処理水(*)を安全に海洋投棄すると発表し、実行開始した。一口で30年と言うが「人のうわさも75日」と言われるように初志貫徹は難しいものです。経済産業省と全漁連の間で関係者間の合意なしに如何なる処分をも行わないと言う合意文書も反故にされてしまった。また、原子炉の寿命も40年と政府や電力会社が言い続けていたが、これも条件付きであるが40~60年間にすり替えられてしまった。
そもそも発電設備を保有し、発電することにを生業にしている電力会社は火力発電設備の余寿命をきちんと把握してこなかった。高効率運転を実現するために①新技術の導入、②スケールアップを優先し、スクラップ&ビルドを繰り返してきた結果です。原子力発電は米国の重工メーカーの技術の後追いと盲従が、我が国における原子力発電設備の研究開発が手薄になってしまった。
そんないい加減なことをしてきた政府(通商産業省)と東京電力が30年以上も約束を守り通すとは思えない。後に控えるのは原子炉内にあるデブリの取り出しで処理不能な水が想定以上に増えることが危惧されます。その時には石棺状態にするのでしょう?

NHK日曜討論「トリチウム処理水の海洋放出」

今日の日曜討論では西村経済産業相と内堀福島県知事とNPOの代表がかみ合わない意見の応酬をしていた。西村氏は6年間もかけて検討した苦渋の選択だと言うばかりです。知事は国の顔も立て、住民にもいい顔をしようとしている。全漁連の会長の投げやりな発言もも困ったものです。代表はこれまで国がとって来た東電擁護の姿勢に不信感が満載の発言をしていた。「ステークスホルダーを交えず、決まったことを住民側に押し付けるのは民主主義にはんする」と理路整然と話していた点が納得いった。
西村氏が全漁連会長の言葉「海洋放出は理解できつつある。然し納得入っていない」を受けて、「これから始まる廃炉作業の完遂のために放出はやむ無し。放出だけで30年、先が全く見通せていない廃炉事業+それに伴う処理水問題によって福島県の漁業が消滅することがないことを」と言う無責任な発言をした。

トリチウム専門家の無責任な発言に怒りが


大学でトリチウムを研究している人物と割り引いても、「安全」を強調するのは住民に背を向ける発言です。本当に安全であれば千基ものタンクに貯めたのか? タンク設置場所が満杯に、デブリ取り出し用の資機材を置く場所を確保するためだと言う発言に無理あり。
百歩譲って、政府関係者や安全だと言う人に放出する水を1年間飲み続けて欲しいね。政治家は刺身の一切れを食べるパフォーマンスで国民を騙す方法を過去にやった前歴がありますので。



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