32年前の雑誌を読み返して

Trigger(最新技術情報誌)1991年3月号に新日鉄㈱が挑戦した攻めの事業についての研究開発が特集されていたので廃棄せずに残しておいた。この頃は新日鉄にも重厚長大産業の陰りが見えていたので、鉄鋼から電子、化学などの異業種に乗り出していた。(分社化)と言ってもベンチャー企業を立ち上げるような人が率先して異業種に乗り出した訳ではなく、悉く失敗しました。その結果は住友金属や日新製鋼を吸収合併するようなお粗末さで、粗鋼約5,000万㌧で推移しています。雑誌の特集には一言だけですが脱高炉について触れていますが、現在模索中のカーボンニュートラルについては触れられておりません。灼熱のブラックボックス(高炉)の内部をシュミレートすると述べ、その結果は海の物とも山の物ともつかないレベルです。現在、日本製鉄が保有する高炉は11基で半分を大型電炉に置き換える場合、4兆円もの資金が必要でその調達も目途が付かないでしょう。大型電炉は広畑に新設するようで次は八幡or鹿島となるでしょう。
異業種に乗り出した例として八幡の東田に1901年のプレートが取り付けられた高炉の横にスペースワールドと言う遊園地が建設され、高炉とサターンロケットが並んだ異様な景色は異様でしたね。関係先のお情けで修学旅行のルートに組み込まれるもさっぱりでした。私は北九州市ではなく堺市にあった堺製鉄所をテーマパーク化するべきと考えたがその案に賛同する人はいなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?